水墨画を始めたい人のための墨の選びかたのポイント

水墨画を始めたいけど墨はどんなものを使えばいいの?

なんかいっぱい種類がありそうでよくわからない。

墨汁でもいいの?固形墨がいいの?

こんなお悩みにお答えします。5分後には墨の知識がついて自身の墨を選ぶときにお役に立てると思います。

 

水墨画は墨が命

 

言わずもがな、墨は水墨画で唯一紙の上に色を乗せることができるものです。なんせ墨以外のものは使えません。

墨がないと絵は描けません。

墨は水墨画にとっては「命」そのものです。そんな墨の深ーいお話です。

 

でも、初心者にとっては何がいいのか悪いのかっていう判断はかなり難しいところ。

でも僕だって最初はまったくわからなかったのでかなりテキトーに選んでました。なのであまり気にしなくても大丈夫です。

 

やっていくうちにもっとこんな墨がいいんじゃないかなぁというこだわりが出るようになっていきました。

中級者ぐらいになって思ったことは、墨選びのポイントって単なる好みだなぁっていうことです。

 

「こんな色が好き」っていう自分の感覚を大事にすればそれでいいです。

こんな絵を描くにはこの墨でないとダメだ、みたいな決まり事みたいなものは一切ありません。

自由です。

僕自身の墨選びがすごーくテキトーだったのは完全に独学だったのと、画材屋さんとかに行く勇気すら持てなかったからです。ただのビビりです。

今は画材屋さんにひとりで行くことができるようになりましたが(何歳やねん)、当時はホームセンターとか身近にあるものですまそうと必死でした。

 

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独学でやると非常に時間がかかってしまうので、ある程度の知識があると非常に便利なのでお伝えします。

 

墨の種類は4つ

 

墨の種類は大まかには4つあります。

まず新墨と古墨という種類に分けられます。

その中で青墨と赤墨というふうに分かれます。以上、4つです。

そこからさらに細かく分類することもできますが、だいたいこの4つでくくられることが多いです。

 

新墨と古墨

 

墨には製造されてからあまり時間が経っていない新墨と、5年以上の時間が経過した古墨があります。じゃあ4年と10か月ならどうなんだ?ってなるかもしれませんが、5年近くも放置してたら物質的にはもう古くなってるのでもう古墨でいいです。

墨の世界では、新しい墨よりも古い墨のほうが良いものといわれたりしています。

要は古墨は年月が経って乾燥してるので、固形にするときの接着剤の成分が抜けて伸びが良くなったりするからです。反対に新墨は出来たてほやほやで接着剤があちらこちらに健在で、ネバネバしているのでその粘度で墨の伸びがイマイチだったりします。でもこれは、好みもあるので一概にそうとは言い切れません。

古墨は新墨に比べて作られてからかなりの時間が経過していて、墨の中の水分の量が少ないです。時間が経つにつれて墨の中のいろんな成分が分解されて量が減っていくので墨が軽くなります。

そういったことから「軽い墨を買え」みたいな格言みたいなものもあったりします。いろいろありますねぇ。

古墨のほうが良いとか言っちゃってますが、この"差"っていうのはすごく微妙なのである程度経験がないとわからないです。正直僕もわかりません。笑

なので始めたばかりでは新墨のほうが良いと思います、お値段も新墨のほうがはるかにリーズナブルです。

 

青墨と茶墨

 

墨には色が微妙に違う「青墨」と「茶墨」があります。

初めて画材屋さんに出かけたときにお店の人に教えてもらいました。

青墨と茶墨の違いは原料と原料の燃やしかたで違ってきます。

松の木を直火焚きして煤を取ったものが松煙墨。これが青墨です。菜種油の油煙墨が茶墨です。

茶系の墨は粒子が細かくて、青系になると粒子が粗くなって、2つを混ぜ合わせると流動性が良くなって描きやすいそうです。

僕はやったことはありません。笑

ちなみにですが、青墨で描いたものがこちら。

 

茶墨で描いたものがこちら。

茶墨のほうが少し温かみを感じるんじゃないかと思います。

この青墨と茶墨の選びかたのポイントはもう完全に「好み」です。どっちがいいとかは言えません。僕自身も作品の方向性によって墨の色を変えることもあります。なのであなたのお好きなように選んでください。どうしてもわからなくてお困りのときは的確にアドバイスいたしますので下のフォームから登録してください。返信すれば僕のところにメールが届きます。

 

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固形墨と墨液はどっちを使うべき?

 

固形の墨と液体の墨の違いは硯(すずり)で磨るかそうでないかの違いです。固形墨は硯で水と合わせて墨を作りますが、墨液は最初から液体なので磨る手間が省けます。

ただ、墨液はほとんどが化学原料を使っていて、ちょっと水に溶けにくい部分があったりするので表現に限りが出てくるというデメリットがあります。僕もやり始めのころは墨液を使ってましたが、1年ぐらいやっているうちに物足りなくなってきました。なので、すこし手間はかかりますが硯で墨を磨るようになりました。

墨液の特徴は淡い墨を作ろうとして水と混ぜたときに、牛乳を温めたときにできる膜のようなものができます。それがなかなか水と相性があまりよくないのか、多少混ぜにくい感じがしました。

 

一方で固形墨は水の中にスーッと溶け込んでいく感じです。だからすぐに水と混ざりあってすごくやりやすいです。この違いは大きいと思います。でもそれもある程度経験を積んでからわかったことなので、はじめは墨液でやってみるのがいいかと思います。

違和感を感じるようになったら上達したという証です。

ちなみに自動で墨を磨ってくれるこんな機械もあります。

書道用の墨と水墨画用の墨があるの?

 

基本的には書道用も水墨画用もありません。どっちも同じ墨です。

なのでホームセンターなどで売っている書道用の墨とかでも全然事足ります。

僕はまさに近くのホームセンターで買ったものを使っていました。中には水墨画用とか書道用とか記載してあるものもあったりしますが、特に問題ないので自由に使えばいいです。

 

まとめ

 

墨は歴史が深くて、知れば知るほどにいろんなこだわりが出てきます。

僕自身もまだまだ知らないことはたくさんあります。その過程をゆっくり楽しみながらやっていくというのも水墨画のひとつの楽しみでもあると思います。

大切なことは墨がどうとかじゃなくて「自分が何を描きたいのか」です。素晴らしい作品を生み出すために墨はあります。そこを忘れないでください。

 

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