【絵の描き方】アタリをとるだけで絵が上手く描けるようになる

こんにちは。水墨画家のDと申します。

今回は「アタリをとるだけで絵が上手く描けるようになる」というテーマで能書きをたれていこうと思います。

絵を描くとき、真っ白な紙にいきなり細かいところから描き始めるんじゃなくて、「アタリ」をとってから描くとバランスがとりやすくなるので失敗する不安がなくなります。

不安がなくなると心に余裕ができます。心に余裕ができると絵を描くときにワクワクする気持ちが生まれます。

ワクワクしながら描く絵ほど楽しいものはないし、ワクワクすると「描きたい!」っていう欲望がニョキっと顔を出します。

この「描きたい!」っていう気持ちが強ければ強いほど上達のスピードは格段に上がるっていう好循環がそこに生まれます。

アタリをとるだけで絵が上手くなるのはそんな理屈です。

アタリってなに?

 

さっきからアタリアタリゆーてますが、アタリをとるという言葉を聞いたことはありますか?

アタリとは、画面に対してバランスを取るために大まかな線を描いて位置取りをすることをいいます。

たとえばこんなのです。

これは人物を描くときに使うアタリで、丸と線で描いたカンタンな棒人間です。

こんなふうに棒人間だとシャシャっと描けて画面全体のバランスをとるのに大変便利です。

この時点でなんとなく雰囲気が出たときにゃあ「これをちゃんと描き上げたらどうなるんだろう?」っていうワクワクが生まれて好循環の始まりです。

 

こちらは顔のアタリです。

これは顔に十字の線を描くことで顔がどっちに向いているかをわかりやすくする効果があります。

ほかにもこうして線を引いておくことで目、鼻、口のバランスが取りやすくなったりします。

こんなふうに「アタリをとる」っていうのは素晴らしい作品に仕上げるためのきれいな道筋を作ることです。

家を建てるときに何もないまっさらな更地に木材で骨組みを作るのと似ています。

骨組みがあるからそのあとの壁を作ったり、窓をつけたり扉をつけたり、いろんな部品を取り付ける作業がスムーズに進みます。

 

プロの絵描きでもアタリをとります。

漫画家さんなんかがわかりやすい例かと思います。漫画家さんはペン入れをする前に下描きをします。下描きの前にアタリをとってます。

さらにその前にネームというストーリーの骨格を作ります。それは読者に素晴らしい作品を届けたいからです。

 

映画とかドラマでもそうです。

まず脚本を書いて台本書いてそれに合わせて何回も練習をして最終的にカメラに収める。

僕らの目に入ってくるものは最終的に出来上がった渾身のものですよね。そこに向かうための道筋を作ることがアタリをとるということです。

 

アタリをとることの重要性

 

仮にアタリをとらずに絵を描いた場合、どんなことが起こるでしょう。

それはまっさらな更地に骨組みもないところに家を建てようとするようなものです。骨組みがないとどこに何を取り付けていいのやらわからなくなってしまいます。

なのでたとえそのまま完成したとしても、あれやこれやとおかしなところが出てきたりします。

僕の作品でおかしなところがあったので出してみます。この絵はアタリをとらずに描いた馬です。

ぱっと見はそんなにわからないかもしれませんがよく見ると右前脚のところがおかしくなっているのがわかります。

この高さがずれたことによって、よくみればみるほど胴体と首のバランスがなんだかおかしなことになっていて、大変気持ち悪い絵になってしまいました。

アタリをとらずに描いた末路がこれです。なのでサイズに関係なく、アタリをしっかりとってから描くことをおススメします。

せっかく描いた時間と消費したエネルギーがもったいないことになります(´;ω;`)

 

しっかりアタリをとって描いた絵がこちらです。

左右は反対になっていますがしっかり全体のバランスがとれています。ちなみにこの絵は1m近くあるわりと大きなサイズの紙に描いた馬で、さっきの絵は40センチほどです。小さくてもアタリをとらないと悲劇が起こることもあります。

逆に大きいサイズでもアタリをとって画面のバランスをしっかりとれていれば最終的な仕上がりがステキなものになるし、何よりも描いてるときも全体のバランスのことを気にしなくていいので楽しく描けます。

アタリをとることの重要性がおわかりいただけましたでしょうか。。。

 

この「バランス」ってホントにすごく大事で、せっかく題材が良くても全体のバランスが少しでも狂っていればすべてが台無しになってしまいます。

それぐらい、絵において画面のバランスは大切なことです。そのバランスを取るためにアタリをとることは超大切なことなのです。

 

絵を魅力的なものにするために画面のバランスをしっかり考えよう

 

アタリのとりかたあれこれ

 

ではどんな道筋を作ってアタリをとればいいのでしょうか。

これは自分なりにやりやすい方法をとればそれでいいと思いますが、ここでは僕がやる方法を紹介します。

アタリをとるときに便利なのは最初はわかりやすい図形で描くことです。

これはアナログでもデジタルでも共通していて、〇とか△とか□みたいなカンタンな形で大まかな位置を決めます。

 

写真のネコで解説します。

この写真をカンタンな図形で表してみるとこんな感じになります。

アタマと胴体、脚、しっぽがあればなんとなくこの写真の雰囲気は出ているのではないでしょうか。

上のやつに耳とヒゲをつけたしただけでもうすでにネコの雰囲気が出ていますね。これをちゃんと描いていったらどうなるんだろう?っていうワクワクがここで生まれます。

これができると全体のバランスは出来上がったも同然で、何にも気にすることなく細かいところに集中できます。

ここから細かいところを描いていくとこうなります。

おおまかなパーツの位置をあらかじめ描いておいてあとから細かいところを肉付けしていくイメージでやると大きく崩れることがないので楽に描くことができます。

冒頭の棒人間を使って描くとこんな感じです。

ちょっとおかしなことになっていますが、、、まぁ、こんな感じです。。。

 

まとめ

 

以上「アタリをとるだけで絵が上手く描けるようになる」というテーマでお送りしてまいりました。

アタリをとると完成までのきれいな道筋ができるのでバランスがとりやすくなります。

アタリをとるって一見すると作業が増えているように感じますが、あとでバランスがおかしいことに気づいて描き直すことを考えると、余計な二度手間が減るのでむしろ時間短縮にもなります。

アタリをとるだけでいいこと盛りだくさんなのでぜひやってみてください(*^^*)

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