「膝が痛い」
「膝のお皿の下の部分が痛い」
もし子どもがそんなことを言い出したらそれは"オスグッド・シュラッター病"という成長期特有の症状を疑ってください。
これは下手すると10歳~15歳ぐらいまでのスポーツを頑張っている少年少女の半年、もしくは1年という貴重な時間を奪ってしまう可能性のある大変危険なものです。
ある程度の知識があってキチンと対処すればそうやって貴重な時間を奪われることなくスポーツに打ち込むことができます。
病気のような名前がついていますが正確には病気ではないので命の危険にまで及ぶとかそんな心配はありません。
このオスグッドというのはバスケやバレーボールといったジャンプを多用するスポーツをする10歳~15歳ぐらいの人に起こりやすいです。
運動中、例えば部活中はそんなに痛くなくて、部活を終えてしばらく時間がたってカラダが冷えたときに歩けないぐらいの激痛に襲われるのが特徴です。
この運動中はそんなに痛くないというのがミソで普通のケガなら痛くて運動どころではないのですが、体がある程度温まると痛みがおさまってしまうんです。
そんな症状が出ていたらこの「オスグッド」を疑ってください。
原因と対策について解説します。
オスグッドの原因

ザックリ説明すると膝のお皿の下の骨を筋肉が引っ張りすぎて骨が剥がれそうになってしまった状態のことを「オスグッド」と言います。
人は成長期に入ると成長ホルモンが大量に放出して背がぐんぐん伸びていきます。
そのための準備として骨がめちゃくちゃ柔らかくなるんです。なので変形しやすくなってて傷がつきやすい状態になっています。
オスグッドの原因は「大腿四頭筋」

図のような「大腿四頭筋」という筋肉があります。太ももの前にあるわりと太い筋肉です。これは足の付け根のところからヒザの下の「脛骨粗面」という部分に付いております。
この筋肉が縮むとヒザの関節が伸びます。

バスケとかバレーで激しく走ったりジャンプを繰り返したりすると大腿四頭筋が鬼のように働いて脛骨粗面をめちゃくちゃ引っ張ります。

引用:https://www.joa.or.jp
成長期で柔らかくなっている脛骨粗面を引っ張ると少しずつ骨が剥がれていきます。
この状態が「オスグッド」です。骨が剥がれているのでそれに伴って激痛が走ります。
それでも多くの場合放置してしまうんです。最初はそこまで大した痛みではないので。
痛いとか言ってしまったらまわりから遅れをとることになるので。だから我慢してしまうんです。
放置すると少しずつ脛骨粗面がボコっと腫れたような状態になってしまいます。

オスグッドの対処法と対策

オスグッドが大したことないって思ってしまう要因に運動中はそこまで痛みを感じないことがあります。
運動中は血液の流れが活発なので筋肉がある程度柔らかい状態にあります。
柔らかいということはそれだけ伸びしろがある状態なので、そこまで骨を引っ張ってしまって痛くなるということはありません。
でも運動を終えると筋肉は冷えて血液の流れも悪くなります。
すると筋肉は運動中よりも硬くなっていきます。筋肉の伸びしろがなくなると骨を引っ張ってしまいます。
運動中よりも終えた後のほうが痛いのはそのためです。
ではどうすればいいのか?
痛いからといって冷やしてはいけない

捻挫や打撲みたいな明らかに原因があってケガをした場合は真っ先に冷やすことを考えるのが一般的です。
だけどオスグッドはケガでもなんでもなく、筋肉が硬くなって起こる症状なので絶対に冷やしてはいけません。
冷やしてしまったら逆に筋肉が余計に硬くなって痛みが増強してしまうので。
冷やすとしても膝のお皿の下のわずかな部分のみです。
でも一部分を冷やしてしまうとその周辺にも冷たいのが伝わってしまうのでできれば冷やさないほうがいいです。
太ももの筋肉をほぐして温める

オスグッドは太ももの筋肉が冷えて付着部分を引っ張るから痛みが起こるので冷やすのではなく逆に温めるほうがいいです。
温める場所は太ももの前の筋肉です。
温めることによって筋肉がほぐれるので痛みは軽減します。
もしくはできるのであれば手の親指の付け根のところで太ももの前の部分をこするようにマッサージしてあげるとイイです。
柔軟性がないとオスグッドになりやすい

オスグッドは筋肉が硬くなることで起きてしまう症状なのでカラダに柔軟性があるのとないのでは柔軟性がないほうがオスグッドになりやすいです。
なのでスポーツをやる人にとっては当たり前の話ですが、前屈して手が床に着かないようなカラダの硬い人はオスグッドになる可能性が極めて高いということになります。
この柔軟性というものをナメてかかってる人が非常に多いです。
柔軟性がないということはオスグッドになりやすいだけでなく、大きなケガの原因にもなりえます。
これはどんなスポーツでも同じことです。
実際僕が治療してきた10代の若い子たちのほとんどがカラダがカタイ子たちでした。
柔軟性を高めるためには、毎日欠かさずストレッチをして少しずつ可動域を広げていきます。
これ以外に方法はありません。
ちなみに僕自身もこのオスグッドで中学1年生のいちばん大事な時期に半年ぐらい棒に振ってしまいました。
そのときの僕のカラダはカタかったです。ストレッチもほぼしてなかったので柔軟性は皆無に等しかったです。
だから僕はオスグッドに苦むことになってしまったのです。
まとめ
オスグッドになってしまうと軽傷なら大人になってまで苦しむことはありませんが、
僕は30を超えた今でも膝のお皿の下の部分がボコっと出てしまっているので正座をするとき多少違和感を感じることがあります。
オスグッドになるかならないかは個人差があるので同じようにカラダが硬くてもならない人もいます。
だけどなってしまってからでは遅いので成長期のスポーツをやる子どもはカラダの柔軟性を高めるに越したことはありません。
どうしても痛い場合はこんなアイテムも使ってみるといいです。
痛みが半減します。
ご自愛ください。
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