【絵の上達】頭の中にあるイメージを的確に表現する方法

こんにちは。水墨画家のDと申します。

今回は『頭の中にあるイメージを的確に表現する方法』というテーマで能書きをたれていこうと思います。

頭の中にあるイメージをそのまま描いたつもりでも実際に紙の上にエンピツを走らせてみると

「あれ?なんか思ってたイメージと違うっっっ。」

ということが多々あると思います。

その原因と対処法をまとめてみたので読んでみてください。

原因はというと

・頭の中のイメージがぼやけてる

・単純に技術が足りない

大きく分けるとこの2つです。ひとつずつ解説していきます。

 

 

頭の中のイメージがぼやけている

 

まずひとつめは頭の中のイメージがぼんやりしていて明確じゃないってことです。たとえばひらがなとかカタカナとかって何も見なくても書けるじゃないですか?

それって小さいころからずーっと見てきてて、頭の中にその字の形がハッキリと残ってるからなんですね。

でも「絵」ってなると頭の中にあるイメージがそこまでハッキリしてることって少ないんです。よっぽど記憶力がいいとかじゃない限り。

ボンヤリとしたイメージしかないと、実際に手を動かして描くってなったときに細かいところがよくわからなくなって筆が進まなくなります。

 

馬を例に出して解説しますと。

馬の簡単なイメージって、

  • 4本の足で立っている。
  • 首が長い。
  • 顔も長くて頭の上に耳がある。
  • シッポが髪の毛みたいになっている。
  • なんとなくこんな体型してる。

 

だいたいこんな感じかと思います。情報がめちゃくちゃ少ないのでどんな動物でも当てはまりそうなぐらいぼんやりしています。

これだけぼんやりしたイメージで描くとおそらくこんな感じになります。

ギリギリ馬っていうのはわかりるかもしれませんが、おせじにも「上手い絵」とは言いにくいです。

頭の中のイメージがあいまいですごくぼんやりしてるとこういうことになっちゃいます。

 

これを解決するにはまず頭の中のイメージを明確なものにします。

イメージが沸かないときは写真でも実物でもいいのでまずは細かいところまでしっかり観察します。

絵を描くのって描くことよりもみることのほうが100倍ぐらい大切だったりします。

関連記事⇒デッサンのコツ:デッサンは描くことよりも観ることが大切

 

・全体的にどんな形をしてるのか、

・骨格はどうなってるのか、

・その骨格に対して

・どういうふうに筋肉が付いているのか、

・目はどこに付いていて何を見るためにあるのか、

・口と目と鼻の位置関係、

・首はどこから伸びているのか、

・前脚は人間でいえば手にあたるからじゃあ肩はどこにあるのか、

・おなかにはどういう内臓があるのか、

・その位置関係によって前脚と後脚の距離感がかわってくる、

・どんな表情をしているのか、

 

などなど……

これらはほんの一部で、実際にはこれの30倍ぐらい、いろんなところを観察します。

観察して少し描く、観察して少し描く。これを繰り返すと細かいところまで描けます。

一回見ただけでブワーっと描いてしまったりすると途中で細かいところがわからなくなってしまって、あやふやにエンピツを走らせてしまって、さっきみたいな超絶ブサイクな馬が出来上がってしまいます。

そうならないようにするためには頭の中のイメージをしっかり細かいところまで作り上げることです。

頭の中にイメージを作るためには細かいところまでしっかり観察することです。絵が上手くない人は描くことよりも見ることができていない場合が多いです。

 

単純に技術が足りない

 

ふたつめは、

単純に描く技術が足りてないだけです

こんなこというと元も子もないかもしれませんが、真実です。

絵は紙の上に自分の思ったとおりに線を描いてそれをたくさん集合させたものです。

思った通りに線が描けないのは脳ミソが「こう動かして」って指示した方向に手がうまく動かない、つまり脳ミソと手が上手くかみ合ってないだけです。

それを解決するためにはひたすら描きまくってコツを体に覚えさせるだけです。

難しいことは何もいりません。

ただただ描きまくるだけです。でもただぼけーと描きまくるよりも、どうしたらコツをつかめるんだろう?とか必死で考えながらやったほうが早くコツをつかめると思います。

僕の肌感覚では1日10時間ぐらい必死こいて練習すれば30日ぐらいで上手くなれると思っています。

いばらの道ではありますが、自分が最もニガテな分野を克服できたとき、ビックリするぐらい腕が上がっているのでおススメです。

ちょっとだけ僕のそんな話をします。

ニガテを克服して手に入れたもの

僕は人物画がすこぶるニガテでした。

人物画の特に「顔」を描くのがすごくムズカシくて、少しでも手元が狂えばまったく別人になったりします。

顔ってその人の心を映しだす鏡とか言われてたりして、表面上は笑ってても心の中では泣いてたりして、性格とかそのときの心情とかで表情が全然変わってくるのでホントに難しいんです。

なので極力、人物画を描くことは避けてきました。

 

 

 

でももし、人物画を描いてほしいって頼まれたときに、「ニガテだから描けないんです」って言うのってめちゃくちゃダサいし、何よりも依頼してくれた人を悲しませてしまうことになるよなぁと。

それよりも「わかりましたー」ってふたつ返事で描くほうがカッコイイよなぁ、と思ったのでこのニガテは絶対克服したほうがいいな、と思ったんです。

そのニガテを克服するために何をしたらいいかなぁと考えて、とにもかくにも描かないと始まらないよね、と何百枚、何千枚、、、たぶんもっと描いたと思います。

でも案の定、描いても描いても全然納得がいきません。

何が違うのかが、まったくわからないんです。もうこのときははっきりいって「ツライ」しかなかったです

それでも歯を食いしばって描き続けて、ようやく気づいたことは顔のパーツのバランスでした。

目、鼻、口の位置がたとえ1ミリ、0.5ミリでも違えば 全然違う顔になってしまうことに気づいたんです

鼻の高さや穴の位置、鼻と目、鼻と口とかの位置関係とか、とにかく細かいところまでよく観察して何回も消しては描き、消しては描きを繰り返して、ときには定規を持ち出してそれぞれの距離を測ってみたりして、ようやくその「答え」にたどり着くことができました。

 

詳しくはコチラに書いてあります。

人物画を描くコツ:人の顔はとにかくバランスが命

その答えにたどり着いてからは顔を描くのが苦ではなくなりました。むしろ出来上がりが楽しみになって、描くのが楽しくなりました。

コレはさっきのと同じ人物ですが、目の輝きとか、生き生きしてる感じとかが全然違うと思います。

そうなってからでも人物画はめちゃくちゃ神経使うし、鬼のように難しいですが、描き上げたときの達成感はほかの絵よりも何倍もあって、喜んでくれる度合いも全然違うのでニガテを克服してよかったなぁと思います。

そしてさらにもうひとつ副産物があって、ニガテな人物画を克服したことによって、今まで得意としてた風景画とか動物画のレベルがグンっと上がったんです。

これは全然予想してなかったことでした。

なので自分のニガテな分野を克服するのって、ツラいですけどそのぶん得られるものがデカいのでおススメです。

 

まとめ

 

少し話がそれましたが頭の中にあるイメージを的確に表現する方法は頭の中のイメージを明確にすれば8割ぐらいは解決できます。

すごくカンタンなのでやってみてください。

そしてそれで解決できたら大阪方面に向かって「ありがとう!」と叫んでください。

それではさよ~なら~($・・)/~~~

 

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