絵を描くのが楽しくなくなった時。
そんな時は思いきって絵を描くことから離れてみましょう。
今すぐに。
絵を描くことが生理的に受け付けなくなる前に。
絵から離れて違うことに没頭するといいと思います。マンガを読んだり、映画を観たりスポーツをしたり、料理をしてみたり…。
なんでもいいと思います。
心の底から楽しめる、ワクワクしてくるようなことを。
絵を描きたい!
…と、ふたたびウズウズしてくるその時まで。。。
それが果たして3日後なのか、1週間後なのか、1ヶ月後なのか、はたまた1年後なのか。
それは誰にもわかりません。
神のみぞ知る、、、。
絵を描くことから離れるのはすごく勇気のいることですが、楽しくなくなってる状態っていうのは迷路に迷い込んでいる状態なのでそのまま描き続けても、どんどん泥沼に入ってしまいます。
なのでとりあえずいったん離れてみましょう。
ジブリ映画「魔女の宅急便」の登場人物ウルスラがこんなことを言っています。
キキ「私、前は何も考えなくても飛べたの。でも、今はどうやって飛べたのか、分からなくなっちゃった」
ウルスラ「そういう時はジタバタするしかないよ。描いて、描いて、描きまくる」
キキ「でも、やっぱり飛べなかったら?」
ウルスラ「描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、昼寝したり、何もしない。そのうちに急に描きたくなるんだよ」
絵を描くことが楽しくなくなる原因
そもそも。
楽しいから絵を描くことを始めたはず。
例えば自分で描いた線が好きなキャラクターになった瞬間のワクワク感とか。
描いた絵をみせて「すごい!」って言われた時のドキドキ感とか。
そういう気持ちをもっと味わいたくて絵を描き続けてきたハズですよね。
誰かにやりなさいと言われたわけでもなく。
自らの意志で。
でも今そんな気持ちがどこかに忘れ去られてしまってる。
どこに?
あなたの心の奥深くに。
なぜ?
楽しいっていう気持ちよりもやらなきゃっていう義務感の方が大きくなってしまってるから。
その義務感はどこからくるのかというと、たいていは描きたくないものを描いてるからってのが多いです。
それは誰かに言われものだったり、自ら選んだものだったり、様々ですが。
たとえば与えられた課題とか。
誰かに絵の依頼をされたとか。
依頼されたものの場合、報酬をもらうのであればプロ失格なのでとっとと絵なんか辞めたほうがいいと思います。
もっとも多いのは課題とか練習とかですね。
絵が上手くなるために描きたくもないモチーフを描く、というのはよくあることです。
誰もが通る道なので、仕方ないと言えば仕方ないのですが。
『描きたい!』
『描いてて楽しい!』
っていう欲望にまみれないと絵は楽しく描けないし、描きたくないっていう気持ちのまま描いた絵は自分でみても絶対いい絵にはみえない。
そんな絵を人様がみていいと思えるはずもない。
何にもいいことはなく、ちっちゃなストレスを感じるだけです。
それが単発なら、そんなストレスはすぐに消え去ってしまうのですが、ずーっとそれが続くとどんどんストレスが溜まっていって、心が冒されてしまいます。
すると絵を描くこと自体が楽しめなくなって、本来好きであるハズのものを描いてても楽しくなくなります。
それどころか、自分の絵はおろか、人の描いた絵をみても何も感じなくなってしまいます。
そこまでいってしまうとけっこう重症なので、とっとと絵を描くことから離れることをオススメします。
絵を描くことが楽しくなくなることを避けるには
絵描きを仕事にすると、描きたいものばかりを描けるわけではありません。
時には苦手なモノとかあんまり気が進まない…といったモノも描かなければならない時がやってきます。
むしろ描きたくないモノの方が多いかもしれません。
でも。
依頼してくれること自体すごく有難いことなのです。
依頼主はあなたの絵柄、タッチ、雰囲気などなど、いろんなことを真剣に考えてくださってあなたの絵に惚れ込んで絵を描くことを依頼してくれてるのです。
そんな時に「描きたくねぇ」とかほざくなんてのは、仕事をもらっているという自覚がないただの甘ちゃんヤロウです。
とっとと絵描きなんか辞めてしまった方がいいです。
とはいえ。
描きたくないものをムリヤリ描くのは精神衛生上よろしくありません。
そんなことを続けていたら体がいくつあっても足りません。
そこで。
描きたくないと思うようなモノでも楽しんで描く方法がございます。
それは、『何を描いても楽しくなる体を作る』です。
そんな体になれば、何を描いてても楽しくなります。
それが苦手なモノであろうと、気が進まないモノであろうと。
描く前はね、やっぱりちょっと嫌な気持ちはあるんです。
「あー…やだなぁ…」っていう。笑
やだなぁっていうか、どっちかというと「大丈夫かなぁ…」っていう不安との戦いですね。
でもエンピツを走らせた瞬間スイッチが入って、そんなマイナスな気持ちはどこかに吹っ飛んで一気に楽しくなるんです。
そうなるともう頭の中は「どうやってこの絵を最高のモノに仕上げてやろうか」っていう一点のみ。
ほぼ無心でエンピツを走らせています。
そんな体になったのが僕です。
苦手なモノだろうが描きたくないなぁって思うようなモノでも、机に向かってエンピツを手に取って描き始めた瞬間にスイッチが入る。
エンピツを走らせてる最中はマイナスな気持ちが一切ありません。
そういう精神状態で描いた絵は、自分でみても素晴らしい✨と思えるものになります。
どうやってそんな体を作ったのか?というと。
そのために僕がやったことはただひとつ。
描いてて楽しいものをひたすら描きまくる
これだけです。
そうすることで、体に、脳みそに「絵を描くことは楽しいんだ!」っていうことを徹底的に覚えさせるのです。
そしたら絵を描いてる時、エンピツを走らせてる時はずーっと楽しくなります。
違うのは絵を描いてない時の精神状態だけ。
余談
僕自身、絵を描いてて楽しくないと思ったことは一度たりともないのですが、こんなことを言っています。
こんなことを言えるのは、音楽をやってた時に同じような経験をしたからです。
昔バンドをやってた時があったのですが、いちおーメジャーデビューがどうのとかそういう話が出るぐらいまで頑張っておりました。
そういう時っていうのは、いろんな大人の人が絡むようになって、音楽が「仕事」に変わろうとしてた時でした。
仕事になると当然やりたくないことでもやらないといけません。
でもその時にその空気に耐えきれず、やりたくて始めたはずの音楽が、だんだん「やらなきゃ…」っていう義務感に変わっていって、何ひとつ楽しめなくなった時期がありました。
そんな精神状態の時ってホントに何をやってもダメで、自分たちが作った音楽はおろか、好きなハズの曲を聴いても何を聴いてもどこがいいのかわからないぐらいで、どんどん音楽が苦痛になっていってたんです。
ちょうどそんなタイミングで人間関係がもつれて解散になったのでちょうどよかったっちゃーちょうどよかったのですが、あのまま続けててもどのみちうまくいくことはなかっただろうな、とは思います。
それからしばらくひとりで音楽をやってみたものの、その感覚は拭えず、とりあえずいったん音楽から離れることにしました。
そして何年か経ったらその感覚は見事にリセットされてました。
音楽も絵も同じ芸術なので同じことが言えると思います。
絵を描くのが楽しくなくなったらとりあえずいったん離れてみること。
そして二度とそんな気持ちを味わいたくないと思うので、そうならない体に仕上げることがホントに大切だと思います。
それではまた〜。
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