水墨画でグラデーションを綺麗に表現する方法

水墨画を描く上でグラデーションは欠かせません。

少なくとも僕の水墨画では。

もしグラデーションがなかったら僕は水墨画をやっていなかったでしょう。

それぐらい大事な手法です。

だって面白くないですもの。

今回は水墨画における「グラデーション」について能書きを垂れてみようと思います。

 

グラデーションとは?

 

グラデーションは2つ以上の色が連続的に変化していくこと。

んなこと言われなくてもわかってるよ、って声が聞こえてきそうですね。笑

 

 

身近にあるグラデーション

 

このグラデーションは僕たちが生活する中で

いろんな場所に点在しています。

べつにまわりを見渡さなくても、ふと自分の体を見てみると

そこには自然なグラデーションがいっぱいあります。

腕や足などの丸みをおびた物体は光が当たる面が均一ではありません。

僕たちがそれを「物がそこにある」と認識できるのは

物体に光が当たって「明るい部分」と「暗い部分」が

混在しているからです。

「明るい部分」から「暗い部分」に連続的に色が変化することで

視覚的に自然に見えて脳がロジカル(論理的)に処理することができます。

机の上を見ればパソコンのキーボード、マウス、などなど、

実にいろんなところにグラデーションは存在しているのですっ。

このグラデーションは光があたれば色は弱くなり、

影になればなるほど色が暗くなっていきます。

、というようなことを観察してまわりを見渡したり

いろんな物を見るといろんな発見があって楽しいですよ。

 

水墨画でのグラデーション

 

水墨画の世界で、唯一色を楽しめる手法です。

、と同時に光と影の表現をより豊かにできる方法でもあります。

グラデーションがあるからこそ、モチーフが立体的に見えたり、

画面に奥行き感を表現することができます。

水墨画でグラデーションがなければ何の面白みもない絵画になってしまいます。

それは水墨画が白と黒だけだからです。

ほかに白と黒だけの絵画といえば

日本では超馴染み深い「漫画」がありますが、漫画の世界では

グラデーションはあまり頻繁には使われていません。

作品にもよりますが、そこまで細かく描写する作家さんは稀な気がします。

…というかそんなことはどうでもいいのです。

白と黒だけの水墨画ではグラデーションは

なくてはならないものだということが言いたいだけでした。

 

水墨画のグラデーションには水が不可欠

 

さて、ではどのようにして水墨画でグラデーションを表現するのか?

それには「水」が不可欠です。

僕の手法では水を大量に使います。

おそらく日本でいちばん水を使う水墨画家なのではないかと自負しているほどです。

通常の水墨画の技法では、ひとつの筆の中でグラデーションを

作ってひと筆でグラデーションを表現するものがあります。

 

僕の場合は薄い墨を何回も何回も重ねることで

少しずつグラデーションを表現していきます。

その途中で水を使って墨を伸ばします。

薄い墨を紙の上にのせて、乾かないうちに

素早く水だけを含んだ筆に持ち替えて墨を伸ばす。

場合によっては右手に墨を含ませた筆、

左手に水だけを含んだ筆を持って交互に筆を紙の上で走らせます。

そうやってできたグラデーションがこちらです。

きれいでしょ?

 

「薄い」から「濃い」へ

 

僕のグラデーションは基本的に薄いところから先に墨をのせていきます。

これは失敗を最大限に回避するためです。

墨は一度紙にのせてしまうと修正ができません。

特に完成間近で失敗してしまうと精神的なダメージが計り知れません。

 

何回かやりました。

 

泣きそうになりました。

 

やり始めのころの話です。

今では失敗することも少なくなりましたが、たまにやってしまいます。

このグラデーションの方法で水墨画を描けばまるで

浮きでてくるような立体感と世界に吸い込まれるような奥行き感が生まれます。

 

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ご静聴ありがとうございました。

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