おはよーございます。
水墨画家のDです。
絵が上手く描けない原因はいろいろございますが、
中でもトップクラスに入るのが
「バランスがとれてない」
です。
たとえばみんな大好きドラえもんを描く時にですね、真っ白な紙にいきなり濃い線で描いていこうとすると、顔とか手とか胴体のそれぞれの位置関係がよくわからなくてですね。ごらんのようにとてもブサイクなドラえもんが仕上がってしまいます。
こうやって何もないところにいきなり描くのってけっこう高等技術なのです。
描ける人にとってはこんなもんは朝メシ前なんですけど、描き始めて日の浅い人からすると、どこにどう線を描いたらいいのかがわからなくなるんです。
なんでこういうことが起きるかっていうと、線を描いてる時って目線がエンピツの先に集中してしまって他のところに目がいかないからなんですね。たとえば手を描いてる時って、手に集中してるから他の顔とか胴体とかには目がいかないんです。
全体をみながらバランスを意識して描くっていうのはなかなか難易度が高いんです。
なので。
先にうっすら線を描いて、それぞれの位置関係のバランスを先にとります。
こうすると、どこにどう線を描いたらいいかっていう道標みたいな感じになるので、すごく描きやすくなります。
これをアタリをとるって呼んでます。
アタリをとる
他にもたとえば。
電卓をね、描こうとした場合。#なぜ電卓
今たまたま目に入ったのが電卓でバランスのことを語るのにちょうどいいなと思ったから電卓ですっ。深い意味は皆無です。
電卓ってボタンがたくさんあって、しかも全部均等なんです。位置とか大きさとか。
このボタンを描く時に、一個完成させてまた一個完成させてっていう感じで描こうとすると、全体のバランスが取れなくて大きさとか位置がバラバラになってもはや電卓と呼べないシロモノになっちゃう事故が起きます。
なので、これもさっきのドラえもんと同じように、アタリをとるとめちゃくちゃ描きやすくなります。
こんな感じでですね。薄い線を描いて先に全体のバランスをとっておくと、ひとつひとつのボタンがすごく描きやすくなります。
この薄い線は定規を使って、さらに長さを測ったりなんかすると、より美しい電卓を描くことができます。
が。
こういう人工物の真っ直ぐな線を描く場合は、できれば定規は使わないでフリーハンドで描いた方が線を描く練習になります。
電卓だけじゃなくて、他にも同じ大きさの窓がたくさんあったりするビルとか描く時なんかはこんな感じで描くと描きやすくなるので、ぜひお試しくださいませ。
位置関係のアタリ
…とまあ、こんな感じでですね、薄い線でアタリをとってある程度バランスを整えてから細かいところを描いていくことにより、素晴らしい絵に仕上がります。
このアタリをとるのは登場人物が増えた時とかにもバランスがとりやすくなります。
たとえばドラえもんだったらのび太くんも出てくるし、しずかちゃんも出てくることもあります。
電卓とたとえば…そうだな…ペットボトルをふたつ登場させて、みたいな絵を描く場合だってあるわけです。ペットボトルもたまたま近くにありました。#ぽよよーん
そういう時ってそのふたつの登場人物の位置関係によって絵のみえ方が変わったりしてしまうので、バランスってすごく大事なんです。
そのバランスをとるために、ふたつの登場人物の大まかな形を先にうっすら描いて、それから細かいところを描いていくことで描きやすくなるし、位置関係のバランスのことを気にせず描けるので、ひとつのモチーフに集中して描くことができて、結果的にはそっちの方が素晴らしい絵に仕上がります。
例えばこのドラえもんとのび太くんが立って何かをしゃべってるっていうシンプルな絵を描くとしたら。
まず、大事なのはそれぞれの顔ですね。
顔でふたりの位置関係のバランスをとります。
元の絵の顔のバランスをしっかり見極めて、薄い線で描いたカンタンな図形をみながら最大限イメージを脳みその中で膨らまします。
それを基準にして細かいところを描いていきます。
こうして位置関係を先に決めておくとね、すごく集中して描くことができるので、お試しくださいませ。
イメージしやすくなる
そしてもう一段階レベルを上げたのが電卓とペットボトルです。
この何の変哲もない、たいして関連性もないモチーフ同士をどんなバランスで描いたら素晴らしい絵に仕上げれるのか。
そういう時にもアタリをとるっていうのはすごく便利です。
頭の中で思い描いたものと、実際に描いて目に映ったものっていうのは、けっこうギャップがあったりするので、描いてみたらアレ?なんてこともよくあります。
なので、真っ白な紙にうっすら線を描くことでどのバランスで描いたら自分の中でグッとくるか、をイメージしやすくなります。
というわけでこんな感じにしてみました。
アタリをとるのってそんなに難しい作業ではないので、時間でいうと1分もかからないことなんです。
たったそれだけでことなのに、絵の仕上がりには天と地ほどの差がうまれるので、これはもうやるしかないですね。
それではまた〜。