白と黒の世界へようこそ。
水墨画家のDです。

僕が水墨画家として本格的に活動を始めたのは30歳を過ぎてからで、年齢的にわりと遅めの出発でした。
なのでわりとビクビクしながら始めました。
それまでは音楽活動をしたり、離婚✕2したり、人間不信になったり、なんかいろいろ人生経験積みまくって、たいていのことでは驚かなくなったし、怒ったりすることもなくなりました。
そんな中、頑張って絵を描きまくっていたら国内外の公募展で入賞したり、ありがたいことに僕の絵を欲しいと言ってくれる人まで現れるようになりました。人生何が起こるかわからないもんです。
それもすごく嬉しいことなのですが、何よりも嬉しいのは僕の絵を観た人が言葉を失ってる瞬間です。
人はホントの感動に出会った時、言葉を失うことはよく知っています。
僕自身がそうだからです。
ホントに素晴らしい絵を観た時、しばらく何も言葉が出てきません。
数分後、ようやくしぼり出した言葉も、たぶん日本語になっていないほど、脳がかき回されてしまっています。
そんな、触れた瞬間絶句してしまうような作品を自分も生み出したい、と日々筆を走らせています。
わりと画力はある方だと自負しておりまして。
「美大とか通ってたん?」
とかよく聞かれるのですが、僕は誰にも絵を教わっていなくて、ほぼ独学です。
これだけの絵を描けるようになったのが「独学」だと言うと、たいてい驚いてくれるので僕は内心ニヤニヤしています。
人間やればできるもんで、年齢なんか関係ないんだって、自分で証明することができました。
何歳になってもやりたいことがあるなら絶対にやった方がいい。
やらない後悔よりも、やって失敗した後悔の方が笑って棺桶に入れる。
たぶん、他の人よりかはいろんなことを経験することができて、その時に感じた、ツラさ、苦しさ。
それでも腐らず前に進むためにもがいたことなんかを人に伝えることで、喜んでくれる、前に進む勇気を与えることができてる。
そんな自分になれてるんだなぁって気がついたとき、それを自分のまわりだけで収めておくのはもったいない。もっといろんな人に伝えていかないといけない。
どうにかこうにか、自分の中にあるこの想いを伝えることができないかと模索していたところ、ブログを立ち上げる、という方法にたどり着きました。
水墨画をやることは絵を描くことを決めた時点で腹をくくってて、なんかイイ名前はないかなーといろいろ考えてたところ、「白と黒の世界」にたどり着きました。
これはふとした瞬間の閃きで、わりと早々と決まったのを覚えています。
なかなかイイ名前だなぁと思って、ニヤニヤしております。
水墨画との出会い
絵を描こうと思ったのは、小さいころから絵を描くのが好きだったことと、表現することに喜びを感じる人間に仕上がってしまったからです。
先ほど申しました「触れた瞬間に絶句するような圧倒的な作品」をこの手で生み出したい、と思ったからです。
そんな中、妹の言葉を思い出しました。
「エンピツで描く絵はすごいのに色を塗ったとたんナンジャコレってなった」と。これは小学校の時の話。
どうやら僕には色彩能力が欠落しているようです。
頑張って勉強すればできないことはないんだろうけど、なんかありきたりだなと。
どうせならあんまり誰も手をつけないようなジャンルがいいなとボンヤリ考えていました。
とりあえずそんな状態なので、色を使う絵画はやめようと。
それなら漫画家にでもなろうかしら。
いやいや、まてまて。
漫画はストーリーを考えなくてはいけないではないか。
しかもあんまり人がやってないどころか、たくさんの人がやってるではないか。
というわけで漫画家の線はナシ。
そんな時、ネットでいろいろ探してたらYouTubeで観た水墨画に衝撃を受けました。
たったひとつの墨と水だけを使ってキレイなグラデーションを表現するモノクロの世界。水墨画ってこんなにも美しいんだ、と、一瞬で虜になりました。
それまでは水墨画って高齢の人たちがやるものっていうイメージをもってたので(ホントごめんなさい)、すごく申し訳ない気持ちになりました。
(でも実際表彰式に行ったら僕がいちばん若くて、、、笑)
いやー…水墨画ってすごいですねっ。#語彙力
なんといっても墨の濃淡だけであんな素晴らしい世界観を表現ができるなんて知らなかった。知ってたらもうちょっと早くに水墨画の世界に飛び込んでたかもしれないし、逆にこのタイミングだからその素晴らしさに気づくことができたのかもしれないし。
その答え合わせはできませんが、水墨画に出会わなければ絵を描こうとは思ってなかったかもしれないなぁと思うほどすごく魅力を感じて、描こう!って決めました。
それからというもの、音楽活動の経験から、憧れれるほどの衝撃を受ける作品探しが始まりました。
水墨画に出会った当初、自分でなんとなく描いてみたら「なんか違う…これじゃないなぁ…」と、ちょっと違和感を感じてしまったのもあって。
その違和感の正体を考えてみたところ、「水墨画の技法で描く水墨画が面白くない」でした。
もちろん、僕の技術が全然ヒヨコレベルなことはわかっていましたが、それでもなんとなく「それを突き詰めていったら面白くなる!」みたいなことって直感的に反応するハズなんです。
でもその反応が全然なかった。
せっかく希望の光が差したのに、意外なところで足止めをくらってしまいました。
そんな中、とある水墨画家さんとの出会いが僕の人生を決定づけました。
それが「外崎裕漄」さんという方です。
この人の水墨画をYouTubeでたまたま発見したのですが、もう観た瞬間、稲妻が体の中を駆け抜けましたよ。
作品そのものの素晴らしさはもちろんのこと、「水墨画でこんなことしていいんだ!」っていうことが驚きと嬉しさとホッとしたのとで、なんかいろんな感情が混ざってしまってプチパニック起こしてました。
それまでの僕は、どうやら「水墨画はこうでなくてはいけない」みたいな制限を自分でかけていて、いかにも水墨画っぽい、竹とか梅とかありきたりなものを描こうとしていました。
それもあって面白く感じなかったんだ、と。
あぁ…先入観って怖い。。。
外崎裕漄氏との出会いのおかげで僕の脳ミソは一気にアクセル全開。
自分の描きたいものを描けばいいじゃん!と開き直ることができて、ヤル気マンマンになりました。


描きまくった1年間
水墨画って何を描いてもいいんだ、と心のタガを外した僕は、当然のように水墨画を描き始めるかと思いきや。
そこから1年ぐらい水墨画を描くことはせず、基本的な画力を上げるために、エンピツでひたすら鬼のように絵を描きまくっていました。
水墨画と出会った頃、試しに自分で水墨画を描いてみたところ、自分のあまりの画力のなさに悔しすぎて泣きそうになったからです。
ホントに毎日毎日ずーっと描いてました。
誰に教わるわけでもなく、ただひとりで黙々と。
たぶん人生でいちばん引きこもった時期だと思います。
そしたら画力が爆上がりして、だいたい何でも描けるようになりました。
ただ、何も考えずに描いていたわけではなく、ああでもない、こうでもない、といろいろ試したり、絵の理論的なことも勉強したりしながら描いていました。
なので、わりと遠回りをしたと思いますが、その遠回りは決してムダではなく、むしろそこから学んだことの方が圧倒的に多い気がしています。
この時に痛感したのが、「絵の理論の勉強はある程度描けるようになってからの方が絶対にイイ!」ってことです。
っていうのも。描きながらいろいろ考えてたことが、理論を勉強した時に「あぁー、これはこういうことだったのね」ってスーッと体に入っていく感じがしたからです。
先に理論を勉強したら、頭でっかちになってしまって自由に描けなくなってしまうなと。
そんなことよりもとにかくいろんなことを自分で考えながらひたすら描きまくってれば絵は勝手に上手くなっていくもんだと。
その上で理論を学べば自分がやってきたことが裏付けされて自信につながって、さらに絵が洗練されていく。
それが絵の上達の真理です。

そして水墨画の道へ、、、
画力が爆上がりした僕は満を持して水墨画を描き始めました。
とはいえ。
筆とエンピツではやっぱり描く感覚が全然違うので、最初はなかなか上手くいきません。
そんな中、いちばん最初に筆で描いた絵がこのリンゴです。

そこから成長してこんなに素敵な水墨画が描けるまでになりました。

ごらんください、この立体感と躍動感。
ここまで描けるようになったのは、ひたすら画力の底上げをするためにエンピツで描きまくったからです。
その結果、国内外の公募展で入賞したり、ありがたいことに絵を買いたい!という人が現れてくれるようになりました。



ありがたや。
そんな僕の水墨画の描き方は他の水墨画と比べるとちょっと独特で、水彩画のような手法で描いています。
たぶんこんな描き方をしてるのは僕ぐらい。
もしこんな水墨画を描いてみたいと思ってくれた場合は、オンライン水墨画教室「水暈墨章」で教えているので検討してみてください。
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