カゲ(陰影)の描き方・初級編:面を意識すれば立体的な陰影を描ける

おはよーございます。

Dです。

 

本日は「カゲの描き方・初級編」です。

 

まずはこちらをごらんください。

 

ただの円です。

 

このただの円がですね。

 

カゲをつけるとあら不思議。

立体感のある球体に大変身。

 

このようにですね、カゲは絵を描く上で非常に重要な役割を果たしてくれます。

 

立体感だけじゃなくて空気感とか雰囲気、そこがどんな場所なのかがわかったりとか、シチュエーションまで演出してくれるスグレモノです。

例えばこんな感じの絵だったら。

 

女の子がひとり立っております。そよ風が吹いてるんでしょうか。ちょっと寂しそうな雰囲気を醸し出していますね。

これにですね。

こんなカゲをつけたらどうでしょう?

こうなるとより哀愁が漂ってすごくノスタルジックな感じになるじゃありませんか。

んで女の子の後ろには夕焼けでもあるのかしらってぐらい脳内で勝手に補正してくれそうな感じじゃないですか。

 

同じ絵でもカゲをつけるだけでこんなにも表現が変わってくるんです。

 

そんなカゲの描き方を解説したいと思います。

目ん玉をひんむいてごらんくださいませ。

 

面を意識する

 

 

カゲは光が当たってない部分です。

白黒なのでカゲだけを描きます。

そうすれば勝手に光の部分が表現されるというミラクルが起きます。

光を描くためにカゲを描く

という言葉をスラムダンクとかバガボンドの井上雄彦氏がおっしゃっていたのですが、ホントにその通りだなぁと。

 

ちなみにその言葉はバガボンドのストーリーを表現するための発言だったので全然意味が違うんですけどねっ。笑

 

でも白黒の絵画においては、先ほどの球体みたいに、カゲを描けば残りの白い部分が自動的に光が当たってる部分になったりするので、まさにその通りだなーと深く感銘を受けた言葉です。

 

そんなことはさておき。

 

カゲは光が当たってない部分なので、光源からみたそのものの形がそのまま地面に映ります。

 

たとえばこの消しゴムだったら、画面の右上に光源があります。

光源からみた消しゴムの形はこう↓なっていて、それがそのまま地面の暗い部分になっています。

これがカゲですね。

 

これを描くってなった時に、光が右上から左下に向かって当たってるからカゲもその進行方向に合わせて線を描いてしまいがちです。

それが悪いとかそういうことではなくて、それはそれでいいんです。

 

でもちょっとした違いなんですけど。

 

光の進行方向に沿って線を描くんじゃなくて、地面の面に沿って線を描くんです。

こんな感じで。

っていうのも。

 

この消しゴムだと距離も近いし斜め上からみてるのでちょっと分かりにくいかもしれないんですけど。

 

地面って僕らの目からみたらこう、地平線みたいに横に長くなってるじゃないですか。

ちょっとわかりにくいですかね。笑

 

教室の床って四角い板を敷き詰めてるので、遠くからみるとこんな感じにみえるんですよ。

地面は言ってしまえばこの僕らの目線と平行な線をたくさん重ねたものだっていうふうに解釈できるんです。

 

特に絵は二次元の世界なので、そういうふうに解釈した方が奥行きを感じやすいんです。

 

なので。

たとえば人が立っててその後ろから夕日が当たってたら。

カゲって長く伸びるんですよね。

それをちょっと遠目からみた時に、

地面と垂直に線を描くよりも、地面と平行に線を描いた方がより自然な感じに仕上がるんです。

これは確実に好みの問題もあると思うんですけど。笑

 

僕的にはこんな感じで地面の面に沿って線を描いた方がイイ感じにみえるなーという話です。

共感していただけたらぜひやってみてください。

 

で。

 

面に沿って線を描くっていうのは地面だけじゃなくてモチーフ本体が暗くなってるところもそうです。

たとえば立方体。

これは地面に対して垂直に線を描くとイイ感じになります。

立方体はね。この線が斜めになったとしてもそんなに違和感はないんです。

でもこれがたとえば円柱とかになるとけっこう如実に表れてですね。

円柱のカゲを描く時は、地面のカゲは先ほどの通り地面に平行に線を描きます。

で、本体は丸い板がたくさん積み重なったものと考えます。

そうすると円柱の面ってこんな感じにみえるんですね。

これにそって線を描くんです。

そうするとすごく立体感が増します。

 

続きまして。

球体です。

球体はね。

けっこうどこに線を描いたらいいかがわからなかったりするんですけど。地球儀をイメージするとすごくわかりやすいです。

地球儀って緯度と経度の線が描いてあって、こんな感じで網目模様みたいになってるんです。

その網目模様に沿って線を描くと面に沿って線を描くことになるので非常に立体感のあるカゲを描くことができます。

こんな感じでですね。

面を意識して線を描くと立体感のあるカゲを描くことができます。

 

 

カゲにはふたつの種類がある

 

カゲにはふたつあります。

さっきの球体の絵だと、地面を暗くしてるのが影。

球体本体を暗くしてるのが陰です。

ふたつあわせて「陰影」です。

 

面白いですよね。

同じカゲでも漢字が違えば意味が全然変わってくる。

 

だからあえてカゲってカタカナ使ってるの気づいてくれました?笑

 

まーそんなことはどうでもいいんですけど。

カゲの描き方・初級編はこんな感じです。

中級編に続きます。

ご清聴ありがとうございました。

 

それではまた~。