坐骨神経痛は足がしびれたり痛くなったりするやつです。
その名前から神経がおかしくなってるとか神経が傷んでしまってるとか思われがちですが、神経自体に何か異常があればもう立ってもいられないぐらいの激痛が生じるので、その心配はありません。
坐骨神経痛の真実は、硬くなった筋肉が神経を圧迫してシビレや痛みを引き起こしてる、というものです。
ヒジの内側を叩いたりして衝撃を与えるとビリビリする現象がありますが、それと同じことがおしりのところで起きている状態を坐骨神経痛と呼んでいます。
坐骨神経痛の治し方
坐骨神経痛を治す方法は硬くなったおしりの筋肉をどうにかしてほぐすことです。
ほぐし方のひとつにグリグリマッサージする方法があります。
上の画像の⭕️のあたりを、手の指やテニスボール、ゴルフボールなどを使って筋肉をグリグリしてほぐします。
筋肉が硬くなるのは人によって場所が微妙違ってくるので、いろいろ探りながら硬くなってる場所を掘り当ててください。
グリグリすると痛みをともなうことがありますが、少しの痛みならガマンしてグリグリした方が後ですごくラクになります。
グリグリする方法の他に、ストレッチをして筋肉を伸ばしてほぐす方法があります。
おしりの筋肉のストレッチはちょっとやりにくいですが、こんな感じです。
筋肉の付き方には個人差がすごくあるので、これをいろんな角度、力加減で試してみるといいと思います。
コツはゆっくりジワジワ伸ばすことです。
急に伸ばすと、筋肉が硬くなってるので損傷してしまうことがあるのでご注意ください。
坐骨神経痛が起きる仕組み
人間には体中至る所に細かく神経が張り巡らされていて、その長さは全部合わせると100万キロメートルにも及びます。
その中でいちばん太いのが「坐骨神経」で、おしりのあたりの深いところを通っていて、下半身の運動系を支配しています。
坐骨神経の上にはおしりの筋肉があります。
おしりの筋肉のことを「臀筋群」と呼んでおりまして、9つの筋肉から形成されていて、人間の体の中でいちばん筋肉が集まっている場所です。
この臀筋群に疲労がたまるとものすごく硬くなります。硬くなった筋肉が神経を圧迫してヒジがビリビリなる現象と同じことが起きます。
筋肉が硬くなる仕組み
筋肉は伸びたり縮んだりすることで骨を動かしています。そのためにはエネルギーが必要です。
エネルギーは血管の中を通って全身の細かいところまで行き渡ります。
エネルギーを燃やしてその熱で筋肉を伸びたり縮んだりさせています。
車がガソリンを燃やしてエンジンを回すようなイメージです。
車はガソリンを燃やしたら排気ガスを排気口から出します。
筋肉もエネルギーを燃やしたら老廃物が出ます。
出た老廃物を体の外に出すシステムがないので、いったん心臓に戻します。
心臓に戻ってから肺にいきます。
肺でガス交換して新たにエネルギーをもらってまた全身に行き渡ります。
これを循環といいます。
筋肉で出た老廃物は100%心臓に戻るわけではなくその場に少しだけ留まります。それは脳が感知できないほどの微妙な量です。
それはずーっとその場に留まり続けて、少しずつたまっていきます。
排水口にゴミが少しずつたまっていくようなイメージです。
排水口にゴミがたまると水の流れが悪くなってさらにゴミがたまってさらにゴミがたまっていくという悪循環が生まれます。
悪循環の最終的な末路は、たまりにたまったゴミが大きくなって硬くなることです。
がんばってイメージしてみてください。
同じように、筋肉で出た老廃物も血管にたまることによって血流が悪くなって、どんどんたまっていきます。
排水口のゴミと同じようにたまりにたまった老廃物はどんどん大きくなって硬くなります。
これが筋肉が硬くなる仕組みです。
筋肉が悲鳴をあげる
筋肉が硬くなると最初は違和感やダルさ、重さを感じるようになります。
その違和感は時間が経てば何も感じなくなります。
でもそれは治ったわけではなく、脳がその違和感になれてしまっただけです。
その間にもどんどん老廃物はたまっていって、さらに筋肉は硬くなっていきます。
そうなると今度は痛みを感じるようになります。
それが肩こりとか腰痛です。
筋肉が悲鳴を上げている状態です。
でも臀筋群は違和感とか痛みをほとんど感じないようにできていて、限界がきた時に筋肉としての機能を果たさなくなります。そうなると身動きがとれなくなります。
それがいわゆる「ギックリ腰」です。
ギックリ腰はおしりの筋肉が原因なのです。
ギックリ腰になっても、しばらく時間が経てばその痛みは和らいでいきます。
でも相変わらず老廃物はどんどんたまっていって、臀筋群はより一層硬くなっていって坐骨神経を圧迫するようになります。
人によって坐骨神経と臀筋群の位置関係は微妙に変わってくるので、圧迫する人とそうでない人がいます。
なので全員が全員坐骨神経痛になるわけではないのです。
ご自愛ください。
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