水墨画の道具はすごくシンプルで、メインで使う道具は、
「筆」、「墨」、「硯」、「紙」
の4つです。
他にも水とか水入れとかタオルだとかお皿だとかちょこちょこしたものはあるのですが、それはもうそのへんにあるようなもので代用できるものばっかりなのでそんなに気を使わなくても大丈夫です。
メインのこの4つがとにかく種類がめちゃくちゃ豊富で、正直どれを選べばいいねん??
ってぐらいホントにたくさんあるのですごく細かく解説していきます。
【水墨画の道具】鬼のような種類の筆
水墨画の道具の中でも筆はホントにたくさん種類があります。
棒に毛をつけただけなのに。笑
っていうのも。
水墨画用の筆、書道用の筆、水彩用の筆、油絵用の筆、って感じでジャンルを飛び越えたら、の話なのですが。
でも。
水墨画だから水墨画用の筆を使わないといけない、みたいなことはなくて、大切なのは手に持った時にしっくりくるかどうかと、描きやすさです。
それがたとえば油絵用の筆がしっくりきたんだったらそれを使えばいいのです。
その感覚は人それぞれ違うからです。
人が同じでも、たとえば建物を描く場合と動物を描く場合とでは、筆によって描きやすさが変わってきたりするので、臨機応変に対応できたら素晴らしいです。
なので、できるだけいろんな筆の種類を知っておいた方がいろんな場面で役に立ちます。
筆の各部の名前
筆の各部にも名前があります。
絶対覚えないといけないわけではないので頭の片隅にでもおいといてください。
水墨画の筆
水墨画用の筆は大きく分けると3種類です。
◼️付立筆(つけたてふで)
「没骨筆(もっこつふで)」とも呼ばれている筆です。羊毛、馬毛、狸毛、鹿毛を使っていて、穂の部分が長く、穂先が揃っています。
コシが強く弾力があって、水や墨の含みが良いのが特徴で、いろんな場面で使える万能の筆です。中でも特に穂の腹の部分を使って、輪郭線を描かずに面によってその形を表現する「没骨法」という技法に最も適した筆です。
◼️線描筆(せんびょうふで)
文字通り線を描くための筆です。羊毛、イタチ毛を使っていて、繊細な線を表現するために穂の部分はのコシが強く、短めに作られています。
則妙筆(そくみょうふで)、削用筆(さくようふで)などがあります。
則妙筆は柔らかい優しい線を、削用筆は穂先が尖った形になっていて、コシが強いので、硬い線も柔らかい線も自由自在です。
◼️面相筆(めんそうふで)
穂先が非常に細くなっているので、繊細な線を描く時に使います。人形の顔や歌舞伎役者が顔を描く時に使ったのでこの名前がついています。
◼️連筆(れんぴつ)
2本以上の筆を並列に連ねて刷毛(はけ)のような形をした筆で、空や海など広い面積を塗ったり、水塗り、ぼかしなど幅広く使うことができます。
刷毛と比べて穂に厚みと弾力があるのが特徴です。
主に3連筆、5連筆、7連筆、9連筆があります。
水墨画用の筆はこんな感じで「面」を描く用の筆、「線」を描く用の筆、広い範囲を塗るための筆と、大きく分けて3種類あります。
続きまして。
書道用の筆
書道用の筆は水墨画のように「面」を表現することはなく、いかに「線」を美しく表現するか、に特化しているので、穂が少し硬めに作られています。
軸の太さで「太筆」「中筆」「小筆」の3種類に分類されています。
3種類を更に細かく分類して、軸の直径で1号~10号まで区別されています。
太筆
1号15.0㎜
2号14.5㎜
3号13.0㎜
4号11.0㎜
中筆
5号10.0㎜
6号8.5㎜
7号7.6㎜
小筆
8号6.7㎜
9号6.0㎜
10号5.5㎜
筆の軸は2種類
筆の軸は「ダルマ軸」と「普通軸」の2種類があります。
「普通軸」は軸の部分が一定の太さになっているのに対して、「ダルマ軸」は持ち手の部分が細くなっています。
先ほどの「没骨法」の動画ではダルマ軸の筆を使っています。
こんな感じで軸の太さにたくさんの種類があるので、お好みで使ってみるのもオススメです。
続きまして。
水彩画用の筆
水彩画用の筆は弾力があって水の含みが良く、ぼかしやにじみの表現をするのに適しています。
水墨画用の筆とは違って、軸の太さが一定ではなくお尻の部分にかけて段々細くなっているのが特徴のいわゆる「絵の具用の筆」です。
丸筆
水彩画を描く時に多く使われているのが丸筆です。曲線が描きやすく、タッチ次第で太い線も細い線も描けるので、いろんな場面で使うことができます。
平筆
フラットとも呼ばれていて、穂先が揃っているのが特徴の平筆。真っ直ぐな線を描いたり、角の部分を塗るのに適しています。ムラになりにくいので、広い面を塗るのにも向いています。
面相筆
水墨画用にもありました、面相筆。水墨画用と同じく穂先が非常に細くなっていて、繊細な線を描くのに向いています。全体的に細くなっているので少し扱いが難しい作りになっています。
筆のサイズ
水彩画用の筆のサイズも「号」という単位で表されます。数字が大きくなるほど筆サイズは大きくなり、0〜20号まであります。
描く絵のサイズ、描き込み具合で使い分けるといいと思います。
毛質
水彩筆も水墨画用や書道用と同じく、馬・狸・イタチ・コリンスキーなどの動物の毛を使って作られています。
特にコリンスキー毛はコシが強く、絵具や水の含みが良いのがポイントで、初心者でも扱いやすい毛の筆です。
水彩筆には、天然毛に近い性能のナイロン製の人工毛の筆もあります。保水性が優れているので使ってみるのもアリかと思います。
続きまして。
油絵用の筆
油絵具は油を混ぜた顔料で作られていて、重厚感のあるボテボテとした質感が特徴です。
なので、筆もその重みに対応するために硬めに作るために豚の毛を使っています。
豚毛筆は1本1本が硬くて太いので弾力性、耐久性に優れています。
その反面、硬いので水墨画で使う和紙のような柔らかい紙では少々扱いが難しくなります。
水彩筆と同じように軸がお尻にかけて段々細くなっていってるのが特徴です。
丸筆
#リンク
丸筆は穂先が尖っているのが特徴の筆です。タッチの強弱で線が細くなったり太くなったり、面を広くとってぬったり、いろんな場面で使えます。
平筆
平筆はフラット型とフィルバート型の2種類があります。
フラット型は穂先が四角になっていて、刷毛のような形をしているので、広い範囲塗るのに向いています。
フィルバート型はフラット型の角を丸くしたような形をしているので、曲線を描く時にその効果を発揮します。
扇形筆
その名の通り毛が扇形に広がっている筆です。
扇形に広がっているため、絵具の含みが少なめなので、塗り重ねるのに向いています。また、あえて水分をスカスカにして「かすれ」の表現をこの筆でやると面白いと思います。
油絵の筆は穂先が硬いので扱いが難しいですが、墨でも、使い方によっては重厚感のあるタッチの表現が可能です。
100均の筆はあり?
ここまでいろんな種類の筆を大まかに紹介してきましたが、冒頭でもお話したように、何を使って描いてもいいので、いろんな筆を試してみてご自分に合ったものを探してみてください。
画材屋さんによっては、試し描きできるところもあるので、いろいろ回ってみるのも面白いかと思います。
コスト面を重視するなら、100均でも書道用の筆として太筆と細筆がセットで売られているので、それを使ってもまったく問題ないです。
実際に僕自身、最初に買った筆は100均の筆でした。
それでまず「筆で絵を描く感覚」をつかんで、それからいろんな筆を試してみたりしました。
そんな方法もあるので頭の片隅にでも置いておいてください。
ちなみに。
100均の筆は良いものとそうでないもののムラが激しくて、すぐにバサバサになって使いものにならなくなったりします。
なので100均の筆を使う場合は3セットぐらい購入しておくと便利です。
その100均の筆で初めて描いたのがこのリンゴです。
ちなみにこれも100均の筆で描いたやつ。
筆が100均のやつでも頑張ればこれだけの絵が描けるのです。
筆は絵を描くためのいちばん大事な道具なのですが、それよりも何よりもいちばん大事なのは描く人の腕だったり気持ちだったりします。
筆はそれを表現するための「橋渡し役」です。
筆はやってるうちにこだわりが出てきて、いろんな筆を持つようになります。
いつの間にか筆の本数が増えに増えた末路がこれです。
全部で15本あります。
それぞれにこういう時はこう、みたい役割があって、どれも欠かすことのできない愛すべき筆たちです。
100均の筆も混じっていまして、水だけを紙に含ませる時に使ったりしています。
【水墨画の道具】墨
続いて「墨」です。
墨は大きく分けて「油煙墨」と「松煙墨」の2種類があります。
水墨画では固形の墨を水と合わせて硯で磨って使います。
固形の墨はいわゆる燃えカスの「煤(すす)」と「膠(にかわ)」と呼ばれる接着剤を練り合わせて、形を作って乾燥させたものです。
油煙墨
油煙墨は菜種油などの植物油を燃やした煤で作った、茶色みがある墨です。
↑これが油煙墨で描いた水墨画です。少し茶色みが強いのがお分かりいただけるでしょうか。
松煙墨
松煙墨は青墨(あおすみ)とも呼ばれていて、松の木の皮や枝を燃やした煤で作ります。
青墨の名の通り、青みがかった深い黒色になるのが特徴です。
↑これが青墨で描いた水墨画です。
油煙墨に比べると若干青みがかっていて、深みのある黒になっているのがお分かりいただけるでしょうか。
松煙墨の方が少し高級感あふれてて、割高な印象です。
僕自身も初めて買った墨は油煙墨で、使っているうちに青墨の存在を知って使ってみたいなーという興味がわきました。
そして使ってみるとその深みのある黒に魅了されて、それ以来青墨を使うことが多いです。
ここは好みと描く対象が何かによって変わってくるので、どっちの方がいいとかは特にありませぬ。
新墨と古墨
墨にはもうひとつ分け方がありまして。
それが新墨と古墨といって、作られてからの年月で分けるというもの。
明確な基準は特にありませんが、一般的に言われているのは作られてから5年以内のものを「新墨」と呼んでいます。
新墨の特徴は、煤を練って固める時に使った膠が墨の中に残って乾ききっていないので、粘り気があって、少し重みを感じます。
年数を経過した古墨になると、膠の粘度が低下するので運筆も軽やかになります。
どっちが良いとか悪いかとかではなく、これも好みです。
墨は保存環境が良ければ何百年は持つみたいです。そんな墨はベラボーに桁違いのお値段で超高級品になっております。
水墨画初心者のための墨
初めて墨を買う時は、画材屋さんに行くのであればお店の方と話をしてどんな水墨画を描きたいか、とかいろんな話をして、オススメを聞いてみるといいと思います。
でも僕がそうだったように、画材屋さんに行くのすらちょっと躊躇してしまうこともあるかと思うので、そんな時はホームセンターとか文房具屋さんとかで売ってる「書道用」と書いてあるやつでじゅうぶんです。
お値段もお手ごろ価格で600円ほど。
まずは墨に慣れることからはじめるといいと思います。
墨汁は使ってもいいの?
固形の墨は真っ黒になるまで磨るのが基本ですが、けっこう時間と手間がかかります。
時間が無い時とかは、墨汁を使って描くのもアリです。
ただ、墨汁は乾いてからも水に濡れるとにじんでしまうので、「作品」としてはあまりよろしくないかもしれません。
水墨画作品は表具(額に収めること)する時に大量に水を使って紙を真っ直ぐに伸ばす「裏打ち」という作業をします。
この時に墨汁だと墨がにじんでしまって、作品が台無しになってしまうのです。
なので、練習する時は墨汁でも大丈夫ですが、作品として発表するときなんかは固形の墨を使うのがベストです。
墨は磨っていると、独特の香りが漂ってきます。
その香りが精神を落ち着かせてくれたりするので、水墨画を描く時は多少手間でも固形の墨を使うことをオススメしますm(_ _)m
あの香りがたまらんのですよー。
【水墨画の道具】硯
硯は墨を磨るための道具で水墨画においてすごく重要なウエイトを占めています。
そのわりにどこで判断すればいいのかサッパリわからないシロモノでもあります。
硯の善し悪しは実際に墨を磨ってみないとわからないところが多々あります。
試し磨りできるお店があるならそれは最高ですが、硯はなかなかそういうわけにもいかず。
判断する材料があまりにも少なすぎるのが硯の難しいところです。
そんな硯を選ぶ時にいちばんわかりやすいポイントは「産地」と「重さ」です。
中国産のものが種類も豊富で質が良いものが多いといわれていて、中でも端渓硯(たんけいけん)、歙州硯(きゅうじゅうけん)、洮河緑石硯(とうがろくせきけん)、澄泥硯(ちょうでいけん)が有名で、中国の良硯の四宝と言われています。
日本産では石巻(宮城県)の雄勝石、長門(山口県)の赤間石、近江(滋賀県)の虎斑石などが硯石として有名です。
続いて重さ。
硯の材質は主に「石」です。
なのでどこで採れたかがすごく重要になってくるのですが、硯の石は中身が詰まっているものの方が良いものとされているので、重量感があるものを選ぶのがいいです。
後、外見だけで選ぶとしたら、墨を磨るところ、「丘」と呼ばれるところの質感です。
ココには無数に細かい「鋒鋩(ほうぼう)」と呼ばれる凹凸があって、墨を磨る時のやすりの役目を果たす大切なところです。
この鋒鋩が赤ちゃんの肌のようにキメ細やかでなめらかなものが良い墨を磨ることができます。
硯は丁寧に使えば一生使うことができるものです。
骨董品にもなるぐらいなので、購入する際はお店の人といろいろ相談すると良いかと思います。
もしくは僕に聞いてみてください♫
習字セットでもOK
水墨画の道具のうち、筆と墨と硯は習字セットの中に入ってるものです。
小学校の時に習字の時間があったと思うので、自宅に眠ってる可能性もあります、
もし眠ってたらそれを使うのもアリです。
そんな習字セットみたいなものでいいの?と思われるかもしれませんが、全然大丈夫です。
最初は何が良いものかの判断がしにくいので、とりあえずあるもので感触を確かめてからいろいろ買い揃える、というのもいい作戦だと思います。
【水墨画の道具】紙
水墨画の紙で使うのは大きく分けて2種類「和紙」と「唐紙」があります。
画仙紙、麻紙、玉版箋・唐紙・紙郷紙などの種類があります。
画仙紙(がせんし)
中国製のものを「本画宣」、日本製のものを「和画仙」といいます。
中国製の紙の原料は稲藁と青檀(せいだん)の樹皮で、日本製の紙は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)が原料になっています。
中国製はよくにじみます。
本画仙・大画仙・中画仙・小画仙・越前画仙・因州紙など繊維がしなやかで長く、墨の濃淡がよく表現できます。
墨のにじみ方は中国の宣紙に比べてかたい感じですが、敏感に墨に反応し、爽やかな撥墨をしてくれます。
紙が薄いので筆足がつきやすく、水に濡れると破れやすいので扱いが少々難しいかもです。
二層紙は単宣より扱いやすく、撥墨の効果が良いです。
二層、三層と厚くなるほどにじみが鈍くなります。
麻紙(まし)
白麻紙、黄麻紙があり、1枚漉きの麻紙・中厚麻紙・厚手麻紙があります。
適当な浸潤性があり、墨色も美しく、墨ののり具合もよいです。
単宣などの鮮烈なニジミはないですが、控えめなにじみの変化が何とも美しい紙です。
画仙紙と異なる点としては、墨の描き重ねができ、筆足があまりつかない点です。
雲肌麻紙は、厚手の紙で張りのある感じで、重ね描きができ、筆足もあまり気になりません。
墨を吸うため濃淡の変化が描いたときと乾いたときと違うことが多いです。
玉版箋(ぎょくばんせん)
中国製の紙で画仙紙よりも厚手でキメが細かくて光沢があります。撥墨がよく、墨色の変化が美しい紙です。
神郷紙(じんごうし)
水墨画に使われる白い手漉き和紙です。白麻紙とはひと味違ったにじみが出ます。2号は使いやすい中厚で大きな作品などに使われます。
唐紙(からかみ)
白唐紙と黄唐紙があります。
紙肌が粗く、厚めのものを一番唐紙、薄めで黄淡色で肌の細やかなものを二番唐紙といいます。
比較的撥墨もよく画仙紙ほどのにじみはないので、練習用に適しています。
鳥の子紙(とりのこし)
卵黄色の厚手の和紙です。表面が滑らかで光沢があり、ふすまや屏風に使われている紙です。
鳥の子紙は、「本とり」と「新とり」があり、本とりは手漉きで、新とりは機械漉きです。
紙質がなめらかで固く、墨があまりにじまないのが特徴です。
【水墨画の紙】手漉きと機械漉き
■手漉き
職人さんが1枚ずつ丁寧に手作業で仕上げる和紙です。その作業は熟練の経験と高度な技術が必要で、後継者が不足しております。
手作業なので繊維の並び方にムラがあったりしますが、それが絶妙な「味」と「雰囲気」を醸し出してくれます。
大量生産が難しいので価格もそれなりのお値段がします。
■機械漉き
手漉きとは違い、機械でほぼすべての作業を行って作る和紙です。
機械での作業なので繊維の並びが均一で安定した和紙を作ることができます。
そのためお手ごろな価格で手に入ります。
手漉きには手漉きの、機械漉きには機械漉きの良さがそれぞれあります。
モチーフ、雰囲気に合わせてお好みで選ぶといいと思います。
水彩紙
水墨画にはいろんな描き方があって、和紙を使ってぼかしとかにじみの技法を用いて描く古典的な方法がひとつ。
水墨画といえば和紙、唐紙のイメージが強いですが、扱いがけっこう難しかったり、にじみとかぼかしの表現もなかなか一朝一夕にはいかなかったりします。
そこで。
水彩紙を使ってみる、というのもひとつの方法です。
水彩紙だと、にじみやぼかしの表現が和紙や唐紙に比べてやりにくいですが、その分ゆっくり描くことができるので、試してみるのも面白いかと思います。
水彩紙を使って水彩画のように墨を何回も何回も重ねる技法で描く方法があります。
それで描いたのがコチラ↓↓↓
こんなふうに描く方法はこちら
この方法は水を大量に使うので和紙や唐紙だとすぐに破れてしまいます。分厚い水彩紙を使えばその問題は解決します。
オススメはアルシュという水彩紙です。
他にもケント紙なんかは表面がキメ細かいので、繊細で緻密な表現をするのにはうってつけです。
僕は最初に買った紙はホームセンターで売ってるスケッチブックです。スケッチブックも画用紙なので、どちらかというと水彩紙に近い感触で描くことができます。
文房四宝
『筆・硯・墨・紙』の4つを「文房四宝」、もしくは「文房四友」と呼んでいて、中国の文人(文化人)の間で嗜好品として重宝されていました。
特に硯は使用しても消耗することが少なく、骨董価値が高かったそうな。
その次に墨、紙という順で、筆は消耗品なのであまりその価値はなかったとかなんとか。
【水墨画の道具】水
水墨画における必須アイテム、「水」です。
我が国日本では水は蛇口をひねれば出てくるのですごく幸せな環境です。
水道水は塩素その他薬品がたくさん入っているので、長い間使っているとそれが道具を傷めてしまうこともあります。
微妙な差ではあるとは思いますが、それよりも天然水などを使う方が道具を長く使えます。
あと、墨を磨る時の温度は常温の方が磨りやすくて発墨もキレイになります。
水彩紙を使う場合は、紙が波打たないようにするために「水張り」という作業をします。
その時にもやっぱり水を大量に使うので、水は欠かせません。なので、水もいろんな水を試してみると面白いと思います。
【水墨画の道具】準備しておくと便利なもの
水墨画は以上の4(5)つの道具があれば描くことができます。
他にも準備しておくと便利なものを紹介します。
筆を拭くもの
水の中に筆を入れると、水がボタボタになることがよくあります。
その時に布巾とか手ぬぐいみたいなものがあると大変便利です。
タオルとかだと筆が消耗するのが早くなるのであまり使わない方がいい、と言われております。
ちなみに僕が使っているのがコレ↓↓↓
#タオル使ってるやんけ
少し水で湿らせておくと水の吸収度が違います。
お皿
墨は濃いものと薄いもの両方使います。
書道みたいに濃い墨だけを使うのなら硯から直接墨を取ればいいのですが、薄い墨も使うのでそのためのお皿が2〜3枚あると大変便利です。
陶器製のものが墨の色が付きにくいのでいちばんいいのですが、なければ代用品でじゅうぶんです。
墨を薄めれたらなんでもいいので、家にちょっと深めのお皿があればそれを使うといいと思います。
僕は家にしっくりくるものがなかったので100均でこんなプラスチック製のお皿を3つゲットしました。
プラスチック製はあまり良くないとされていますが、実際使ってみると案外いけたので特に問題はないかと思います。
最初はお皿ひとつで描いていたのですが、濃度の違う墨をその都度作ってたらすこぶる時間がかかってしまったので、濃度の違う墨は3種類ぐらい使うだろう、と思って余分にもうふたつ追加で購入して3つになりました。
そしたらひとつはまったく使わない、っていう見事なオチがつきました。
水入れ
筆を洗ったりにじませたりぼかしたりする時に水を使うので、水を入れておく容器が必要です。
こんなやつ。↓↓↓
これも陶器製のものがいちばんいいですが、代用品でもじゅうぶんでございます。
僕が使っているのはこれ。笑↓↓↓
500mlのペットボトルを切ったものです。
こんなん使って描いております。
思いっきり代用品です。笑
文鎮
和紙や唐紙を使う時は文鎮で紙を固定します。
ある程度の重さがあれば代用品でじゅうぶんです。
水彩紙を使う場合は「水張り」をして木製の台に紙がくっつくので文鎮は使いません。
下敷き
フェルト製のものが良いです。
紙より小さいと段差ができて運筆がうまくいかないので、紙よりも大きいものを使います。
これも水彩紙を使う場合は必要ありません。
筆置き
筆が置けたら何でもOKです。なんなら別になくても大丈夫です。
水差し
これも何でもOKです。
入門書
水墨画には入門書がたくさんあります。
それを読んで技法とか描き方を学んだり、するのも面白いと思います。
どの入門書も内容的にはほぼ同じで、お手本画が違うぐらいです。
それをコピーしたりスマホ・タブレットで写真を撮ったりして横に置いて練習するといいと思います。
道具を長持ちさせるには
水墨画は水を大量に使います。水を拭かずにそのまま放置したりしてしまうとすぐダメになってしまいます。
特に墨は湿気は禁物なので、磨り終わったらすぐに水気を拭き取ってしっかり保管することをオススメします。
他の道具も使った後はすぐに水でよく洗い流します。
固形の墨は煤(すす)という粉状のものを膠(にかわ)という接着剤みたいなもので練って固めたもので、墨を磨ってできた液体の墨には、大量の粉が入っている状態です。それが道具に付着してそのまま放置してしまうと傷みやすいのです。
肉眼では確認できないほどの細かい粉なので、できるだけ丁寧に時間をかけて洗うとイイと思います。
そうすれば道具は長持ちして、あなたの想いを気持ちよく紙の上に表現してくれることでしょう。
まとめ
以上、水墨画の道具を解説してまいりました。
道具はものによっては一生モノに出会えたりします。特に硯なんかはそんなに消耗するものではないので、これ!ってものに出会うとずーっと使い続けることができます。
なので購入する際はぜひいろいろ調べたりお店の人に聞いたりして、何が自分に合ってるのかをよく吟味してから購入するといいと思います。
いろいろ描いてたらこんなのが欲しいな…って思える日がくると思います。
そうなるとアレコレ揃えたくなるのでご注意ください。笑
長々とおつき合いありがとうございました✨
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