【絵の構図】の考え方:思いつかないのは○○が足りてない

こんにちは。水墨画家のDと申します。

本日は「絵の構図」について考えていこうと思います。

絵画作品の目的はその絵をみた人の心を動かすためにあります。

漫画とか絵本みたいに、いくつもの絵がつながってストーリーになるようなものではなくて、たった1枚の絵だけで人の心を動かすっていう、なんともハードルの高いことが要求されます。

そのために画面のどこに何と何を配置して、余白はこれぐらいで…とか、みた人の心を動かすためには画面全体をどうすればいいか?を細かいところまで考えるのが「構図」です。

描く人のセンスとか感覚的なものがすごく重要なものですが、とはいえ、今までこの世の中にはたくさんの絵画作品が生まれてきてて、その中でこういうふうにしたらだいたいこうなるよっていう、理論的なものもあります。

本日はその理論的なところを深掘りして解説します。

要約すると、たくさん絵をみてたくさん引き出しを作れば、構図はうまいことまとまるので、思いつかない!ってなる場合は引き出しが足りてないだけっていうお話です。

 

構図の考え方①メッセージを明確に

1枚の絵を描く時に大切なのは、「その絵をみた人にどういう感情になってもらいたいか?」を自分の中でハッキリと明確にすることです。

さっき。「絵画の目的は、人の心を動かすためにある」と、いいましたが、具体的にどういう感情になってもらいたいかを考えることで、より構図をどうしたらいいか?がハッキリみえてくるのです。

 

たとえば。

わかりやすいので絵じゃなくて「写真」をつかって解説します。

ネットで拾ってきた1枚のこんな写真がありますが、これをどこでどう切り取るか、でみえ方が全然変わってきたりします。

この写真のメインは赤ちゃんの誕生を心待ちにしている、幸せいっぱいの夫婦です。

もうすぐ産まれそうなお腹の中の赤ちゃんを優しく撫でるママと、赤ちゃんの靴を持って隣りで歩くパパ。ママの手はパパの手に重なって、すごく幸せそうな夫婦の写真です。

ふたりの後ろから照らす太陽の光が漏れてる感じがまたなんとも、ふたりの幸せを祝福してるような雰囲気を醸し出しています。

 

この写真で伝わってくるのは「家族の愛」とか、そんな感じのメッセージが込められているのかなと思います。

 

じゃあ。

 

同じ写真を使って、構図を変えるだけでまったく違うメッセージの写真にしてみましょう。

さっきの写真を、縦横の比率はまったく同じで、ズームアップしてみました。

この構図だと、メインは夫婦ではなく。赤ちゃんの靴になります。

 

そして手を繋いでるのが男女だっていうのは、服装とか手の雰囲気でなんとなくわかります。

あと指輪もしてるし、夫婦かなっていうのも想像がつきますよね。

 

でもね。

 

この構図だと、女性が妊娠してるのかどうかの確認がとれないのです。

 

なので。赤ちゃんの靴を持ってはいるけれど、それが誕生を心待ちにしてるのか、はたまた何かの事情で亡くなってしまって、形見の靴を夫婦で持ってるのかがわかりません。

 

前者だったらさっきと同じように幸せいっぱいの構図ですが、後者だととても悲しい感じの構図になります。

 

こんな感じでズームアップしてその構図のメインが変わることでメッセージが変わることを、「フレーミング(どこをどんな大きさで切り取るか)」って呼んだりします。

んで、ついでに目線の高さも若干変わってますよね。

これは「アイレベル(目線の高さ)」って言います。

 

構図の考え方②細かい設定を考える

 

幸せいっぱいの構図がとても悲しい構図に変身しました。

 

ただ。

これだけだとこの写真をみた人全員に悲しいメッセージが伝わるかどうかが微妙な感じがします。

 

っていうのも、やっぱり元は幸せいっぱいの夫婦の写真なので、その雰囲気というか、空気感みたいなものはどうしても残ってしまいます。

 

なので、ここからいろいろいじくってみて、これがどうしたらもっと悲しい構図になるのか、を考えてみましょう。

写真と絵の決定的な違いはココです。

 

写真は構図を変えようと思ったら被写体そのものに何かしらの変化を加えないと成立しません。

でも絵は頭の中に浮かんだイメージをそのまま描写できるという強みをもっています。

なので、もっと「悲しい」構図にするのだとしたら、たとえば、靴をちょっとボロボロにしてみたりとか、背景の光が漏れてる感じをなくしてみたりとか、雨を降らせてみたりとか、全体がカラーなのをモノクロにしてみたりとか、細かい設定を変えることで、より「悲しい」イメージを強調できます。

それを写真でしようと思ったら靴を変更しないといけないし、場所も移動して雨を待たないとそういった写真は撮影できません。

構図の考え方③思いつかない時の対処法

 

構図が思いつかない原因は主に

 

・引き出しがない

・知識不足

・原点を見失っている

 

この3つが挙げられます。

 

構図が思いつかない原因:引き出しがない

 

人はゼロから何かを創作することってたぶん不可能な生き物なんです。

人類でいちばん最初に絵を描いた人だって、何かをみてそれをなんとか形に残そうとしたのが始まりで。

じゃあその何かをみながらとか、頭の中に残ったイメージをもとに絵を描いたハズで、自然のものがヒントになっています。

なのでまったくのゼロから生み出したわけではなくて、自然のものをフレーミングして切り取ってるだけにすぎないのです。

 

そこから現在に至るまで、いろんな作品が生まれてて、それだけの数の構図がたくさん存在しています。

世の中の絵描きの人たちはそのたくさんの絵の構図をヒントにして、自分なりのオリジナルの構図を考えたり、時にはマネしてみたりしながらいろんな作品を生み出してきました。

 

構図が思いつかないのはいろんなパターンを知らないのがひとつの原因です。

いろんなパターンを自分の中で記憶しておけば、それをマネしてみたり、あれとあれを組み合わせたら面白い作品が生まれるんじゃないか、とか、いろいろアイデアが出てきます。

 

先人の絵描きの人たちのおかげで、たくさんの構図が世の中にあるので、まずはそれをたくさんみたりふれたりすることで「引き出し」が増えて、その引き出しの中からこの時はこう、この時はこう、みたいな感じで引っぱり出してきて自分の作品に当てはめてみる。

 

そうやって自分なりの構図は生まれてきます。

 

後は日常生活の中でたくさんヒントが転がってたりします。

ネットで動画をみてる時、街を歩いてる時、テレビをみてる時、などなど、あらゆるところにヒントはあります。

常にアンテナを張っておいて、それをスマホで写真に収めるもよし、スケッチブックにサササッと描くもよし。

何かしらで形に残しておいて、後でそれをヒントに絵を描いてみる、とか、そんなことも面白いんじゃないかなと思います。

 

中でもテレビとかYouTubeとかのCMはインパクトあるものが多いので、参考になります。

 

そんなことをして、少しずつ構図の引き出しを増やしていくと後ですごく役に立つのでぜひやってみてください。

 

 

構図が思いつかない原因:知識不足

 

引き出しと共通するところがありますが、構図には人の目に留まりやすい、感動しやすいと言われている定番の「型」みたいなものがいくつか存在します。

それはいわば、いろんな絵描きの先人たちが積み上げてきた数々の作品の中からみつけ出した「共通点」です。

この型に当てはめるといい作品に仕上がるよね、っていう。

 

なので、構図に迷ったらとりあえず定番の型に当てはめて考えてみる、っていうのも面白いんじゃないかなーと思います。

 

 

三角構図

 

ひとつめは「三角構図」です。

ひとつの画面の中に三角形になるようにモチーフを配置すれば、人は良い印象を受けやすい、と言われてるものです。

 

こんな感じに三角形に収まるような配置にすると、イイ感じに安定するのです。

芸術の世界では「3」という数字がいいみたいです。次の三分割法も数字の「3」です。

 

三分割法

今度は画面を3つに区切る三分割法と言われてるテクニックです。

縦横に3等分した線で構図のバランスをとります。

線の上とか線の交点にモチーフの顔とか、重要な部分を配置することで、バランスのとれた構図に仕上がります。

線の上に地平線とか水平線を入れたりするのもいいと思います。

 

真ん中よりもちょっと上

 

画面を横に2分割した線よりもちょっと上に人は視線がいきやすいので、そこらへんに顔とか重要な部分を配置するとイイ感じの構図に仕上がります。

 

 

アオリ

 

下から上に見上げるような構図のことを「アオリ」といいます。

モチーフを大きくみせる効果があるので迫力満点の力強い構図になります。

 

 

フカン

 

アオリと反対に上から下へ見下ろすような構図のことを「フカン(俯瞰)」といいます。

全体の位置関係とか状況を伝えやすい構図です。

イラストの構図 俯瞰、アイレベル、あおりについて | フリーランスデザイナーSHIMAのライフブログ

黄金比

縦:横の比が1:1.618「この世で最も美しくみえる構図」と言われています。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」なんかもこの比率で描かれています。

フィボナッチ螺旋図なんて呼び方もあります。

 

トンネル構図

 

画面に奥行き感を演出したり、立体感を出すために障害物を手前に置く構図です。

 

シンメトリー構図

 

左右、上下が対称になっている構図です。

鏡富士はシンメトリー構図になっています。

 

画面を縦にするのか横にするのか

 

絵を描く画面を縦にするか横にするかでも印象がかなり変わってきます。

縦にすればモチーフをクローズアップしてみせる効果が生まれます。

 

横にすれば全体をみせる感じになって、モチーフがメインではなく、あくまで全体の中のモチーフ、といった印象になります。

 

 

↑こんな感じでモチーフや水平線をあえて画面に対して斜めにすることで、動きのある構図にすることもできます。

 

だいたいこんな感じが定番の構図の型です。

 

この通りにやればいい構図になるとは限らないですが、迷った時にやってみて、そこから何か新しいアイデアが生まれてきたりもするので、覚えておくといいと思います。

 

構図が思いつかない原因:原点を見失っている

 

構図が思いつかない原因のひとつにそもそもの目的を見失ってしまってることが挙げられます。

何のために構図を考えているんだ?という。

冒頭でもお話しましたが、絵の目的は「みた人の心を動かすこと」です。

そのためには「構図」のことを細かくアレコレ考えた方がいいよね、っていうだけで、目的を果たすためのひとつの手段にすぎません。

極論、感覚だけでバチコンとイイものが決まれば構図のことなんて何も考えなくていいのです。

 

それなのに、「構図」ということだけにとらわれすぎて本来の目的を見失ってしまって迷路に入ってしまってるパターンです。

 

料理でいうと、何の料理を作るかを忘れてるのに、盛り付けをキレイに整えようとしてるという、意味不明な状態です。

なので、まずはその絵の目的は何なのか?を今一度思い出して、よく考えてその上で構図をどうしたらいいか、を考えるといいと思います。

 

構図はマネが大事

 

構図を考えるのは「人の心を動かす」のが最大の目的です。

 

なので、まだ引き出しが少ないうちは、他の人が描いた絵とか、写真とかをみて、「こんな構図ステキだなぁ…」と思える構図をマネすることをすればいいと思います。

 

モチーフごとそのままマネするのもよし、モチーフは変えて配置だけをマネするのもよし。

 

自分自身が感動した構図なので、描く時もワクワクしながら描けるはずです。

 

もし、ワクワクしないなら、構図以外の何かしらの足りないものがある証拠です。

 

絵は芸術なので、いちばん大切なのは「心が動くこと」です。

まず自分の絵で自分の心が動かないことには自分以外の人に胸を張ってみせることができません。

 

なので、「自分自身が感動する」っていうことは忘れずに構図を考えてみてください。

 

まとめ

 

以上、構図の考えかたでした。

構図が思いつくかどうかはたくさん考えてたくさん描くことです。

少しずつ積み重ねていけばその力はドンドンついていきます。

 

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