【模写のコツ】描いた人の想いを紡ぐのが模写

こんにちは。水墨画家のDと申します。

今回は「模写のコツ」というテーマで能書きをたれていこうと思います。

 

絵の練習方法でいちばん手っ取り早い方法は「模写」です。

模写のコツは「元の絵が何を伝えたいかを感じ取って描くこと」です。

ほかの人が描いた絵をマネして描くのが模写なのですが、今まさに模写しようとしているその絵を描いた人は何かを伝えたくて、訴えたくてその絵を描いたハズです。

模写をするときいちばん意識するところはココで、「たぶんこの絵はこういうことを言いたいんだろうな」っていうのを感覚的にとらえて、自分なりの解釈で描いていくと、1枚描くだけでもかなりの経験値が得られるので上達速度が爆上がりします。

なので線だけを見たまま描いてもあんまり効果がないんです。「描く力」はレベルアップするかもしれないですが、それだと「上手いだけの人」になりがちです。特にイラストとかだと線で表現してるものが多いので、つい線をそのまま描いてしまいがちです。

 

模写をするときに意識するポイントをまとめてみたので参考にしてみてください。

 

心底描きたいものを描く

 

大前提として「描きたい!」という欲望が湧いてくる絵を模写するといいと思います。

たとえば、人に「これ描いたら上手くなるよ」みたいなことを言われたとしても、それをみて「描きたくない」と思ったならその時点で却下してください。

たとえそれを言われたのがセンパイとかセンセイだとしても。

「描きたい」っていう欲望が出れば人からススメられた絵でも全然アリです。

その欲望は後々「個性」として育っていくので、まずは「描きたい」という欲望にまみれてください。

思い当たるものがない場合はネットで探してみてください。

星の数ほどの絵が転がっているので何か見つかるハズ。

 

◾️偏ったりしない?

 

「描きたい」ものばかり描いていると偏ってしまうのでは?

と不安になるかもしれませんが、情報が溢れてる現代においてはその心配はないと思います。

ネットにはホントにたくさんの絵が日々アップされているので、その中で「この1枚だけ描いていたいんだ!」なんてことはさすがにないでしょう?

まったく知らない未知の分野を探してみたりすると意外なお宝が眠っているかもしれません。

その中からあなたが「これだ!」と思うものを見つけてみてください。

 

 

模写のコツ①人物画・動物画の場合

 

人物画も動物画も同じ生き物なので意識するポイントはけっこう似通ってたりします。

てゆーか、そもそも人間も動物。笑

順番でいうと、輪郭(形)⇒顔⇒質感、光と陰影(雰囲気作り)、といった感じで描いていくとイイと思います。

 

◾️形を正確に再現する

 

人物画も動物画もめちゃくちゃ大事なのが「形」です。

顔の輪郭、髪型(毛)、骨格、筋肉のつき具合、ポーズ、、、。ここは線をしっかりみて正確な形を再現しないとその後がおかしなことになります。なのでココは特に集中してやる必要があります。

このとき、線を追いかけるのも大切ですが、余裕があるならそのモチーフが何を考えてるんだろう?とか、なんでそのポーズになったんだろう?とか、なんでこの目線の高さになったんだろう?とか考えながら描くとイイです。

 

形を正確に再現するにはアタリをとると便利です。

アタリは大まかな形を簡単に描くことで、全体的なバランスがとりやすくなります。

理想は形を描いた時点で元の絵の雰囲気が出てることです。

自分で描いた絵から雰囲気を感じれたらサイコーです。

 

◾️顔の表情を再現する

 

人物画、動物画で特に神経を使うのが表情です。まず、元の絵がどんな感情なのかを読み取ります。

そのうえで目、鼻、口、眉毛、耳のバランスをしっかりと見極めて配置します。

これが少しでも狂うと表情がガラリと変わってしまいます。特に目は「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるぐらいなのでめちゃくちゃ神経使います。

◾️細かいところを描いて雰囲気作り

 

形ができて、顔ができたらたらあとは細かいところを描き込んでいくのですが、ここからはできるだけ線は見ないほうがいいです。質感とか雰囲気、空気感を感じ取って再現していくので、線じゃなく、面でとらえてみてください。

意識するのは質感、光と陰影、それが何でできてるかとか、どんな肌触りか、とかです。

特に骨が出てる部分とかは陰影になりやすいので雰囲気作りにはもってこいです。

下の動画が参考になれば幸いです。

動物だったら毛のフワフワした感じとかですね。

 

風景画・静物画の場合

 

風景画とか静物画は人物画、動物画に比べるとどっちかというと無機質で表情がわかりにくいのでいかにその雰囲気、空気感を感じ取って表現できるか、です。

雰囲気、空気感を感じとるためには、その場所の季節、温度、湿度、天候、時間帯、いろんな情報を読み取って想像します。

タイトルがあったら、そこからもいろんな情報を読み取ることができます。

 

大まかな形を薄い線で描いたらあとはひたすら雰囲気を出すために細かいところを描き込んでいきます。

線はできるだけみないほうがいいです。

木の葉っぱがカサカサ鳴ってそう、とか、何の種類の木だろう、とか。

夏だったら海に入ったら気持ちいいだろうなーとか、砂のジャリジャリした感じとか。

そういうのをイメージしながら描くと不思議とそういう雰囲気の絵になります。

 

元の絵と比べてみる

 

出来上がってからでも、描いてる途中でも、元の絵と自分の描いた絵を比べてみるのってすごく大事です。

ちゃんと元の絵の雰囲気が出てるかどうか。

少しでも違和感を感じたら、何が違うのか?を徹底的に分析して修正してまた比べて…の繰り返しで精度をドンドン上げていってください。

とはいえ、たまに元の絵と自分が描いた絵の雰囲気がまったく違っていても、「これはこれでいんじゃない?」って思えるようなときもあります。

それはあなたの個性が出た瞬間なのでそれはそのまま消さずに置いといたほうがいいです。

 

まとめ

 

以上、「模写のコツ」というテーマでお送りしてまいりました。

 

模写の目的はあくまで「あなたのレベルアップ」なのであんまり似せることに集中しなくてもいいかなと思います。

僕は好きな漫画とかアニメのキャラを模写するときは全開で元の絵に寄せにいきます。

自分の手で好きなキャラクターを再現できることに喜びを感じるからです。

でも風景画とかだと思いっきり自分の味を出そうとします。

そこはたぶんあなたにはあなたの考えがあると思うので、「何を表現したいのか」を突き詰めて描いてみてください。

 

参考になれば嬉しいです。

 

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