【水墨画の描き方】デッサンを練習すれば水墨画は楽勝で描ける

おはようございます。

 

水墨画はデッサンを練習すればすごく簡単に描くことができます。

 

・水墨画を描いてみたいけど描き方がわからない

・水墨画って難しそうな技法とかで描かないといけないの?

・水墨画ってどうやって練習すればいい?

 

こんな疑問は「デッサン」がすべて解決してくれます。

 

水墨画とデッサン

 

水墨画とデッサンって、あんまり結びつきそうにない感じがするかと思いますが。

とんでもございません。同じ「白と黒だけで描かれた絵」なので、そういう意味ではむしろ他の油絵とか水彩画とか色のある絵画よりも密接につながっております。

 

デッサンといえば↓の画像みたいなエンピツで描かれた下絵のようなイメージがあるかと思います。

これをそのまま墨と筆でやれば水墨画でもこんな絵が描ける、っていうお話でございます。

 

【水墨画とデッサン】エンピツのように墨を重ねる

 

水墨画の魅力のひとつに、ひとつの筆の中に濃い墨と薄い墨を混ぜて、見事なグラデーションを表現する、というものがあります。

コレです↓↓↓

 

この竹の水墨画なんかはまさにそれの究極形で、ここまでくるともう、職人芸で、圧巻のひと言です。

 

これはねー。

実際やってみるとわかりますが、相当の技術が必要です。

めちゃくちゃ難しくて、なかなか思うようにいかないのです。。。

 

ここまでの表現力を身につけるためには相当の練習を積まないとたどり着くことはできません。

しかもこれ筆太いの1本しか使ってないっていう。。。すごすぎる。

 

できるようになるまで、コツコツと練習を積み重ねるのもひとつの楽しみではあるのですが、それだけだと面白くないので、なんとかもっと簡単な方法で水墨画を表現できないかしら?といろいろ試行錯誤して、発見したのが「エンピツのように何回も線を重ねる方法」です。

 

「デッサン」は、エンピツで描いた線を重ねて少しずつ濃くしていくことで、カゲとか立体感を表現したりする手法です。はじめは薄い線で大まかな形を描いて、そこから少しずつ細かいところを描写していくのが特徴です。

 

これはエンピツならではの手法です。

 

水墨画も同じように薄い線を何度も重ねていくと濃くなっていくので、まるでエンピツのように描くことができるのです。

違いは消せるか消せないか、ですっ。

 

実際にその手法で描いた絵が僕の水墨画作品でございます。

 

この絵は僕が初めて筆を手に取って描いた処女作でございます。

筆ってエンピツと違ってすごく柔らかいので、なかなか思うようにいかず、けっこう戸惑いながら描きまして。

それでもこれだけ描けたらなかなかのモノではないでしょうか。

ちなみに、青くなっているのは墨ではなく、青いインクを使って描いたからです。この当時、墨を準備していなくて、それでもどうしても試してみたくて身近にあった青インクで代用しました。

水に溶けたらなんでも水墨画っぽくできるものなんだ、という発見をしました。

 

その次に描いたのがこの馬の絵です。

 

これは公募展で入賞をいただいた絵で、ちゃんと墨を使って描いております。

 

この手法をもっとレベルアップさせると、こんな感じの絵が描けるようになります。

 

これは線を重ねるのに、プラスアルファで水を大量に使った描き方を使っています。

 

馬のお腹のあたりなんかはまさにそれです。

この描き方の詳しい解説はこちらから。

【水墨画の描き方】難しい技法がなくても楽しんで描く方法:初心者必見

 

【水墨画とデッサン】筆に慣れていなくても描ける

 

そんなことよりも何よりも。

どうやって筆に慣れていないのにここまでの絵が描けたのか?

 

それはデッサンを死ぬほどたくさんやったからです。

デッサンとひと言で言ってもその意味はかなり深いのですが、とりあえずそれは後回しにして、シンプルにエンピツでたくさん絵を描いたからです。

エンピツでたくさん練習することは絵の基本中の基本中の基本です。

なので、エンピツで思い通りに描けるようになると、油絵でも水彩画でも水墨画でもなんでも描けるようになるのです。

なんなら全然関係なさそうな「スプレーアート」とかでもそう。

 

野球の基本が素振りとキャッチボールであるように、どんな絵の基本もデッサンなのです。

 

デッサンはなぜ基本なのか?

 

エンピツで描くことがなぜ基本なのかといいますと。

 

いろんな筆記具がある中で、エンピツはいちばん軽くて扱いやすい筆記具だからです。

 

たとえばボールペンとかマジックペンとか万年筆とか、筆とかその他いろいろ思い浮かべてみてください。

どれもこれもインクとか絵の具とか、はたまた墨とか。

液体を使って描くものばかりで、扱いがちょっと面倒なのです。

 

その点、エンピツは軽いし、液体は使わずにそれ自体が削れて紙に線として写るので、扱いが格段に簡単です。

 

小さい子どもがお絵描きする時とか、小学校に入学したらまずエンピツを持たされるのは扱いが非常に簡単で、しかも汚れる心配もあまりないからです。

 

あと、エンピツは消しゴムで消せるので、間違えたところからやり直せます。

インクとか絵の具とか墨とかって間違えてしまうと消せないからまたイチからやり直しなので、練習の効率っていう意味でもエンピツってスグレモノなのです。

 

そのスグレモノを効率よく使って何回も何回も絵を描くことで、体に絵を描くことを覚えさせる、っていうのが絵の基本です。

 

まー…それでいうとべつにエンピツじゃなくても何回も描いてれば体は覚えるんじゃね?ってなるんですけど…。

エンピツはホラ、消せるから効率がいいんですよ…。

 

だからエンピツがいちばんいいのです…。

 

細かいことはね、この際ね…

 

 

デッサンの深い意味

 

デッサンはフランス語で、「dessin」と書きます。下絵とか素描とか、ときには「絵」そのものを表す広い意味の言葉です。

 

欧州かぶれ(?)の我が国ニッポンでも同じように幅広い意味を持っている言葉です。

 

ただの白黒のエンピツ画をデッサンって呼ぶし、目の前の実物をみて写実的に絵を描くこともデッサン。絵の基本、基礎のことをデッサン。

 

いろんな意味があって、すごく深い言葉です。

 

僕ら絵描きにとってはデッサンは絵の基礎練習っていう意味が強くて、「デッサンを制するものは絵を制す」といっても過言ではありません。

実際に「絵が上手くなりたいならデッサンをやった方がいい」という言葉を何回もいただいたことがあります。

 

しかぁーしっ。

 

デッサンのホントの意味はそれだけではありません。

 

①コンセプト

②構図

③観察

④モチーフの形

⑤質感

⑥量感

⑦光と陰影

 

 

これだけのことが「デッサン」というひとつの言葉の中に詰まっているのです。

 

たとえばリンゴをモチーフにした場合。

①コンセプト

構想とか概念とかそんな意味の言葉で、その絵をみた人がどんな気持ちになるかをデザインするいちばん大事なところです。

絵を描く前に真っ白な紙とにらめっこして考えることが多いです。

リンゴの何をみせたいのか?

を死ぬほど考えます。

たとえば美味しそうなリンゴをコンセプトにするなら、そのままの状態よりも皮をむいた状態のリンゴを描いた方が伝わりやすそうだなー、とか。依頼主さんがいれば、ここはめちゃくちゃ大事なところで、納得いくまでたくさん話し合った方がいいところです。

②構図

コンセプトをもとに、枠の中にどんな感じでモチーフを配置すればいいか、とか、どのアングルでみせるか、とか、背景はどうするか、とかを決めます。

頭の中だけで考えることもあれば、描きながら修正を加えていくこともあります。

頭の中で考えてよっしゃ!と思っても実際描いてみたらアレ?ってなることなんてザラにあります。

どんな構図にすれば美味しそうなリンゴになるのか?

を死ぬほど考えます。

たとえばリンゴって一目でわかるようにウサギのりんごにするとか。

③観察

デッサンでいちばん大切なところと言っても過言ではありません。

コンセプトと構図が整ったら、紙の上にエンピツを走らせて描いていくわけですが、デッサンは基本的には実物を目の前に置いて描くので、その時にモチーフをよーく観察することがすごく大切です。

 

④モチーフの形

 

形をうまくとらえてそれを的確に紙の上に二次元で表現する、ということをできるまで何回もやります。

リンゴはデッサンのモチーフとしてよく使われております。

たぶん形が絶妙に難しすぎず簡単すぎずなのでしょうね。

知らんけど。

 

⑤⑥質感と量感

形をうまく表現できたら今度はリンゴの質感と量感を表現します。

リンゴの種類によって断面がザラザラだったりツルツルだったりするし、蜜があれば他の場所との違いをどう表現するか?が質感です。

あたかもリンゴがそこにあるかのようにみせるために、大きさ、重み、厚みをどう表現するか?が量感です。

紙の上に二次元で表現するのにいちばん難しいところであると同時にいちばんの腕の見せどころでもあります。

 

⑦光と陰影

質感と量感を表現するために欠かせないのが光と陰影をどう表現するか?です。

光がどこからきてどんなふうに陰影を作ってるか、を的確にとらえて表現します。

 

ザックリこんな感じの、絵の基本のことがすべてデッサンの中には詰め込まれております。

 

こういうことを意識しながらやるのと、そうでないのでは上達の速度が圧倒的に変わります。

 

【豆知識】墨とエンピツの意外な共通点

 

墨とエンピツには意外な共通点があります。

それは両方とも「小さい粉が集まったもの」であるということ。

 

墨は材料を燃やしてできた「煤(すす)」という細かい粉を「膠(にかわ)」という接着剤みたいなもので練り合わせて作ります。

一方でエンピツも黒鉛の細かい粉を粘土と混ぜ合わせて作ります。

どっちがどっちかわからないぐらい激似です。

 

ということは、紙に描いた時、薄い線は粉と粉の間が若干広くて、濃い線は粉と粉の間が狭くなっている、ということです。

薄い線の拡大図↓

濃い線の拡大図↓

エンピツは力を抜いて描けば薄くなって、墨は水を多くすれば薄くなります。

 

ね?そういう意味でも水墨画とデッサンは密接につながってるのですよ。( ´艸`)

 

 

 

まとめ

 

水墨画はデッサンをたくさんやれば勝手に描けるようになります。

デッサンというか、「エンピツ画」ですね。

どっちでもいいですが、水墨画もデッサンも同じ白黒で、エンピツで描いたものをそのまま筆で描けばいいだけなので、すごく描きやすいハズです。

 

なんせ色のことを考えなくていいので♡

 

とゆーわけで。

 

本日はここまでです。

ありがとうございました。

 

それではまた〜。

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