僕は馬の絵を描くのが好きです。
その理由はシンプルに馬が好きだからです。
なんで馬好きになったのかっていう話をしようと思います。
きっかけはゲームでした。
僕は中学2年の時に「ダービースタリオン」というゲームに夢中になったことがあります。
「ダービースタリオン」通称「ダビスタ」は競走馬を誕生させて、育成して調教してレースに出走させて、賞金を稼いでそこからまた馬を買って誕生させて…という、競走馬育成シミュレーションゲームです。
ただ馬を作って走らせるというだけではなくて、父馬と母馬の血統とか距離適性とかいろんな要素を見極めて、より強い競走馬を作るというのがこのゲームの目的です。とはいえ、このゲームにはエンディングは存在しません。ずーーっとループしてるだけです。
このゲームをするために徹夜をしたことも数えきれないほどで、めちゃくちゃハマっていました。
育成シミュレーションゲームなので、自分が作った馬には自分で好きな名前を付けることができるので、すごく愛着がわきます。
自分で名前を付けて自分で調教してレースで勝ったときの喜びはすごく大きくて、レースの最中にテレビ画面の前で競馬場にいるオジサマ並みに叫んでしまうこともしばしば。
このゲームは一時期すごく流行ったので、日本という国でそういった酔狂なプレイヤーが多数存在していました。
ゲームなのに、いやゲームだからこそなのか、自分で作った馬に対して深い愛情が生まれるのもこのゲームの魅力のひとつです。
このゲームがきっかけで競馬ってこんなにも面白いものなんだ、と認識が変わりました。
じゃあ現実の競馬って一体どんなものなんだろう?と興味を持つようになりました。
それまではオジサマたちのギャンブルっていう、ちょっと陰気くさいイメージがあったけれど、いろいろ勉強して現実の競馬を深いところまで知りました。
そしたらものすごい数のサラブレッドたちがいて、その数だけドラマがあって、競馬の世界がいかにロマンにあふれてるのかということをまざまざと見せつけられました。
『淀を愛した孤高のステイヤー:ライスシャワー』
『流星の貴公子:テンポイント』
『天馬、空をゆく:トウショウボーイ』
こんな感じでカッコイイキャッチフレーズがいろんな名馬につけられてて、これがまたカッコイイのですよ。
これは一部抜粋したもので、他にも名フレーズがたくさんあります。
それだけじゃなくてこんなものもあります。
これがもう、ただただカッコイイんです。
こんなことされたらもう惚れるしかないじゃないですか。
オーナーは競走馬一頭一頭に深い愛情を注いでレースを見守っています。
その気持ちはゲームで、ですが僕も同じでした。たとえばレース中にケガでもしようもんなら、目の前真っ暗になるほど落ち込みます。
自然界の馬は脚にケガを負ってしまうとそれはイコール「死」に直結します。500㎏もの体重をあんな細い脚で支えているので、脚がすぐに腐ってきて、いずれそれが全身にまわるからです。
なのでたとえば馬がレース中に骨折とかしてしまって治る見込みがないと診断されてしまったら「予後不良」といって安楽死処分されてしまいます。
そうやって天国に旅立った馬が数え切れないほどいます。
それを残酷だという声もあります。
たしかに人間は自分のたちのことしか考えていないようにも見えます。
でもそうやって昔から競馬は多くの人に愛されてきて、もうそれはひとつの文化になってしまっているので誰かひとりの考えでどうこうなるものでもありません。
これはもう答えが出ません。
でも、馬も必死に生きようとしてて、なんなら自分が骨折してるのに騎手が落ちないようにかばったりしてるような場面もあって、それをみるとこれはこれでいいんじゃないかって思えることもあります。
獣医さん、スタッフが頑張ってくれて見事に復活することもあります。
それで復活してレースに勝ったときなんかはもう、号泣ものです。ひたすら泣いてます。
特に「トウカイテイオー」という馬が骨折して1年ぶりに有馬記念に勝ったときなんかはホントにホントに鳥肌ものでした。これを競馬好きのオジサマに話すと、たいてい何かおごってくれると思います。
競馬ファンの人と話をすると必ずと言っていいほど好きな馬が一頭や二頭はいるんですね。
僕がよく行ってたお好み焼き屋さんの店長も大の競馬好きで、行けば競馬の話を延々とし続けて、気がつけば夜明けなんてこともあったりします。
それだけ競馬にはロマンがあふれているんです。人によって好きな馬、思い入れのある馬がたくさんいて、それぞれ熱く語ってくれるもんだから最高に楽しい時間です。基本的に競馬を愛してる人ってネガティブな発言してるのをあんまり聞いたことがないです。
馬という動物はおとなしくてとてもキレイな目をしていて、それでいて走る姿は雄大でカッコよくて、いろんなドラマがあって僕は馬が大好きになりました。
競馬はブラッドスポーツと呼ばれていて、活躍した馬の子供がまた活躍してたらその親の時代を思い出して感慨深くなって胸が熱くなったりします。
そんな理由から僕は馬の絵を描くことが非常に多くなりました。いろんな作品を描きました。これからも描いていこうと思います。
馬の絵を描いてくださいと言われるとすっごくテンションが上がると思います。
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