絵の構図は才能か?思いつかないのは○○が足りてない

こんにちは。水墨画家のDと申します。

今回は「絵の構図」というテーマで能書きをたれていこうと思います。

絵の構図がよくわからない。

構図のレベルを上げたい。

構図が思いつかない!!

 

こんな悩みが出るってことは真剣に絵と向き合ってる証拠です。自分のオリジナルの絵が描きたい!という気持ちがあるからこそこんな悩みが出てくると思うのでそれってすごく素晴らしいことだと思います。

結論から言うと構図って考える量が多ければ多いほど湧き出てくるものです。これは才能でもなんでもなくて、磨けばなんとでもなるのでご安心ください。

わかりやすいので野球でたとえると、素振りを朝昼晩500本ずつ、1日1500本を毎日欠かさずやる人と、1日に素振り100本だけを1日置きにやる人がいたとします。

どっちがホームラン打ちそうですか?明らかに前者ですよね。

絵もこれと同じで、24時間365日ずーっと絵の構図のことを考えてる人と紙を置いた机の前でだけ絵の構図のことを考えてる人だと、前者のずーっと考えてる人のほうがいい構図を思いつくんです。

 

これだけの違いなんです。絵と野球で決定的に違うところは、体を動かさなくても練習ができるところで、野球の素振りみたいに体を動かさないと成果が出ないわけじゃないんです。机に向かってるときだけ考えててもいい構図はなかなか出てきてくれません。

構図のヒントになるものは家の中、街を歩いているとき、至るところに転がっていて、突然ヒョコッと顔を出したりします。

常に構図のことを考えてアンテナを張り続けていればヒョコっと顔を出した瞬間を見逃さずに「あ、これ使えるかも!」ってなります。

 

昆虫大好きな少年がめったに見られない虫を捕まえるためにいつでも虫取り網を持ち歩いてるようなものです。

常に虫取り網を持って臨戦態勢を整えていれば、いつどこで出てきても捕まえることができます。

今回は絵の構図を考える上で大切なことを詳しく解説していきます。

 

 

構図が思いつかない原因

 

絵を描くうえでわりと重大なウエイトを占めている構図ですが、いざ自分で考えるとなるとなかなか思いつかないものです。そこでただ漠然と考えるよりも構図ってナニ?をさらに分解して考えてみることで答えに近づいていけそうです。

写真を撮ることを想像してもらえるとわかりやすいのですが、ひとつのシーンのどこをどう画面に収めるか、が構図です。

その絵をみた人をどんな感情にさせたいか、が構図によって変わってきます。

たとえば「家族」をテーマにしたとき、

 

こんな構図だと仲のいい夫婦が手をつないで赤ちゃんの靴を持っていて、もしかしたら疲れて寝てしまった赤ちゃんをパパが抱っこしてるのかも、とかいろんな想像ができて、みた人によってその先は変わってくる構図です。

 

 

同じ写真をこんなふうにズームアウトした構図だと、お腹が大きいので赤ちゃんはまだ生まれてなくて、生まれてくるであろう我が子を楽しみに待ちわびている幸せいっぱいのパパとママになります。

こんなふうに切り取りかたでみた人の思考が全然変わってくるのが「構図」です。

 

構図は「フレーミング(どこをどんな大きさで切り取るか)」と「アイレベル(目線の高さ)」。おおよそこのふたつで成り立つものです。

構図が思いつかない原因を挙げるとするなら、

①そもそもストックがない・引き出しがない

②原点を見失っている

③知識不足

こんな感じでしょうか。

ひとつずつ解説していきます。

 

①そもそもストック・引き出しがない

大半の人がこれじゃないかと思います。

いろんなパターンの構図のパターンがないとオリジナルの構図なんて生まれてきません。オリジナルはいろんな人の要素を混ぜ合わせてできていくものです。何もないゼロの状態からはなかなか生まれてきにくいものです。

自分の中にいろんな構図のパターンがあれば「あれをマネしてみよう」とか、「あれとこれを組み合わせたら面白いんじゃないか?」などなどいろいろ出てくるハズなんです。

ストックをためるには日々の生活の中でたくさんたくさん考えて、常にアンテナを張っておくことです。

たとえばネットで画像検索してるとき、テレビをぼんやりみてるとき、街を歩いているときなどなど、自分でこれイイ!って思ったものをその瞬間にスマホでカメラに収めます。

画像検索はスマホでみれるし気になるところがあればスクリーンショット、もしくは画像を保存してスマホに収めます。

テレビなんかはまさに構図の宝庫です。ネットの画像検索は自分から探しにいくのでわりと偏ってしまいがちですがテレビは自分の想像の斜め上をいくこともけっこうあります。

中でもCMなんかはインパクトあるものが多いので面白いですよ。

街を歩いているときにもポスターとかが目に留まったりすることがあります。それを写真に収めます。

それをあとで見返して構図を考えるときの参考にしたりします。

CMは「これ面白い!」と思った瞬間にスマホを取り出してカメラを起動させて、ってしても準備ができたときにはそのCMが終わってたりします。

そんなときはYouTubeで「○○CM」とかで検索すれば出てきたりします。なので最低限何のCMだったかを必死で覚えてください。

この「ストックをためる」のには常に自分の「構図アンテナ」を稼働させておかなくちゃいけません。何か自分の絵のヒントになるものはないか?という意識を常に持っておいてその瞬間に備えておくのです。

常に虫取り網を持っておくのです。

②原点を見失っている

これも多いですね。そもそも何のために構図を考えているのか、を忘れてしまっています。

構図を考える最大の目的は観た人の心を何かしら動かすことです。

それなのに構図ということだけにとらわれてしまって訳が分からなくなって迷路に入っちゃうパターンです。

最初は自分で描いた自分の絵に感動したハズ。それを人に見せたときに喜んでもらってそれが嬉しくてまた描きたい!ってなった。

絵を描こうと思ったきっかけってそういうことだったはずです。

今一度思い出してください。

そもそも何のために絵を描いているのかを。

 

③知識不足

構図には人の目に留まりやすい、感動しやすい「定番の構図」があります。

こういうのを知識として持っておくと役に立ったりします。いくつか紹介します。

三角構図

 

定番ひとつめ「三角構図」。ひとつの画面の中に三角形があれば人はいい印象を受けやすいと言われているものです。

こんな感じです。

バランスが良いといわれているのがこんな構図です。モチーフがうまく三角形になってますね。

アートの世界では3という数字が基本原則みたいな風潮があったりします。世界的に有名な絵画作品でもけっこうこの三角構図を見かけます。

ダヴィンチのモナリザとかボッティチェリのビーナス誕生とか。

 

三分割法

 

また出てきました。数字の「3」。今度は分割です。こんな感じです。

2分割するよりも3分割のほうがバランスがよく見える、というやつです。

画面を3分割にして線が交差する点の部分にモチーフを配置するとバランスが良く見えるといわれています。

 

黄金比

 

黄金比は1対1.618の比です。「最も美しく見える構図」と言われています。

レオナルドダヴィンチのモナリザもこの比率で描かれています。フィボナッチ螺旋図なんて言われたりもしています。

トンネル構図

画面に奥行き感を演出したり立体感を出すために障害物を手前におく構図です。

富士山と桜なんかがこの構図だったりします。#じゃあその写真だせよ

シンメトリー構図

左右、上下対称の構図です。

鏡富士なんかがこの構図ですね。

縦にするのか横にするのか

絵を描く画面を縦にするか横にするかだけでもかなり印象は変わってきます。縦にすればモチーフをクローズアップして見せる効果が生まれます。

横にすれば全体の中のモチーフといった感じでモチーフだけがメインではなく、あくまで全体の中のという印象になります。

また、画面に対して平行である必要はありません。あえてモチーフとか背景を斜めにすることで躍動感を生むこともできます。

上の絵がそんな感じです。

 

だいたいこんな感じが定番中の定番の構図です。

これのとおりにやればいい構図になるとは限らないですが、参考程度に覚えておくと便利です。

 

構図を考える力をつけるには出すことも大事

 

絵の構図を考えるには、ただボーッとしているだけでは何も生まれません。

さっきも言ったように自分から動いて感動するものを探すことが大切です。いろんなもの、絵でも写真でもなんでもいいです。

静止画でなくても、漫画やアニメ、映画やドラマ、テレビ、なんでもアリです。

ひとつの画面におさまってるものならなんでもヒントになります。

それをスマホに収めて自分の引き出しにストックしていきます。

ある程度たまってくると自分が絵を描くなら、ということに意識を置いて探すようになります。

自分が描くことを前提にして構図のことを考えていると、あるときフッと何の突拍子もなく面白い構図が頭の中にひらめいたりします。

それをメモするんです。ミニスケッチブックでも、メモ帳でもなんでもいいです。ラフもラフです。殴り描きです。できるだけ画面を小さくするといいです。(大きいと時間がかかるのでひらめいたものを忘れてしまいます。)

ひらめいたものを頭の中に留めておくだけじゃなくて、その場ですぐに外に出すんです。そしてすぐノートを閉じます。脳ミソをリセットするためです。

それを後から見たときになんじゃこりゃ?と思うものもあれば改めて見てもこれは素晴らしい!と思えるものも出てきます。

改めて見たときに素晴らしい!と思えたものはたぶん今後いつみても素晴らしいと思える作品になります。

そうやってドンドン自分の外に出していくことで構図を考える力がついていきます。

 

まとめ

 

以上、構図の考えかたでした。

構図が思いつくかどうかはたくさん考えてたくさん描くことです。

少しずつ積み重ねていけばその力はドンドンついていきます。

 

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