こんにちは。水墨画家のDと申します~。
今回は「初心者でも簡単に水墨画を描く方法」というテーマで能書きをたれていこうと思います。
水墨画を始めたいけどどうすればいいかわからない。
技法とかなんか難しそう…。
格式高いイメージがあって近寄りがたい。
そんな水墨画初心者さんが水墨画をカンタンにお手軽に楽しめる方法をプロの水墨画家のワタクシが解説していきます☆
水墨画の醸し出す「異様な雰囲気」のナゾ
えーまずは水墨画の異様な雰囲気のナゾについて。
水墨画にはほかの絵画とは違うなんだか異様な雰囲気があります。これわりと厄介で、そういうイメージを持ったままだと全然楽しめないのでその秘密を暴いていきましょう。

その秘密は何をかくそう歴史と伝統にあります。水墨画の歴史ってビックリするぐらい深くて3000年ぐらいです。
お寺とか神社とかと同じで、ふかーい歴史を持ってるものには僕らはなんだかちょっとかしこまってしまいがちです。
水墨画に異様な雰囲気を感じてしまうのはまさにココで、ただの先入観です。
水墨画の真実はただの墨と水で描いたモノクロの絵画です。
ついでに豆知識ですが、日本の水墨画の始まりはお寺のお坊さんの修行のひとつだったんです。
日本画誇る有名な雪舟さんも元々はお寺の修行僧で、そこで水墨画の修行を積んでいろんな世界に羽ばたいていったんですね。

道具を揃えよう
あれこれ考えるよりもとりあえず水墨画というものに自分の手で触れてみたほうがいいと思うので、まず道具をそろえてみましょう。
そろえるっていっても買う必要はなくて、小学校で使ってたような書道道具なんかがまだ家にご健在でしたら最高で、それでじゅうぶんです。
もし家になかったらホームセンターとか文房具屋さんで売ってる書道セットでじゅうぶんっす。
筆、墨、硯、紙とあと、水入れと絵皿のようなものがあればそれでOKです。紙を買うときはスケッチブックとかみたいなちょっと分厚めの紙がいいです。
水墨画の道具って高そうなイメージがありますが、リーズナブルな価格のものもたくさんあります。詳しくはコチラをごらんください。
さあ、買い物にいってきてください。笑
まず下描きをする
さて。
道具はそろいましたでしょうか?
じゃあ描いてみましょう!
このとき、いきなり筆で描き始めても特に何も問題ありませんが、より楽しむためにまずエンピツで下描きをするといいと思います。
下描きナシでいきなり筆で描き始めると、バランスが取れなかったり、形がおかしくなったりする事故が起きます。
墨は消すことができないので、事故るとまたイチからやり直しになってすこぶるめんどくさいことになります。
エンピツだったら間違えても消せるので、下の絵みたいなぬり絵のような感じに形だけ薄く描いて、そこから墨をのせていくほうが楽しめるかと思います~。

水墨画って「下描きはするなー!バカヤロー!」みたいなことを言う人もいるんですけど、僕に言わせれば下描きをしないことのほうがはるかにリスクが高いので、そんなヤツはそーっとスルーしていただいてけっこうです。
こちらの動画をみるとわかるかと思いますが、けっこうエンピツで描き込んでおります。
このぐらい描いても墨を乗せるとエンピツの線がまったく気になりません。ていうか…消しゴムで消せます。。。
というわけで下描きはあったほうが楽しめると思います。
技法はなくても大丈夫
水墨画といえば1本の筆の中に濃い墨と薄い墨を一緒に入れて描いてグラデーションになるのが面白かったりするんですが、これってめちゃくちゃ「職人芸」で、残念ながら初心者がすぐにできるようなシロモノではありません(´;ω;`)
自分の思いどおりに描けるようになるまで相当時間がかかってしまいます。
水墨画を楽しみたくて始めたのに、全然楽しめないという不可思議な現象が生まれてしまってあきらめてしまう人が噴出する原因のひとつです。
そこでなんとか初心者でも簡単に楽しめる方法がないものかと、いろいろ試していたら薄い墨を重ねていくという、新たな描きかたを編み出しました。
描きかたの手順
①まず墨を磨ります。力を入れすぎると墨が傷むので、優しく速く動かすといい感じです。真っ黒になるまでひたすら磨ります。ティッシュとかで黒みを確かめながら磨りまくってください。少し粘り気が出たぐらいがちょうどいいあんばいです。なかなか根気のいる作業なのでめんどくさいときは墨汁で問題ありましぇん。

②墨を真っ黒になるまで磨りましたらば、お皿に水を大さじ3杯ぐらい入れます。そこに真っ黒に磨った墨を2滴ほど垂らします。すぐに混ぜてください。このときの濃度はお好みです。
だいたいこんな感じですねー。

もう少し濃いのと2種類あるとより便利でござりまする。

③準備完了です。
さあ!ここまでさんざんガマンしてきた思いの丈を一気に解放してくださいっっ。思うがままに墨を紙の上にぶちまけてください。
何回も墨を重ねていくとドンドンその部分が濃くなっていって密度が上がって中身が詰まってるような感じになって立体的になって浮いてきたりしてもうあなたは水墨画の虜になること間違いナシです。
こんな感じでやると初心者でも水墨画の醍醐味である濃淡を簡単に再現できます。
あとはたくさん練習を積めばこんな感じのステキな水墨画が描けるようになります。

ある程度画力があるとすぐに描けます
この描きかたはホントに簡単でエンピツである程度の絵が描ける人なら今すぐそれなりの水墨画が描けると思います。
僕が初めて筆をとって描いた処女作がこのリンゴです。全然ヘタクソですが、それなりに雰囲気は出せてると思います。

僕は筆で描く前にエンピツで練習してひたすら画力を上げてたんです。
そしたらいざ筆を持ったとき、すごくスムーズに描くことができました。
筆で描いたときに唯一戸惑うことがあるとしたら筆の柔らかさです。筆は穂先がめちゃくちゃ柔らかいのでなかなかエンピツのようにはいかないのですが、エンピツの扱いには慣れてたのでわりとすぐに慣れました。
はじめて描いたのがこれだったのでなんとなく自信がつきました。
「もっと練習すればもっとスゴイのが描ける」と。
そして練習を積んで描いたのがコチラです。

この成長っぷり。
練習すれば誰でもこれぐらいは描けるようになります。
絵が上手くなるためのオンライン講座を開催しているのでのぞいてみてください。
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