おはよーございます。
水墨画家のDです。
たった30分で劇的に絵が上手くなる方法を解説します。
僕の生徒さんにこの方法を教えたところ、教えてから
たったの30分で絵が劇的に上手くなりました。
それがこちらです。
なんだかすごくイイ感じのハサミを描けていますね。
線も滑らかでとても生き生きしていて、素晴らしい絵に仕上がっています。
このハサミを描く30分前のお上手でない絵がこちら。
みてください。
この絵心のカケラも感じれない微妙なドラえもんを。
とても同じ人物が描いたとは思えません。笑
この生徒さんはこれまで絵を描くことはまったくしてこなかった初心者でした。
それがまさかたった30分でここまで上達するとは思ってもみなかったのでホントにビックリしました。
信じられないかもしれませんが、ホントの話です。
この生徒さんはとある方法を使ったことにより、たったの30分でこれだけの画力を手に入れることができました。
その方法とは、
「エンピツの持ち方を変える」
「モチーフをよくみる」
これだけです。
詳しく解説します。
エンピツの持ち方を変える
彼は最初、エンピツをこんな感じで持っていました。
このように、エンピツの端っこの方を握りしめていたのです。
これをこんなふうに変えました。
先ほどの写真の持ち方がなぜよろしくないのかといいますと。
指先に力が入って、エンピツをギュッと握りしめてしまうからですね。
指先に力が入ると指先がプルプル震えちゃうので、線を描く時に力が微妙に入ったり入らなかったりして線が安定しないのです。
このエンピツの端っこをギュッと握りしめる持ちかたは字を書く時にこういう持ち方をすると思うのですが、字を書く時っていうのはとりあえず何の字を書いてるかがわかればいいので、そこまで線をキレイに書かなくても大丈夫なんです。
ところが絵っていうのは形が命なんですね。
形がイビツになってしまったら何を描いてるかがまったく伝わらないんです。
なので絵を描く時の線っていうのは、滑らかなキレイな線を描く必要があります。
でもこんなふうに力が入ってギュッと握りしめた状態で線を描くと線がすごく汚くなってしまいます。
じゃあなぜ指先に力が入ってしまうのか?
それは力を入れないとエンピツの重さで手から離れていってしまうからです。
できるだけ力を抜いてエンピツを持った方がキレイな線が描けるので、力を入れなくてもエンピツが離れていかないような持ち方が下の写真です。
これはまずエンピツを手に乗せます。
こんな感じで。
これでエンピツが落ちてしまったら意味がないので、落ちないような場所に乗せます。
そして親指と人差し指は軽く添えるだけ。
こうすると力を入れなくてもエンピツは落ちていかないので、力を抜いたままエンピツを走らせることができます。
で。ここで大事なのは手首を動かして線を描くんじゃなくて、もっと大きく手を動かすことです。力を抜いて肩から動かすと線がキレイに描けるようになります。
その結果、いい絵が描けるようになる、っていうスンポーです。
線を重ねる
この持ち方は線がすごく薄くなります。
力が入っていないので。
でも線がすごく描きやすくなります。
実際に僕の生徒さんはこの持ち方に変えた瞬間、「すごく描きやすい!」と大絶賛。
その薄い線をたくさん重ねて少しずつ線を濃くしていきます。
どの線がいちばんいい線なのかを探りながら。
この線を探りながらっていうのが非常に大切なことでして。
一発でいい線を描くっていうのはなかなか難しくてですね。これは上手い人でもそう。特にラフを描く時なんかはたくさん線を描きながらどの線がいいかを探っています。上手い人の絵を描くのをみる機会があったらそういうところもみてもらうとすごく面白いと思います。
なのでいい線を探りながら描いて、少しずつ線を濃くしていくとイイ感じの絵に仕上がります。
モチーフ(対象物)をよくみることが大切
僕の生徒さんにもうひとつ教えたことが「モチーフをよくみること」です。
さっきのハサミの絵だと、どこでどんな風に曲線を描いてるのか、とか、どんな形をしてるのか、とか。
とにかくよくみて、そのモチーフの情報を吸い取れるだけ吸い取るのです。
だから描くとみるの割合が3:7ぐらいです。
2:8ぐらいでもいいぐらい。
で。みるところはモチーフだけじゃなく、自分が描いた線とモチーフがちゃんと同じ形になってるかどうかっていうのもよくみます。
よーーくみくらべて、違ってたら修正してまた描いて、の繰り返しです。
とにもかくにも「みる」ことが非常に大切です。
そして、できるだけモチーフと紙は近い方がいいですね。
ハサミがこれだけ上手に描けたのは、まさにそれで、ハサミを紙の上に乗せて、すごく近い距離で描いています。
この距離感が大切で、みることに集中できたからこれだけ上手に描けたのです。
生徒さんは最初近くにあったマグカップを描いていたのですが、それはマグカップを紙からちょっと離れたところに置いて描いていたので、マグカップの出来はイマイチでした。笑
デッサンは高等技術と言われているのですが、その理由がまさにこれで、対象物と紙との距離が離れているからなんですね。
モチーフとの距離が離れていると、みる角度が微妙に変わったりして形が安定しません。
なのでマグカップは線はすごくイイ感じの滑らかでキレイな線が描けているのですが、形をよくみれていないのでこんなイビツな形になってしまったのです。
ところが、ハサミはこの至近距離で描いていたので、モチーフをよくみることができたのです。
絵の練習をする時には模写が基本と言われているのですが、それはモチーフと紙との距離が近いから、っていうのが理由のひとつになっています。
なので、写真とか紙に描いてあるものを横に置いて、それを模写する時はできるだけ紙と近づけてやると、モチーフをよくみることができるのですごくいい練習になります。
普段の積み重ねが大切
僕の生徒さんがこれだけ上手くハサミを描けたのにはもうひとつ理由があって、それが普段から絵の基礎練習をスキマ時間にやっていたことです。
僕のYouTubeチャンネルには絵の基礎練習のショート動画がたくさんあるのですが、生徒さんはそれをみて日々練習を積み重ねていました。
「そんなんで上手くなれるわけない」っていうコメントがけっこうあるのですが、
そもそもこれだけで上手くなれるとはひとことも言ってないのです。
あくまで「絵が上手くなる練習方法」って言ってるだけで、それをどうとらえるかは受け取り側の問題。
僕の生徒さんはその真意を理解してくれているので、
毎日毎日コツコツ積み重ねて、その結果、指先が自分の思うように動くようになって、
思い通りの線が描けるようになるっていう土台ができてたんですね。
エンピツの持ち方を変えたっていうのはただのきっかけだったんです。これだけのハサミを描けるようになったのは僕が教えたどうこうよりも、生徒さんが自分自身で積み重ねたことの結果だったんです。
もし普段の積み重ねがなかったらここまで描けるようにはなっていないでしょう。
絵はどれだけ描くことを積み重ねるかで上手くなれるかどうかが変わってきます。
なので厳密にいえば30分だけで上手くなったわけではなくて、
積み重ねがあったからこそ、たった30分で劇的に変わることができたっていうことなんですね。
好きなものをたくさん描く
生徒さんはこの時、たまたま近くにあったハサミを描いてそれが上手く描けました。
お試し感覚で。
それはそれでたいへん素晴らしいことなのですが、ずーっとそういう近くにあるものばかりを描いていてもたぶんモチベーションは下がっていってしまうでしょう。
なので、今後、画力を上げるためには自分の好きなものを描くといい、ということをお伝えしました。
例えば好きなキャラクターとかですね。
好きなキャラクターだったら思い入れがあるので、自分が描いた線がそのキャラクターになっていくのを自分でワクワクしながら描くことができます。
絵を描く時はそのワクワク感がめちゃくちゃ大事なのです。
なかったら楽しくないんですもの。
楽しくなかったら描く意味がないんですもの。
まとめ
以上でございます。
30分で絵が上手くなるためには
- エンピツの持ち方を変える
- モチーフをよくみる
- 普段からの積み重ね
です。
ぜひお試しください。
それではまた〜。