昼ドラのような修羅場が僕にふりかかりました。
まず。
いろいろあってNと離婚しました。
離婚の原因は、一緒にいすぎてお互いが異性としてみれなくなったこと。
その後、お互いに別々の彼氏彼女ができたりしてバンド仲間として関係は良好だったのでそれはまぁいいのですが。
大変なのは僕の彼女です。
いってしまえば元嫁と一緒に活動をしている状態なので、気が気でなりません。
場合によっては僕の自宅で元嫁とふたりで曲作りしたりすることもあったりして、彼女の方よりも元嫁と一緒にいる時間の方が長かったりするのでそりゃー気にならないわけがない。
その嫉妬心は日に日に増していって、それに対しての言い合いが増える始末。
僕からすればそんなことは最初からわかってたことなのでそんなこと言われても、って感じなのですが、乙女心は複雑です。
頭では理解してても心が追いつかない、なんてことは世の常です。
そんなある日。
元嫁とふたりで僕の自宅で曲作りをしてる時、いつもはそんなことはまったくなかったのですが、その日はたまたまなぜかそんな雰囲気になってしまい、愛の終着駅に…。
そして終わった直後、玄関のドアがガチャっと。
え!?
と思いながら玄関の方に目をやると、そこに立っていたのは僕の彼女でした。
こんな昼ドラみたいなことある?笑
ふたりとも裸で、もはや言い訳などできる状態ではなく、僕の彼女はブチギレ。
人生でこれ以上ないほどの修羅場を経験しました。
そしてそれだけにとどまらず、なぜか僕のバイト先の人たちを巻き込む大事件にまで発展してしまいました。
っていうのも。
この時つき合っていた彼女と知り合ったのはバイト先の合コンでした。
しかもそれは彼女の方が僕を気に入ってくれてたみたいで、いわば彼女と僕をくっつけるための出来レース。
でも。だからといって人の浮気をどうこういう筋合いなんかないはず。
しかもなぜかまったく関係の無いメンバーのCが仲裁に入ってくれるというなかなかカオスな状態に。
結局僕とNは全員の前で土下座させられ、とりあえずその場は丸くおさまりましたが、その後、お世話になってたライブハウスの店長にもなぜかボコボコにされる始末。
オマエいちばん関係ないやん。笑
なんで殴られないといかん?
結局このことが原因でメンバー間に何らかの亀裂が入ったことは間違いなく、関係がギクシャクしてしまい、メジャーデビューに向けてやる予定だった全国ツアーもすべて白紙にしてバンドは解散。
レコード会社やイベント屋さんやら関係者の皆さまも、手のひらを返したように僕らのもとを離れていきました。
こういうのなんて言うんだったかしら。
僕のバンド人生はここで終了しました。
ちなみにですが、当時大流行してたアニメのタイアップ曲のオーディションの最終選考まで残ったそうです。
それがホントなのかウソなのかよくわかりませんが、事務所の社長がそんなことをおっしゃっておりました。
なにはともあれ、僕はこの時超人間不信になりました。
もう誰も信じれない。
そもそも誰も信じれてなかったのが、さらにドン底のドン底のドン底まで堕ちた感じ。
これ以上ないぐらいに人が怖くなりました。
怖すぎていろんな人との関係を断ちました。
音楽関係はすべて。
かろうじて残ったのは家族のみ。
それ以外はキレイサッパリ。
その時のバイト先も追い出されるような感じでやめました。やめさせられたと言った方が的確かな。
完全に孤独になりました。
24歳バツイチ。新たな人生のスタートです。
完全にひとりになってしまいました。
バンドは終わりましたが、変わらず音楽は好きだったので、パチンコ屋さんでアルバイトをしながら、ひとりで作曲活動をしていました。
が。
曲は作れても、歌ってくれる人がいないことには発表のしようがありません。
どうにかしないといけないなーと考えていたところ、仲の良かった音楽関係の友達に何人か声をかけてみました。
一度は切ったつもりでしたが、こんな状況では誰かに頼るしか道がないので、そんな悠長なことは言ってられません。
音楽関係の人たちと関係を絶って、あれから時間もそれなりに経ったことで、開き直って少し心を開くことができていました。
あれだけのことがあったんだからもう何が起きても大丈夫、という自信も生まれて、少しだけ自分を取り戻し、自分を出すことができるようになっていました。
この頃には皆さんそれぞれのバンドを解散したりしてバラバラになっていたのを知ってたから、っていうのもありました。
でも、1回解散してしまうと音楽に対するモチベーションが下がってしまってて、なかなかいい返事はもらえませんでした。
さて、どうしようかしら?
そこで、あまり気は進まなかったのですが、元バンドメンバーのボーカルのNに「おれが曲を作るからふたりで一緒に音楽やろう」と声をかけてみました。
またクスリ飲んだり自分自身を傷つけることはひないかしら?と不安だったし、その他もろもろネックはたくさんありましたが、彼女の歌に関しては凄まじいモノがありました。そこだけは尊敬できるところです。
いろいろ声をかけてはみたものの、やっぱりNのボーカルに敵う人はいないなぁと思ってのことです。
するとNは快く受け入れてくれました。
そこからしばらくふたりで地道に弾き語りライブなんかをやったりしていたら、どこぞの音楽関係の人が一緒にやりませんか?と声をかけてくれました。
話を聞くと某大手の人らしく(コナンとかあのへん)、音楽関係のオトナには恐怖心があったのですが、Nが世に出るのなら、と一緒にやっていくことを決めました。
やっているうちにまたバンドを組みたいと言い出しやがりました。
僕的にはバンドはもうコリゴリで、やりたくなかったのですが、どうしてもやりたいみたいなので、仕方なくメンバー探しをすることに。
元々仲良かった後輩のギターとベースを入れて再びバンド活動開始。
しかも今度はメンバー4人で一軒家を借りてそこでシェアハウスをすることに。
そうすれば常に音楽活動ができる、と。
しかし。
一度解散してしまうと、どうもモチベーションが元々やってたバンドのようには上がらず。
早々にまずベースが脱退しました。
ベースのサポートを入れて活動していましたが、それもなかなか上手くいかず。
結局活動期間も短く自然消滅してしまいました。
僕とNは一度離婚したものの、また復縁しようという話まで持ち上がっていましたが、飼ってたネコに強烈に八つ当たりをするのをみてしまいました。ネコは、ただただかまってほしかっただけなのに、手まで出しやがりました。
その時点で「あ。コイツはもう無理だ。」と、僕の中で何かが切れました。そして復縁話は白紙にしました。ネコは何も悪くない。
すると、Nのご両親が僕を説得しに来ました。
説得というか、もう懇願でした。「お願いやからNと一緒になったったくれ」と。
でも僕の気持ちは変わらず、「将来子どもができた時に同じように八つ当たりする危険があるからもう無理」と断固拒否しました。
同じタイミングで某大手(コナンとかあのへん)の関係の人に作曲家の人を紹介するからその人に弟子入りしてみたら?とお話をもらいました。
でもその時すでに音楽に対する情熱が薄れていたので丁重にお断りしました。
#なんちゅーもったいないことを
そんなこんなで、借りてた一軒家も引き払い、結局またひとりになってしまいました。
音楽はもう当分やらないと決めたので、じゃあ何か違うことをして生きようと、いろいろ考えてふたつの選択肢ができました。
それが「教師になる」か「整骨院の先生になる」でした。