こんにちは。水墨画家のDと申します。
今回は「独学で絵はうまくなれるのか?」というテーマで能書きをたれていこうと思います。
結論は「独学はめちゃくちゃ時間がかかるけど、そのぶん得れるものがたくさんあって絵に深みが出る」です。
教わりたい人はすでにこの世にはおらず、身近にはもっとおらずで仕方なく独学でこんな絵が描けるようになったのは僕です。
極論、独学だろうが教えてもらおうが「絵が上手くなりたい!」っていう強い気持ちがあれば、必死で考えて練習するので勝手に上手くなります。
どっちを選ぶにしても根本的な「気持ち」がない人は上手くなんてなれません。
というわけで、独学で絵を学ぶ方法を解説していきます。
独学で上手くなる練習法
基本的にはこれをひたすら繰り返すだけのカンタンなお仕事です。
①自分が描きたい絵、写真を選ぶ(目標を決める)
↓
②実際に描いてみる(実践)
↓
③自分が描いたものと元の絵(写真)を比べてみる(検証と改善)
↓
①に戻って繰り返し
①自分が何を描きたいのかを深く深く考える(目標を決める)
ここがダメだとすべてがダメになるところです。心してかかってくださいっ。
まずはあなたが心の底から「描きたい!」と思う写真か絵を1枚みつけてください。こういうときホントにネットが便利ですねぇ。
「描きたい!」っていう欲望は上手くなるための最高のガソリンです。
そんなふうに思える作品は絶対に描いてて楽しいしかないので「もっと描きたい、もっと描きたい…!」って欲望が渦巻いてます。そうすると必然的に練習量が増えて勝手にドンドン上手くなっていくっていうスンポーです。
そういうわけなので心の底から「描きたい!」って思えるものをがんばって自分に問いかけてみつけ出してください。
僕の場合は神秘的なのとか幻想的なのとかそんな感じの絵が描きたいなぁ~と思っていました。
たとえばこんなの。
こういうのをみると「こんなの描きたい!」っていう欲望がふつふつとわいてきて、それがガソリンになって描けるようになるまでひたすら描いてました。
そして描けるようになったころには画力が数段レベルアップしていました。
ネット上には何億という画像が転がっているので、ここは時間を大量に投資してでも「これだ!」と思えるものをみつけ出してください。
そしてなるべく自分で探してください。
独学でやっているとこんなの描いてみたら?と提案されることがたまにあります。
それが心の底から描きたいと思えるものなら全然おっけーですが、基本的にはズレてることが多くて、しかも「せっかく提案してくれたんだから申し訳ない…」っていう気持ちが生まれてしまって判断を鈍らせてしまいます。
なのでやんわりお断りするといいと思います。
②決めたものを実際に描いてみる
描くものを決めたらそれを模写するのですが、このときに注意すべきは「線をみない」ことです。
特に人が描いた絵を真似して描くときにありがちなのですが、線をそのままマネして描いても上手くなりません。みるべきはその絵が放つ空気感だったり、雰囲気だったり、構図です。詳しくはこちらをご覧ください
写真を描くときならなおさら、輪郭線がそんなにくっきりしてるわけではないので空気感、雰囲気が大切になってきます。
そしてもうひとつ大切なことは「最後まで完成させる」です。
納得がいかなくても最後まで完成させた、という達成感を味わえば小さな自信になります。
その小さな自信が積み重なっていくと、やがてそれはチリも積もって山になってます。
なので最後まであきらめずに描き切ってみてください。大半の人は1枚描き切る前にやめてしまって上達のスピードが遅くなっています。描き切ることってすごく大事です。
③描いた絵を見比べて改善する
1枚絵を描きあげることができましたらばそれだけでも素晴らしいことです。まずは自分をこれでもかというぐらいほめてあげてください。
ムチの前のアメです。
描き上がったら自分の描いたものと元の絵(写真)をみくらべます。
ココがすごくすごく重要です。
たぶん鬼のようにヘコみます。(´;ω;`)
どこがダメなのか?それを探すのははっきり言って辛い作業です。自分のダメなところを見つめないといけないので。
でも、ここは逃げずにしっかり受け入れてできるだけ時間をかけてじっくりやりましょう。
自分の描いた絵と元の絵を比べて何が違うのか?を細かく分析します。目的は自分が苦手なところを追求することです。
苦手を克服すると絵は飛躍的に上手くなります。でも自分のことを分析するのってすごく難しくて、独学のいちばん厄介なところです。できるだけ自分でやるほうが伸び率はいいです。
自分でわからないときはほかの人の意見も聞いてみるといいと思います。
自分ではなかなか気づけないところをみてくれることもあるので。
SNSに投稿していろんな人の意見を聞くという手もあります。
公の場なので辛辣な意見が出てくることもあるかもしれませんが…。
でも安西先生も言ってました。
「下手糞の上級者への道のりは己が下手さを知りて一歩目」
と。
自分のダメなところを自分で受け入れることが上手くなるための近道ですっ。
また①に戻って目標を探す
③で自分のダメなところを見つけることができましたらばそれを克服するための絵や写真を探します。
そうやってあとは②、③⇒①、②、③をひたすら繰り返します。
僕の場合だとそれで「人物画」と「水」がすこぶる苦手だということを発見できました。
なのでそれからというもの、ひたすら水と人物を練習しました。
そしたら元々得意だったもののレベルが格段に上がったんです。
苦手を克服するとそういう副産物も手に入れることができます。
YouTubeなどで上手い人を真似してみる
インターネットという絵描きにとって最強の武器を有効活用しましょう。いろんな人が自分が絵を描くところをYouTubeなどで投稿しています。
それを見て使えそうなもの、自分が見て真似したくなるものを取り入れるのもひとつの方法です。
技術を「盗む」んです。エンピツの使いかたひとつとってもエンピツを寝かして描くのか、立てて描くのかでずいぶん変わってきます。そういう細かいところを見て真似すれば爆速で上達していきます。独学なので上手くなるためなら手段を選んではいけません。どんどん盗みましょう。
自分の憧れの人の動画を探すのもなかなかすぐに見つかるわけではないのでひと苦労ですが。でもこれだ!と思うものが見つかればあとはひたすらその人を真似すればいいので楽しいですよ。
独学のメリット
独学での練習方法はこんな感じです。
独学で絵を学ぶメリットはまず第一に自分の好きなときにできるっていうメリットがあります。
学校とか教室とかだと何曜日の何時に所定の場所まで行かないといけない、週に何回か通わないといけないやらの問題が生じます。たとえば風邪をひいてしまって行けないなんてこともあるわけです。もしその日が大事な授業だったら…なんてことも独学なら心配いりません。
気分が乗らないなんてこともあるかと思います。僕は学生時代何回もありました。
「あーー!行くのめんどくせぇ!」って。
あと、課題とかも人に決められたりして「今そんなん描きたくないねんけど…」ってなることもあります。
描きたくないもの描いても楽しくないし上手くなりません。
その点独学だと自分の好きなときに好きな課題を自分で決めて描くので、めんどくさかったらやらなければいいだけだし、描きたくないものを描く必要もないわけです。
なのでモチベーションを維持できるという思わぬ効果も期待できます。
ほかにもお金が一切かからないことがあったりします。
学校とか教室とかに行くと少なからず授業料だったり教材だったりにお金がかかってしまいますが、独学ではそういった費用がかかることはありません。絵の具とか紙とかにはお金はかかるでしょうが、それは独学だろうと学校や教室に通おうと同じことです。
極論、絵の練習だけならコピー用紙とエンピツさえあれば大丈夫です。コピー用紙もエンピツも特に高額なものではないので確実に千円以内に収めることができます。
たった千円で絵が上手くなれたら超お得ですよね。美大なんかだと軽くウン百万とかかかったりするので…。
独学のデメリット
独学は自由に好きなときに学べて、お金がかからないというメリットの反面、やるもやらないもすべて自分次第というデメリットがあります。
学校とか教室だと時間が決められているので嫌でもやらなければならないということで強制力があります。
強制的にというのはあまり好きではないのですが、強制でもなんでも「描くこと」に意義があったりするので自分で管理できない人にとってはそっちのほうがいいこともあります。
そして独学の最大のデメリットは「地獄的に時間がかかる」ということです。学校だったり教室だと教えてくれる人がいるので自分のダメなところを的確に指摘してくれたりします。
でも独学で学ぶとなるとそれがいいのか悪いのかの判断も全部自分でしなくちゃいけません。ときには何がいいのかわからなくなってしまうこともあります。そんなときには上達のスピードが停滞してしまってモチベーションも下がってしまうという危険もはらんでいます。
そんなときは絵の素人でもいいので親とか友達に見てもらって率直な感想をもらうとかでも解決できます。
ものは考えようです。独学だからといって必ずしもすべてのことをひとりでしなければならないということはありません。SNSでいろんな人の意見を聞くのも手ですね。
まとめ
以上独学で絵を学ぶ方法というテーマでお送りしてまいりました。
独学で絵を学ぶのは常に自分との戦いです。大変だしツラいこともたくさんあるし何回も自分に負けそうになってしまいますが、乗り越えて絵が上達したときの喜びはナニモノにも代えがたいです。
そしてそうやって苦労したぶん絵には深みが出て、みた人を虜にすることは間違いありません。
一度挑戦してみてください。
アカンかったら僕のオンライン講座にきてください。
絵が上手くなるコツを解説しています。無料なのでぜひどうぞ。