こんにちは。水墨画家のDと申します。
絵が上手くなりたいけどガッツリ描く時間が取れない・・・
そんなあなたに時間がかからなくて場所も取らなくて、そんでもって効果抜群の練習方法をご紹介します。
用意するものは白い紙と先の細いボールペン。
以上です。理由はあとで解説します。
百聞は一見にしかずなのでこちらの動画をごらんください。
これはTikTokで投稿した動画なのですが、現在50万回以上再生されています。いいね♡は4万件ぐらい。
たぶん今後もっと伸びていくんじゃないかなと思います。
基本的には本当にこれだけなんです。この動画のように楕円を描いてその中を細い線で埋め尽くす。それだけでOKです。
これだといつでもどこでも、少しの余白があれば30秒あれば1回練習できます。メモ帳、ノート、教科書の端っこ、なんでもござれです。とにかく暇さえあればやっちゃてください。大きさは縦3センチ、幅1センチぐらいが目安です。それ以上大きくなるとちょっとめんどくさいと思います。
何の練習になるの?
さて。
これが果たして何の練習になるのか?コメント欄を見ると「いやこれ色塗りの練習やん。」とか書かれていたりします。それももちろんありますが、もっと深く考えると色塗りだけでなく、いろんな効果があります。
・線を思い通りに描く練習になる。
・筆圧をそろえる練習になる。
・もちろん色を塗る練習にもなる。
・どんなふうにペンを持ったらいいのかがわかるようになる。
今ここに挙げただけでも4つの効果があります。ひとつずつ解説していきます。
思い通りに線が描ける
まずこの練習は楕円の中をまっすぐな線できれいに埋め尽くすのが目的です。どれも楕円の線からはみ出ることなく、キッチリ楕円の線に合わせないといけません。
それにはまずまっすぐな線を描く必要があります。たった1センチの線ですが、これがなかなか難しいんです。
しかもそれを楕円の線からはみ出ないようにするには指先の微妙なコントロールが不可欠です。
ということでこの練習では思い通りの線が描けるようになります。
しかも楕円なので線の長さが微妙に変わっていきます。
指先のコントロールが上手くできないと楕円からはみ出てしまいます。
筆圧をそろえる
同じ長さの線できれいに埋め尽くそうと思ったら線の太さを一定にする必要があります。そのためには筆圧をそろえないといけません。
筆圧をそろえるというのはカゲを描くときのグラデーションを表現するときとかにすごく役に立ちます。動画ではわかりにくいですが、かなり手の力を抜いて線をたくさん描いております。
筆圧が強いとどうしてもエンピツとかペンを強く紙に押し付けてしまうので線が太くなってしまいます。手に力が入って描いた線はものすごくカタくなってしまって、見た人に余計な圧迫感と緊張感を与えたりもしてしまいます。
繊細な表現をするときなんかはめちゃくちゃ細い線が必須です。
というわけで筆圧のコントロールの練習にもなります。
色を塗る
わりとコメント欄で多かった意見ですが色を塗る練習にもなります。実際に楕円に色塗ってるだけの動画なので。w
色を塗る作業というのは、このように細いボールペンならなおさら線と線の間隔はめちゃくちゃ寄せる必要があります。細いボールペンがいいと言っている理由はココです。
ボールペンだとインクが出る量が安定しているので、太さ、色の濃さが常に一定です。
シャーペンとかエンピツだと筆圧によって太さが変わったりするのでちゃんと線が描けてるかどうかの確認がしにくいんです。水墨画とか水彩画だと色を重ねる際に重ねてはいけないところに筆を持っていってしまうこともあるので、この練習をしておいて指先をコントロールすることができていればそういうことも少なくなります。
持ち方の練習になる
持ちかたの練習にもなります。どんなふうに持てば線が描きやすいのか?絵を描くときの線は(特に鉛筆画は)基本的に濃く描くのはNGです。濃い線っていうのは力を強く入れて描いた線です。そういった線は、見た人に圧迫感と緊張感を与えてしまいます。
そんな絵は誰が見てもしんどいだけです。
絵は線がたくさん集まってできた、いわば「線の集合体」です。その線を自由自在に操ることができるようになるためにこの練習はとてもとても効果的です。
どれぐらいやればいいの?
この練習方法はいつでもどこでもお手軽にできますが、1回やったからといって上手くなれるわけではありません。
「何回やれば上手くなれますか?」
といった質問も多数寄せられていますが、基本的に「何回やれば上手くなる」といったことは言えません。上手くなるまでやり続けるという覚悟でのぞんでください。じゃないとすぐにやめてしまうでしょう。
三日坊主でもできますか?みたいなコメントも多数あります。
少し厳しいことを言うと、三日坊主で何かを成し遂げた人を僕は見たことがありません。
世の中の成功している人は、皆さん何かしら、何年、何十年とコツコツ積み上げてきたものがあります。
絵にもこれは当てはまっていて、この方法は楽して絵が上手くなる方法ではなくて、「簡単な練習方法」です。「簡単に絵が上手くなる練習方法」ではないのです。
それでもコメント欄ではこれやって絵が上達した!みたいなことを言ってくださる方もいらっしゃるので、やりかた次第なのと、あとは気持ちです。本気で上手くなりたいっていう気持ちがあればこんな簡単な練習方法でも何か自分に得れるものを探します。
本気でやれば1ヶ月もあれば絵は上達できる、と本気で思っていたりします。
この練習方法はやりかた自体はすごく簡単で誰にでもできると思います。これが自分にとってどんな効果があるんだろう?と常に自問自答を繰り返しながらやると爆発的に伸びると思います。
ひと筆ひと筆に意味を持たせて練習するかしないかで1週間後、1ヶ月後の伸び率は全然違ってくるのでぜひやってみてください。