僕の描く水墨画は「動物」をテーマにしたものが多い。
もうひとつは「生きる」ことをテーマにしたもの。
自分の歩んできた人生から「生きる」ということの
大切さ、命の尊さをイヤというほど学んできた僕は
それを何とかして世の中に伝えたいと思った。
僕は大勢の前でしゃべるのは苦手なので演説とか
そういった類のことはあまり好きでない。笑
じゃあ好きな絵にそういう想いを込めればいいんじゃね?
、と思い僕の絵の方向性が定まった。
いちばん弱い「ニンゲン」
![](https://dshirokuro.com/wp-content/uploads/2018/04/sk8.jpg)
僕が絵を描く理由は絵を描くことが大好きなのが
大前提であるものの、平和すぎる日本という国で
「生きる」ということと真剣に向き合うことがあまりないのではないか?
、という疑問が僕の創作意欲を掻き立ててくれる。
この地球という惑星でさも自分たち人間が
いちばん偉い生物かのように振舞っている。
いや、むしろ逆なのではないか?
人間はすべての生物の中で
最も脆弱な生き物だと僕は確信している。
靴を履かないとハダシでは痛くて外を歩くこともままならない。
自分たちだけでは食料を確保することもできない。
だからスーパーに行ってお金という対価を払って
あらゆる食材を調達するしかない。
しかも生モノはほとんど食べない。
そんな生物人間だけだ。
もし仮に今この瞬間に無人島に放り出されて
サバイバル生活を余儀なくされてしまったら。。。
果たして生き残ることができるんだろうか?
おそらくほとんどの人がそんなことできないというだろう。
人間も哺乳類の動物
![](https://dshirokuro.com/wp-content/uploads/2018/04/dr5.jpg)
生まれてすぐに立つことのできる馬や牛なんかと比べて
母親や父親、ほかの大人たちに保護されてないと
すぐに死んでしまう。
そんな生物のなかでいちばん弱い人間がまるで
地球は自分たちのためにあるかのように
振舞っていることが僕には理解できない。
最近ではそんな考えも多少薄れてきてはいるものの、
やっぱり人間が地球を支配しているという考えは根強くある。
もっと最悪なのはその人間同士で
くだらない争いが起こるということだ。
何の関係もない人たちまで巻き込んでまだ幼い命までも
平気で奪ったり、それを見せしめに恐怖で支配しようとしたり。
僕が「生きる」ことをテーマに絵を描くのはそんな理由から。
自然と戯れた結果
![](https://dshirokuro.com/wp-content/uploads/2018/04/20180423.jpg)
そんなメッセージを自分が大好きな絵に込めて届けることで
少しでもそういうことを考える人が増えてくれたら…。
そんなことを夢見ている…。
そうなったのは僕自身がこれまでの人生でそういうことを
考える機会が多かったことも関係している。
僕は友達と遊ぶことより自然と戯れるのが好きな少年だった。
幼稚園とかそのぐらいの年のころは友達に誘われても
平気で断って虫捕りや魚捕りに草むらや川にひとりで出かけてた。
そんな生活を送っていたからこそ
命とかそういうことに触れて考えることが多かったのだ。
その経験が今の作品に繋がってることは間違いない。
儚イモノ
![](https://dshirokuro.com/wp-content/uploads/2018/07/sumi2.jpg)
この絵はそんな命の儚さを描いたもので
タイトルも『儚イモノ』。
一見すると木漏れ日が差し込む森の中で子どもが
木にもたれかかって昼寝でもしているかのような
爽やかな絵に見える。
だけど、本質はもっと別のところにある。
よく見ると、手前の岸には誰のものともわからない
手が転がっていたり、目ん玉が転がったりしている。
![](https://dshirokuro.com/wp-content/uploads/2018/08/te.jpg)
![](https://dshirokuro.com/wp-content/uploads/2018/08/te1.jpg)
![](https://dshirokuro.com/wp-content/uploads/2018/08/me.jpg)
これが果たして誰のものなのか、、、。
そう考えるとこの子どもは生きてるのか死んでるのか。
それすらもわからない。
そして向こう側の岸にはよく見ると首吊りのようなロープが見える。
ということはこの森はそういう場所なのか?
樹海??
そんないろんな要素を散りばめることで
深く考えさせられる作品に仕上がっている。
まだまだ描きたい作品は頭の中に数えきれないほどある。
もっとあからさまな表現もしてみたい。
みた瞬間にハッとさせられるような絵も描いてみたい。
お楽しみに。
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