水墨画をやってみたい…
水墨画ってカッコイイなぁ…
こんな絵を描いてみたい!
そんな水墨画に興味をお持ちのあなたに水墨画ってこんなにも素敵だよってことをお伝えいたします。
いざ始めようと思っても何から始めていいのかわからない。。。なんか格式高そう。。。
道具もなんだか高そうだし。。そういう画材屋さんもなんだか入りづらいし。。どうすればいいんだろう?
これは僕が水墨画を始める前、ぼんやりと水墨画をやりたいなと考え出したころに持っていた水墨画に対してのイメージです。どちらかというと超ネガティブなイメージがありました。
さらに正直に懺悔しますと、どこか暗いというか、年配の人が趣味で楽しむためにやる、みたいなイメージしか持てておりませんでした。
だけど、いろいろ調べていくうちに水墨画の素晴らしさがわかってきて今ではそれをもっといろんな人に届けたい!と思うようになりました。
知らないことは罪深いことですね…
これは水墨画を始めようと考えている人、水墨画に興味のある人に向けたちょっとした入門書のようなものです。
さあ、案内します。白と黒の世界へ・・・
水墨画の歴史
少しだけ水墨画の歴史を追ってみましょう。
水墨画の歴史は大本をたどれば今からおよそ3000年前にさかのぼります。イエスキリストの誕生よりもさらに1000年も前にすでに水墨画の原型はあったといいます。…といっても今のような水でにじませたりぼかしたりする水墨画や墨絵ではなく、ただ単に「墨を使って字を書いたり物の形を描いたり」という程度のものでした。
それからいろんな人たちがあの手この手で水墨画というものを確立させていきました。有名なのは「雪舟」です。教科書にものっているので知らない人のほうが少ないんじゃないかなと。
さらっと言いましたが実は水墨画ってものすごく歴史の深い芸術なんです。日本だけでも1000年ぐらいの歴史を誇ります。茶道とか華道みたいな日本人の心に深く根付くわび・サビ、もてなし、心を落ち着かせる文化が水墨画にもあります。
水墨画はそんな歴史を感じながら描いたり鑑賞することで心を落ち着かせてくれます。
僕は個人的に墨を磨るときのあの香りがすっごく好きで、毎回毎回、飽きることなく心が落ち着きます。墨の香りは独特で、そこに歴史を感じながらやるのもなかなかオツなもんです。
水墨画の道具
さて、歴史を少しかじったところで今度は道具のお話です。描くためには道具が必要なのですが、水墨画に使う道具は墨と筆、紙、硯、この4つがあればおっけーです。すっごくシンプルです。
…でも、水墨画の道具ってなんかすっごい高級そうな感じしません?
僕は思いっきりそれにビビってました。だから最初の1年ぐらいはそういう水墨画専門のお店とか入る勇気が持てなくてなかなか行けなかったです。
だから道具をそろえるのもいかにお金をかけずに、そういうお店に入らなくてもすむかばっかり考えてました。
一部の水墨画を教えたりしている人の中には、書道用の筆は使ってはいけない、みたいなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。
でも厳密には書道用も水墨画用もなくて、本人が描きやすいと思ったらそれでいいのです。たとえそれが水彩絵の具で使うような平たい筆だったとしても、そういう表現を必要とする場面があれば何も問題はありません。ときにはティッシュペーパーを使うこともあります。爪楊枝を使うことだってあります。これはダメっていう決まりはありません。
もっというと始めたばっかりで筆がどうのとか良し悪しがわかるはずもなくてですね。
絵は道具で決まるものではありません。心と腕で決まるものです。
カタチから入るっていうことも、もちろん大事なことではあると思います。そうやって気分を高めることでいい絵が描けることもあるので。
でも僕の個人的な意見は「道具は関係ない」です。100均で売ってるような筆でもじゅうぶん事足りてしまいます。
水墨画はただの白黒の絵画です
数ある絵画の中でも水墨画はなんだか特別扱いされてるような風潮があります。ただの僕の偏見なのですが、そんな雰囲気を感じている人も少なくないんじゃないかなと思います。
ゆーなれば「一見さんお断りの老舗高級料亭」みたいな。
でも冷静に考えたら水墨画もひとつの芸術で、油絵とか水彩画とかと何も変わらないんです。ただの墨と水を使って描いた絵画っていう認識でいいと思います。
たぶん水墨画自身も戸惑ってるんじゃないかなぁと思うんです。「おれそんな高貴なもんじゃねーよ…」って。
僕は"ある絵"に出会うまではそんなイメージがずっとあって、「ホンマに水墨画できるんかなぁ…どうしよっかなぁ…」ってすごく不安になってました。
でもそんな不安はあるひとつの絵に出会うことでいともカンタンに崩れ去りました。
詳しくはコチラの記事をドウゾ。
水墨画は表現する方法のひとつであってそんな伝統だとか格式だとかにとらわれてたら面白くなくなっちゃいます。
芸術は自由です。
何をやってもいいんです。極端な話、油絵と水墨画を混ぜてやったって最終的に人を魅了するような絵が描けるならそれで全然おっけーなわけです。
筆を持つ前にまずは鉛筆で
水墨画は基本的には和紙にいろんな技法を使って描くのが一般的なのですが、ここではそういう技法は語れません。僕はそういうのを放棄して独自の描きかたでやっています。そういう描きかたはほかの人がいろいろ紹介してくれているので、あえてここで語る必要もないかなと。
僕の水墨画の描き方は基本的に水で薄めた墨を何回も重ねて描くことで立体感や奥行き、雰囲気を出していくものです。
それはちょうどエンピツでデッサンをするような感覚に近いです。デッサンはエンピツで何回も線を重ねて影や立体感を表現していくのですが、それと同じように薄い墨を何回も重ねると、不思議なことに浮いてくるような絵が出来上がるのです。
僕は水墨画こそ画力がめちゃくちゃ重要だと考えています。なぜかというと「モノクロ」だからです。モノクロは『色』っていう情報がないぶん、形、光、カゲ、画面構成がすごく大事なウエイトを占めています。
なので筆で描く前にエンピツでひたすら何枚も、何百枚も絵を描く練習をしておくといいと思います。
僕は始める前にひたすらコピー用紙にエンピツでいろんなものを描いて練習してました。そしたら自分でもビックリするぐらい上手くなって、水墨画を描くときにまったく苦労しなかったです。
正解はありません
何回も言いますが伝統とか格式とかにビビらなくても大丈夫です。何回も言うのは僕自身がそれでけっこうビビってしまっていたからです。同じ思いをして足が止まってほしくないので。「これが正しい」っていう正解はないんです。
たとえば描いているうちに「こんな方法でやったら面白いんじゃない?」っていう方法がもし見つかればどんどんそれを追求するべきだと思います。何も決まりごとはないです。
あなたがルールです。あなたが正しいといえばそれが正しい。
自由にやりましょ。心の赴くままに。
インターネットがこれだけ普及してこんなにもいろんな国や地域の文化がごちゃ混ぜになってる世の中で、いろんな要素を取り入れないのはめちゃくちゃもったいないと思います。
和洋折衷して独自の方法でやるほうが面白いしそこから新しい芸術が生まれるかもしれません。
いろんな描きかた
水墨画の技法のひとつに薄い墨と濃い墨、両方を一本の筆の中に含ませてグラデーションをつけるというのがあります。
それで竹を描いたりするのは水墨画に少しでも興味がある人なら誰でも知ってるんじゃないかなと思います。これってすごく面白くて初めて見たときすっごく感動して、やってみたい!と思ってやってみたんです。でもこれがなかなか難しくて、技法を習得するだけでもけっこうな時間かかるなーと思ったのと同時に、「あれ?そこまで面白くないぞ?」ってなっちゃったんです。
なので僕はこの技法を習得するのは断念しました。たぶん面白かったらどれだけ時間かかってでも習得してると思います。
くれぐれも言っておきますが、決してこういった技法を否定してるわけではないです。何を面白いと感じるかなんてホントに人それぞれなのです。
パスタをフォークで食べたい人もいれば、お箸で食べたい人もいる、みたいな感じです。
たぶん普通にやってたら間違いなくさっきの手法のほうが圧倒的に早く習得できてたと思います。でも僕はあえてもっと時間のかかる道を自ら選びました。そこに面白そうな匂いがプンプンしたからです。で、それは当たっていました。このときに自分を信じていばらの道を選んでよかったなと思います。
いろんな描きかたがあるのでどれを選ぶかはあなたの自由です。
道は僕が作っておきました。
水墨画家Dのまとめ
いかがでしたか?水墨画入門。
始めて間もないときとか始める前ってなにをしていいのかわからないと思うので、水墨画ってこんな感じだよっていうのが伝われば嬉しいです。
もし、僕みたいな水墨画を描いてみたい!と思ってくださったなら、↓↓↓をのぞいてみてください。
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