水墨画の価値はどんどん上がっていく

水墨画の価値ってどれぐらいなんだろう?と気になったので考察してみました。

たとえば有名な画家・雪舟の水墨画は国宝になっている作品もあって、ウン百万円~ウン億円もの値段がついたりしています。これは歴史的な価値も付与しているのでこんなべらぼーな値段がついています。

近年「日本の伝統」そのものの価値が上がっていってるような感じがしているので、水墨画の価値もそれに付随して上がっていくのでは?と密かにニヤニヤしております。

おもてなしの歴史が価値を生む

 

昭和、平成、令和。。。時代がどんどん移り変わり、希少価値がどんどん高騰している日本という国の文化。来日した諸外国の方々が、こぞって日本の文化をSNSにあげたりして「日本すごくね?」ってなってくれています。

中にはなかなか来日できないけど、日本という国の文化に憧れているという外国の人も少なくありません。ありがたや。僕たち水墨画を描く人間にとってもこんなふうに日本文化にスポットライトが当たるというのは大変ありがたいことだと思います。

島国というただでさえ閉鎖的な立地条件の上にさらに鎖国という政策で国をあげて外からの情報を一切遮断してきたわが国「日本」。鎖国はどっちかというとネガティブなイメージで捉えられがちです。実際に当時の諸外国の方々は皆さんこぞって「開国しろや!」と煽ってらっしゃいました。

でもこの徹底的な鎖国によってこそ生まれ、発展していったものもたくさんあるように思います。

相撲、歌舞伎、落語、将棋・囲碁、宮大工、陶芸、、、。

これらは日本特有の伝統的な文化で、絶えることなく僕らを楽しませてくれています。ほかにもたくさんありますが、完全に僕の主観でいくつか挙げました。

これらはいろいろなメディアで取り上げられて僕らを楽しませてくれています。ほかにもサムライとか藍染なんかも日本ならではの文化ですね。

それぞれ歴史も深くてだいたい500年とか1000年とかぐらい続いてるものばかりです。サムライはさすがにもう存在していませんが、その魂は受け継がれています。サムライJAPANとか。ラストサムライで映画化されたりとか。

相撲なんかは1500年ぐらい続いてると言うからすごいですよね。そんな深い歴史もさることながら日本という国のスゴイところはなんと言ってもそこら中に思いやりの心が散りばめられているところ。これは世界各国でも群を抜いています。東京五輪を決定づけた「おもてなし」も記憶に新しいです。

そのおもてなしの精神はただただお客をもてなすサービス精神だけにとどまらず、技術を昇華させるという点において素晴らしい効果を発揮しています。日本人の得意分野です。外国から伝わってきたものをただ模倣するのではなく、自分たちのやりやすいように見事に工夫してアレンジしています。めちゃくちゃわかりやすいのでいうとラーメンとかカレーとかです。ラーメンは元々は中国だし、カレーはインドです。

それを日本人の好みに合わせて勝手にアレンジしたものが現在では定番中の定番になっています。学校の給食にも出てきて子どもたちに大人気の献立です。特にこの2つは今となっては外すことができない日本を代表する文化にまで成長しました。

ほかにもアニメとか漫画なんかは世界各国でかなり高い評価を受けていますが、やっぱりどれも根底にあるのは「楽しませたい」っていう思いやる心だと思います。それをずーーっと長い歴史の中で守り続けてきたからこそ、今日本の文化には価値があると思うのです。

 

 

 

水墨画の価値とは?

 

さて。

そんな中、水墨画は?というと、こちらも歴史は深く、およそ1000年もの歴史があります。墨の黒と紙の白で描かれた白と黒の世界は日本人の心に深く根付いている「わび・サビなどの質素さを好んだり、茶道、華道の人をもてなし、心を落ち着かせる文化」にも通ずるところがあります。そんな日本ならではの魅力がたくさん詰まった水墨画。日本が誇る代表的な水墨画家・雪舟を筆頭に伊藤若冲、横山大観、などなど、たくさんの水墨画家さんがいらっしゃいます。

皆さん今から100年以上も前の人たちです。

この水墨画家さんたちの作品のクオリティはもちろんのこと、「歴史」という付加価値もついているので、たった1枚の絵にもべらぼーな値段がついたりしています。

ただ、日本という国は「芸術」そのものにそこまで価値を感じる人はまだまだ少なくて「絵」そのものよりもしそれ以外のところをみようとします。さっきの雪舟とか横山大観は「歴史」という付加価値がついています。雪舟なんかは「国宝」にもなっているので、大半の人はそういうところに価値を感じるわけです。これは水墨画に限ったことではなく、絵画全体に言えることです。どんなに作品が素晴らしくてもどこの誰だかわからない人が描いたような絵は買わないでしょう?

たとえばテレビでよく見るような人が描いた絵とかだと「有名人」という付加価値がついてきます。日本人はどちらかというとそっちのほうが価値を感じるのです。でも全員がそうかというとそうでもなくてちゃんと「絵」そのものをみてくれる人は存在しています。

 

僕の話で恐縮ですが、僕の水墨画作品にもそれなりに価値を感じてくれる人は少なからずいらっしゃいます。大きいサイズの原画には1枚40万〜60万、高いものだと100万の値段がついたりしています。

僕の絵には歴史的な価値も、有名人という付加価値も一切ありませんが、買ってくれた人たちはそんなところはまず絵をみてその絵が気に入ったら、その次に僕の人柄、生き様、どんな人生を歩んできたのか、をみて判断してくれています。

この絵は910mm×727mmというけっこう大きめのサイズの絵ですが、これをみて気にってくれたご婦人に50万円でって言われたときはさすがに自分でもちょっと引きました。「マジか!( ゚Д゚)」と。でもそれだけの価値を感じて値段を決めてくれているのは買う人です。

僕はある程度の値段を決めているだけにすぎませんでした。この絵にそこまで価値はないという人ももちろんいると思います。それは人それぞれなのでそれに対して僕がどうこういうことはできません。

でも、そんなふうに言ってくれる人が一人でもいると、かなり自信がつきます。僕の絵を認めてくれたんだという、素直に嬉しい気持ちです。それからというもの、自信がついて決して安売りはしないと心に決めました。描き始めた当初は自信がなかったのでかなり安く設定してしまいました。それが今となってはこんなに価値がつくとは思ってもみませんでした。このできごとをきっかけに僕は自分の水墨画にはちょいと高めに値段設定をすることにしました。

 

水墨画の価値=絵の価値です。

なんだか今後「芸術」自体の価値がドンドン上がっていくような気がしています。

水墨画の価値もそれに合わせて上がっていくと思います。というか僕が上げます。

東京五輪、大阪万博という大イベントが控えている中、水墨画を含めた日本の文化はますます注目の的になっていく・・・。

そんな予感がします。