絵を学ぶためには美術系大学に入るのがいいのか、専門学校に入るのがいいのか。
はたまた独学でやるのがいいのか。
それぞれメリット・デメリットがあるので、どの道を行くのが自分に合ってるのか、自分の成長につながるのかを考える道しるべになればと思います。
美術系大学・専門学校のメリット
美大も芸大も基本的には同じです。
ちょっと違うのは、芸大は絵の他にも音楽、建築、舞台、映像、写真などなどいろんな分野の学部があって、総合的な芸術が学べるという点。
どちらも最初の2年間は一般教養を受講して基本的な知識や文化も学べます。
参考⇒東京藝術大学
一方で専門学校は基本的に2年間のカリキュラムなので、実践的な即戦力を養成することに重点が置かれています。
美術系大学・専門学校のメリット①環境が整っている
まず美術系大学・専門学校のメリットは絵を描くための環境が整ってることです。
絵を描くために必要な画材や道具が揃ってるので、だいたいの絵画は描けます。
美術系大学は敷地も広くていろんなジャンルの絵画を描くための画材や部屋が完備されていています。図書館なんかもあったりして、普通ではお目にかかれないような本もあるので、いろんな知識が身につきます。
専門学校は美術系大学に比べるとデジタルソフトを使う機会が多いのでそういった知識や技術を学べます。「イラスト専門学生はデジタルスキルが高い」と言われることも。
そういった絵を描くためのあらゆる機材を好き放題使えるのも素晴らしいところです。
そんな環境がバッチリ整っているところが美術系大学・専門学校のメリットのひとつです。
美術系大学・専門学校のメリット②いろんな人との出会いがある
美術の学校なのでその分野のスペシャリストがたくさん集まる場所です。
同じような志を持った学生がいて、刺激を受けたり与えたりして切磋琢磨できます。
絵を描くことは基本的にひとりなので孤独との戦いでもあります。
そんな時に仲間がいて、相談できるというのは絵描きとしても人間的にもすごくプラスになります。
他にも、各分野で活躍するプロのアーティストが講師として教壇に立ったりするので、プロのレベルの高い知見に触れることができます。
そんな人に相談したりいろんなことを聞いたりできるのも魅力的。
そんな感じでいろんな人と出会いがあるのも美術系大学・専門学校のメリットのひとつです。
美術系大学・専門学校のメリット③絵に没頭できる
自分の絵に没頭できるのも素晴らしいところです。
美術系大学・専門学校は授業の半分以上が実技で構成されているので、自分の作品づくりに専念できるという、絵描きにとっては天国のような場所です。
美術系大学では解剖学、生物学、美術史など、美術に関連したものも学べる機会が多く、自分の作品づくりに役に立ちます。
自分のやることに集中できるのも美大・専門学校のメリットのひとつです。
美術系大学・専門学校のメリット④卒業後の選択の幅が広がる
美術系大学・専門学校は美術系、デザイン系の就職の道があります。
カーデザイン、アニメーター、広告業界などは美大卒の人が多いし、専門学校では定期的に出版社や企業が学校を訪れて新人を探したりしています。
そこに自分の作品を持ち込んで就職することも作家としてデビューすることもできます。
そこでうまくいかなくても、郵送で審査してもらったり、アシスタントとして作家に紹介してもらえることもあります。
他にも課題作品をそのままコンペに出して賞をとったりすれば、露出が増えていろんな業界とのコネクションができたりもします。
美術系大学・専門学校にはそんなメリットもあります。
美術系大学・専門学校のデメリット
美術系大学・専門学校のデメリット①同級生と比べてヘコむ
メリットのひとつに同じ志の学生がいることがありましたが、同級生のレベルが段違いだったりすると自分が落ち込みます。
そこで悔しいと感じて自分を磨くという方向にもっていければ素晴らしいですね。
美術系大学・専門学校のデメリット②放任主義
美術系大学・専門学校はそれまでの学生生活とは違って学校側や講師などが学生に干渉してくることは少なく、自由度が高いです。
言い換えれば何事も自分次第ということで、サボってしまうと自分の成長にはならないし、積極的に講師や教授にアドバイスをもらいにいったり、同級生と意見交換したり、自らアクションを起こせば自分にとってプラスになります。
そういう危険もはらんでいます。
美術系大学・専門学校のデメリット③学費が高い
美術系大学・専門学校は学費がベラボーに高いです。
年間100〜150万以上かかる学校が多くて、大学だとそれが4年間なので軽く600万を超えてきます。
専門学校は年数的には大学よりも短いですが、それでも2〜3年なので300万以上は学費がかかります。
学費だけでそれだけかかる上に、作品づくりに必要な画材や教材にも費用がかかったり、大学に入る前の予備校にも年間50万円ぐらいかかったりします。
そんなお金の面で躊躇してしまうこともデメリットのひとつです。
美術系大学・専門学校のデメリット④作家として活躍できるとは限らない
美術系大学・専門学校の卒業後はデザイン系の就職や作家としてデビューの道がありますが、そこにたどり着けるかどうかは自分次第です。
自分のやりたいこと、将来どうしていくかをしっかり決めて、まわりに流されずに積極的に行動する必要があります。
美術系大学・専門学校のまとめ
美術系大学・専門学校は環境が整っていて、コネクションが作りやすいところが最大のメリットです。
デメリットもいくつか挙げましたが、基本的には自分次第のものが多く、学費以外のところはとらえようによってはすべてがメリットにもなります。
自分のやりたいことが明確になっていて、かつまわりに流されない強い意志を持っていれば美術系大学・専門学校に通う価値はじゅうぶんあります。
一方、独学はというと。
独学のメリット
独学のメリット①自由
独学のメリットは基本的に自由なところです。
「学校に行かないといけない」という強制がないので、いつでも自分の好きな時に学ぶことができます。
そして通学がないぶん、その時間を画力向上に充てられるのは素晴らしいところですね。
ネットや本を最大限利用すれば美大や専門学校にも引けを取らないぐらいの知識を得ることもできるので、そこらへんもそんなに問題ないかと。
独学のメリット②お金がかからない
独学の最大のメリットはこれでしょう。
お金が一切かからない。
もちろん画材を揃えるための費用はかかりますわよ。
他にはネットを利用したり、本を買うための費用は多少かかりますが、美術系大学や専門学校に比べると破格のお値段です。
ひたすら絵を描いていれば画力は勝手に上がっていくので、そこにお金は一切かかりません。
独学のメリット③自分だけの世界観を作れる
独学は基本的にひとりで絵を学ぶので自分の世界だけに閉じこもることができます。
それをメリットととるかデメリットととるかは人によりますが。。。
なので人と比べてヘコむこともないし、まわりに流されることもありません。
自分の世界観をしっかり持ってる人にとっては独学はメリットしかありません。
独学のデメリット
独学のデメリット①質問する場がない
独学は基本的にひとりで全部やらないといけないので、人と接する機会がありません。
なのでわからないことがあっても誰にも聞くことができないのがデメリットです。
基本、全部自分で解決するしかありません。
近くにそういった人がいれば聞くこともできますが、いない場合は自分で何とかするか、ネットを使えば人と接することができるので、質問をぶつけてみたりすることも可能です。
独学のデメリット②時間がかかる
独学は自分で全部やらないといけないので、例えば練習方法が間違っていたとしてもそれを指摘してくれる人がいないので、自分で気づくしかありません。
学校に行っていれば講師や他の同級生が指摘してくれたりするので、時間短縮できますが、独学ではそういうことは皆無なので、すこぶる時間がかかってしまうことがあります。
独学のまとめ
ごらんのように、独学は良くも悪くもすべてが自己責任です。
自由に学べる反面、すべて自分次第なのでサボってしまう人には向いていないかもしれません。
でもお金もかからないし、強制されることもないので、引きこもりタイプの自由人には独学がピッタリです。
まとめ
絵を学ぶのは学校に行っても行かなくても基本的には自分の努力次第です。
学校に行けばお金がかかりますが、環境が整っているし、まわりの人との交流が生まれて刺激をもらえたりできます。
それを自分でどう生かすことができるか。
独学は環境も交流もないし、時間はかかりますが、お金がかかりません。ネットを使えば情報は吸収できるのでいくらでも学ぼうと思えば学ぶことはできます。
どちらを選ぶにしても良いところもそうでないところがあります。
どの道が自分に合っているかをしっかり見極めて後悔のないようにステキな絵描きライフを送ってもらえたらと思います。
それじゃーまた〜。
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