腰の痛みと聞いて「ギックリ腰」を
思い浮かべる人も多いのではないかと思います。
経験した人はわかると思いますが、
ギックリ腰は動けないんです。
動こうものなら激痛が襲ってきてそれどころではありません。
それだけならまだイイほうで、
あまりの痛さに気絶してしまうこともあるぐらいです。
なぜ動けないのか?
なぜ痛いのか?
これまで僕が治してきた、数でいえば軽く1000は超えるぐらい
いろんなギックリ腰や腰の痛みを見てきた中で
ひとつの真実があることに気がついたのでまとめてみました。
そもそもギックリ腰ってなに?
ギックリ腰は言葉の通り、
腰あたりがギックリしてしまって
身動きがとれなくなることを指します。
だいたいの人がそれまでに何もしていないのに
突然腰が痛くなって動けなくなったといいます。
これは大きな間違いで決して突然起こったことではないのです。
むしろ起こるべくして起きたこと。
そこらへんの認識はしっかりしておいた方がイイのですが
なかなかそれが世の中に浸透していないのも事実。
、というのも多くの人が勘違いしてるのが
ギックリ腰とはいってもホントの原因は腰にはないのです。
これは脳が本当に痛い場所がよくわからなくなっているだけなんです。
関連記事⇒すべては脳の勘違い??体が痛い原因は意外なところにある
腰の仕組みを理解しよう
結論から言うと本当の原因は「腰」そのものにはなくて、
おしりの筋肉、「臀筋」にあります。
「臀筋」は骨盤と大腿骨を支える筋肉です。
図をみればわかるとおり、
おしりにはいろんな筋肉が集まっています。
これらをまとめて臀筋群といいます。

この筋肉が人間の
立ったり歩いたり走ったりする動作を支配しています。
それに加えて上半身の体重を支える役割も果たしているという
かなりのスグレモノです。
なによりも人間の体のほぼ中心に位置していることが
人間が活動するうえで
大事な役割を果たしていることがわかりますね。
仕事の多いこと多いこと。笑
まずはそこをしっかり認識することが大切です。
これを認識してないといつまでもお付き合いしないと
いけなくなるので。
実際、僕が診てきた中でもウン十年腰の痛みとお付き合い
している方がかなりいらっしゃいます。
臀筋の限界
そしてその「臀筋」が正常に機能しなくなった状態が
いわゆる腰痛です。
「臀筋」がやる気なくしちゃったんです。
「もうおれムリっっ」
って、サジをなげてしまった状態です。
だからそのぶんの負担が全部上の
腰椎の部分にいっちゃうんです。
腰椎の椎間板がヘルニアになるのはそれが理由です。
重力が腰椎に大きくかかってしまって
その重みに耐え切れなくなって椎間板が飛び出てしまいます。
飛び出た椎間板が脊髄を刺激して
激痛が走ったりシビレが起きたりするのが椎間板ヘルニアの正体です。

思わぬ形で真実を知った
僕自身、この仕事をする前に
腰の痛みに悩んだことがありましたが、
そのときはまさかおしりの筋肉に原因があるとは
思ってもみませんでした。

僕がこれを発見できたのはホントにたまたまで、
あるとき腰が痛いなーと思って
腰あたりを自分でもんだりさすったりしていました。
でも一向に腰のあたり痛みは改善しないんです。
おかしいなーと思いつつ、
何気にその手を下の方に伸ばしたんです。
この伸ばしたのはあまりにも痛いので
ほぼヤケクソでそこに手を伸ばしただけで、
特に深い意味はなかったのですが。
するとどうでしょう?
ちょっとさわっただけなのにおしりの筋肉がカチカチに
固まってしまっているのがわかってしまいました。
え?
おしり?
ってなりましたね。

なんでこんなとこが痛いの?
僕は衝撃的すぎてしばらくそこから身動きがとれません。(およそ1分)
それからおしりの筋肉を自分で揉んでみたところ、
腰の痛みが少しマシになったのです。
このときはまだ体の勉強も何もしてない状態だったので
なんでそれが腰が痛いってなるのかわからなかったのですが、
とりあえず揉めば揉むほど
ドンドン痛みが和らいでいくのでひたすらもみまくりました。
そしたらビックリするぐらい腰の痛みがマシになって、
それ以降もそんなに腰の痛みに悩まされることはなくなったのです。
これは僕が自分で経験した実話です。
それから柔道整復師という資格を取るために
専門学校に入って体の事を猛勉強して、知識を習得して
あの時の体験はそういう事だったのか。
、とすごく納得できました。
重力との戦い
人の体は頭があってそこから脊柱という背骨が伸びていて、
脊柱の下のほうに腰椎という小さな骨が5個あつまったところがあります。
これが一般的に「腰」と呼ばれているところです。
多くの人が腰が痛いといったらこのあたりを指差します。
でもホントはその下の骨盤というところの方が
大事なところで、重力は腰椎よりも骨盤とそこから
分かれてる大腿骨にかかっています。

図を見たらわかるように重力は
腰椎から分散して大腿骨の方に逃げようとしています。
で、逃げようとする大腿骨を必死で止めてるのが「臀筋」です。

大腿骨は上からくる重力に対しては
あまりにも脆弱なところで繋がっています。
骨盤と大腿骨とが繋がってるところは
ほんの5センチ程度。

そんな小さなところでしか繋がれてないものを
臀筋はものすごい力で支えてくれていることがわかります。
なので臀筋はものすごい瞬発力と
ものすごい持久力を兼ね備えたスーパー筋肉なのです。
オリンピックで100メートルとマラソンの両方で
金メダルとっちゃうような感じです。
臀筋の意外な弱点
ところがどっこい。
このスーパー筋肉の臀筋にも弱点があります。
その弱点というのは、疲れてもそれを誰にも悟られないように
ひたすら寡黙にがんばり続けちゃうということです。

他の箇所の筋肉ならすぐに疲れたといって根をあげます。
足とか腕とか肩とか腰とか。
みんな疲れたらすぐに脳に疲れたという信号を送ります。
だからすぐに痛くなったりだるくなったりするわけです。
ところが臀筋だけはなかなか男気にあふれていて
すぐに疲れたとはいわないんです。
むしろがんばりすぎて
気を失うまでずっと頑張り続けちゃいます。
でもそんな気を失うまで頑張ってはじめて
自ら痛いということをアピールしてくる困ったやつです。
重いものを持ったりくしゃみをしたり
ささいなきっかけで限界を突破してしまった。
そして気を失った状態が「ギックリ腰」です。
気を失ってしまったのでもう何もできません。
体を支えることも、骨盤から大腿骨が
逃げようとすることも何もできやしません。
ギックリ腰で身動きがとれないのは
臀筋が気を失っているからです。
しばらく時間が経てば気を失った状態から
目が覚めるのでなんとか動けるようにはなります。
でもそれでも疲労はもうピークを超えちゃってるので、
いつまた何が起きてもおかしくありません。
「ギックリ腰は1回やってしまうと何回もやってしまう。」
というのはそういうことなんです。
安静にしても治らない
ギックリ腰は安静にしても治りません。
正確には感覚的に痛みはいったんおさまりますが
決して治ったということではありません。
これは整形外科に行ってレントゲン写真とっても
特に何も異常は見つかりません。
あるとしても腰椎がちょっとずれてるねーとか
腰椎がちょっとまっすぐになりすぎてるねーとかその程度です。
ちゃんと診てくれることは少ないです。
ちょっと電気当てて湿布出されて痛み止めの薬もらってそれで終了。
そんな人が僕のところに多くやってきます。
なので整形外科に対する文句の多いこと多いこと。笑
まあさわってもくれないんだから文句のひとつも言いたくなりますよね。
関連記事⇒整形外科医が何もしてくれないのは能ナシだから:その理由を徹底解説!
対策と予防
僕らの仕事はそんな動けない状態を
何とかして動ける状態まで持っていくことです。
動けないからといって安静にしろなんて誰でも言えることです。
安静にしたところで何も改善することはありません。
むしろ時間が経てば少しは動けるように
なってしまうので余計にひどくなることもあります。
整骨院に行くのが手っ取り早いのは手っ取り早いですが
行けない場合は、手の親指の付け根のところで
おしりの臀筋の硬くなっているところを
少しずつ押してあげると楽になります。

冷やしてしまうとかえって筋肉が固まってしまうので
温めたほうがイイのです。
あとは骨盤ベルトなどで骨盤をこれでもかってぐらい締めます。
臀筋は大腿骨を外に逃げないように支える筋肉なので。

だいぶ下のほうです↑↑↑
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そうなる前に自分でできることをするのが1番です。
自分の体は自分にしかわからないので。
1番カンタンな方法はこれ。↓↓↓

このストレッチを毎日10分、時間がなければ5分やるだけでも
疲労はある程度たまりにくくなります。
あとは姿勢を改善すること。
できるだけ胸をはっておなかをひっこめて
おしりをだすような姿勢にすると
一番重力が分散されるので。

ずーっと同じ姿勢も臀筋に負担がかかって
あまりよろしくないのでたまに体を動かしてあげるのも重要です。
毎日毎日少しずつ疲労は蓄積されていくのでたまには臀筋にも休養を。
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