1日24時間。分になおすと1440分。
そのうちのたった5分。288分の1日。
今までいろんな人を見てきたけど、そんなごくわずかな時間でさえ毎日続けるとなるとできる人がかなり限られてきます。
たとえばストレッチ。
僕はこれまで整骨院の院長として10000人以上の人の体を治療してきたのですが、その人たちが必ず言うことが「どうすれば痛くなくなりますか?」です。
僕は「1日5分でもいいのでストレッチをしてください。」と返しました。
ストレッチは毎日毎日5分でも、集中してやるだけで、早い人なら1ヵ月もあれば少し体が柔らかくなっていることが実感できるぐらいにはなれます。
だけど、これができる人はホントにごく一部だけです。たぶん100人に3人ぐらい。
僕の話を聞いて「頑張ります!」、と意気込んでやり始めたとしても、平均すると5日ぐらいしか続かないのが現状です。#たぶん5人もいない
最初に意気込んで頑張りますっていう人はまだマシなほうで、中には「時間がない」とか「そんなことできない」とかトンチンカンなことをほざいてらっしゃる方もいます。
要はやる気がないだけなのだなとあきらめます。
本気で健康な体を手に入れたいと思うなら頭の中に常にそのことがあるはずで、どんなに仕事、その他もろもろ忙しくても、ほんとうの意味で本気になればそのことが頭から離れなくなるものです。
そして時間なんてものは作ろうと思えばいくらでも作れます。寝る時間でもなんでも削ればいいんです。
たった5分なんだから。
ケイゾクハチカラナリ

僕はこれまでにバスケットボール、ドラム、絵をやってきました。そのうち、ドラムと絵はお金を稼げるまでに上達しました。
バスケでも高校1年でレギュラーをとれるぐらいまで上達しました。
楽器でもスポーツでもいきなり上手くなんてなれっこありません。僕が高校のとき、はじめてドラムセットに座ったにもかかわらず、いきなりエイトビートを叩いてみせました。
そしてまわりにいた連中の度肝を抜いてやりました。
まわりにいた連中には僕が初めてのくせにいきなりドラムを叩いてるように見えたのだと思います。
でも真実は違います。
僕は中学2年生のときに同級生がドラムを叩いてる姿をみて感動していつかドラムをやってみたいなーなんてぼんやり思いました。
それ以来、頭の中でずーっとドラムを叩くイメージトレーニングをくりかえしていたのです。
いつそんなチャンスがくるかなんてわからないのにもかかわらず。
なのでドラムセットに座ったのは初めてだったけど、ドラムの練習自体はひそかに頭の中でしていたという、そういう姑息な手段でまわりを驚かせた変態的なヤツです。
だけどそんなこと知らないまわりの連中は「おまえ天才かっ!」とかいってはしゃいでくれます。
それが嬉しかったのです。
初めてドラムセットに座ったのが高校2年生のときなのでおよそ2年間、僕はドラムの練習を頭の中でくりかえしていました。
ときには手や足を動かしたりして。でも1日にやる練習量なんてたかだか5分とか10分とかだったと思います。
チリも積もればなんとかなるもんだなぁと。
1日5分で絵が上手くなる

本気でやる気があれば1日5分絵を描くだけでも上達は可能なことだと思います。
ただ、5分というのは実際に白い紙に向かってるのが5分というだけで、それ以外の時間でも常にあそこはこうしてとかあれがああなってとかもうちょっと力抜いて描いたほうがいいかなとか、頭の中は常に絵のことでいっぱいになるといいと思います。
なので実質的に1日5分ではなく、1日中絵のことばかり考えてしまっていることになるのですが。
でも本気でやる気があるなら、1日に5分で終わることなんかありえないと僕は考えます。
だって上手くなりたくて練習したくてしかたないんだもの。
5分でできることなんか限られてるしもっと上手く描きたいからどんなに忙しくても最低1時間は絵を描く練習をしたいと思うはず。
本気になるってそういうことだと思います。楽して絵が上手くなるとは僕は思わない。
僕は人物画がすごくニガテでした。
ほかの動物と比べると言葉が理解できるぶん感情が移入しやすいので表情もより複雑になります。
顔は笑ってても心は曇ってるなんてことはよくあります。
そんな微妙な表情をとらえることはできても、紙の上に表現するということが僕にはできなかったのです。
だけど、絵を描いて生きていくということはそんな依頼があるかもしれない。
そんなふうに思うとせっかく依頼してくれた人ががっかりしてしまう。
だったら逃げるわけにはいかねぇ。
そんな思いで泣きそうになりながらも毎日毎日ニガテだった人物画を描きまくりました。
そのときの絵を描いてた時間は1日に2時間3時間は夢中になって描いていたので5分なんてあっという間に過ぎてしまっていました。
でもときにはホントにイヤになって投げ出したくなったこともありました。
それでもふんばって描きつづけました。そしたらあるとき、コツみたいなものをつかむことができて、それからは自分でも驚くほどみるみる上達していきました。

おかげで人物画の依頼もくるようになりました。いちばん嬉しいのは依頼主に絵を見せた瞬間の笑顔。
正直、渡すまでは「喜んでくれなかったらどうしよう」という不安と「大丈夫、全力を尽くしたんだからっ。」という自信がだいたい7対3ぐらいの割合で圧倒的に不安のほうが大きいのです。
それでも絵を見て喜んでくれたらホッと肩をなでおろして不安から一気に解放されます。
あの苦しかった時間がすべて報われる瞬間です。
まとめ
1日5分っていうと楽してできるというイメージがありますが、のめりこんでしまえば5分なんて時間は勝手に過ぎていつのまにか2、3時間やってたなんてこともよくある話です。
ようはその「のめりこむ」ことができるかどうかで過程が全然ちがうものになるということ。
過程が変われば当然結果も全然ちがったものになります。
気持ちが大事だというおハナシでした。
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