水墨画にエンピツの下描きはアリ?ナシ?

水墨画って下書きしていいの?ネットとかで調べても下書きはしないと書かれているけどどうなんだろう?

こんな疑問にお答えします。

結論からいうと下書きがダメだなんていう決まりはどこにもありません。

誰かが勝手にそう決めたものが知らず知らずのうちに浸透していった、という感じです。

 

水墨画でエンピツでの下描きはなぜダメなの?

 

一般的には水墨画ではエンピツでは下書きをしないという風潮があるようです。僕が水墨画を始める前に調べてみたらそんなことが書いてありました。

僕は独学で水墨画を学んだので誰かに直接聞いたわけでもなんでもないのですが、水墨画という文化はわりと閉鎖的な世界だと思うんです。それがいいか悪いかの話ではなくて、水墨画が日本で独自の発展を遂げてきたのは島国で閉鎖的だったから、というのは間違いなくあると思います。

なのでそんな風潮が生まれたのはもうどうしようもありません。日本の歴史に文句を言っても何もならないしそれがあるから今があるので。

下描きをしない理由

 

その①和紙に描くのが一般的

 

水墨画は一般的には和紙に描きます。和紙は薄いものが多いのでたとえばエンピツで下描きをしたとしたらあとで消しゴムで消すときに紙が傷ついてしまうリスクが高くなります。

消しゴムで消すという作業は紙にかなりの負担をかけてしまうので下描きはしないということになっていったのです。

その②筆を使うから下描きがジャマ

水墨画は筆の特性を活かして絵を描く絵画です。筆の特性というのは書道でいうはらったり止めをすることで、筆の形を利用して絵を描くことです。

たとえばこんな感じですね。

こういう描き方をするとむしろ下描きがジャマになってきます。いったん墨をのせてしまうと消しゴムで消そうと思ってもなかなか消えません。

むしろエンピツの線が完成したときに残ってしまって作品そのものを台無しにしてしまうおそれがあります。

だから下描きはしないほうがいいということになったのです。

 

下描きをする目的

 

僕の水墨画を描く手法は独学で試行錯誤しながら会得した方法なのでかなり独特です。なので下描きはめっちゃやります。

それには明確に理由があります。

全体のバランスをとる

 

どんなサイズの紙を使っても画面のバランスはとても大事なことです。

バランスひとつで作品の良し悪しがきまります。

関連記事⇒絵を魅力的なものにするために画面のバランスをしっかり考えよう

そのバランスを取るために下書きは必ずやります。水墨画はモノクロの世界なので構図が命です。

構図とバランスは密接な関係にあるのでこれをおろそかにすることは作品そのものをおろそかにすることなので遊びで描く以外は必ず下書きをしてから絵を描きます。

 

完成までの時間短縮

 

下描きをすることによって完成までの時間を短縮することができます。

というのもいきなり墨で描くと間違えてしまったらまた1からやり直しをしなくてはいけません。下描きをしておけば間違えることも少なくてすむので仕上げるまでの時間を短縮できるというわけです。

 

地球に優しく

 

下描きをすれば失敗が少なくなります。

失敗が少なくなるということはそのぶん紙を無駄にしなくてすむということです。逆に失敗するたびに紙をいちいち捨ててたら紙がもったいないです。

地球にも優しくありません。

こうした理由から僕は下描きをすることはすべてにおいてメリットしかないと考えてます。デメリットとしては、消しゴムのカスが出ることぐらいですかね。

あと、先ほど言ったように和紙では紙が傷ついてしまう可能性があるので、その場合は薄い墨で下書きをするといいと思います。

これは一般的にもけっこうやる人いるみたいですよ。

 

まとめ

 

エンピツでの下書きは作品を完成させるための準備です。より良い作品に仕上げるためには何をしてもいいと僕は思っています。

たとえそれが邪道と言われようが、最終的に作品を見たときに素晴らしいものになっていればそれでいいんじゃないでしょうか。

 

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