【水墨画の描き方】魅力的な水墨画を描くための考えかた

水墨画は墨と水を巧みに使って絵を描く芸術です。

水墨画というだけで独特な雰囲気があり、

それだけでカッコいい魅力があります。

一方で敷居が高いような、

少し近づきがたいようなイメージがあるのも確かだと思います。

水墨画を始める前の僕もまさにそんな感じでした。

不安しかなかったです。

それでも僕を水墨画の世界へと駆り立てたのは

あふれんばかりの好奇心とこれしかないっていう崖っぷち感でした。

僕には師匠も先生もいません。

全部独学で学んだことばかりです。

そんな僕が魅力的な水墨画を描くために意識していることをまとめました。

参考までに僕の作品はこちらです。

Dの作品集

水墨画は雰囲気勝負

 

水墨画に限らずですが絵画という芸術は1枚の紙の上に

すべてを捧げる、持てるものすべて爆発させる芸術です。

なので画家の皆さんはたかだか1枚の紙に対して膨大な

エネルギーを使ってものすごい集中して絵を描いていきます。

水墨画は白と黒だけの世界です。

たとえばこんなのでも雰囲気は出せるわけです。

そこにタマシイがこもっていれば余白の白い部分が

ただの紙の白い部分ではなくなるんです。

それが水墨画の魅力であり、最大の武器でもあります。

なによりも大事なのは気持ちです。

全神経を集中させてその空間に自分が入り込む感じです。

そのために音楽聴いたりして外部の音をシャットアウトするとめっちゃ集中できます。

プロドラマーの村上ポンタ秀一氏がこんなことをおっしゃっていました。

棒きれもって10,000年やるよりも、
もっと広い視野でたとえば綺麗なものを見る、
それに感動する、思いっきり泣く、思いっきり怒る、
思いっきりスケベな気持ちになるとか、
そっちのほうが大事で。
そういう感性があるからこそ音符を操ったときに、
それこそ音楽のマジックみたいなものがあるんだけど
そういうことを考えないでやってるやつと
まったく同じことやってても表現が全然違ってくる。

もうね、この言葉がすべてです。

たとえばさっきの馬の親子なら

親の馬がどんな気持ちでそこに立ってるんだろうとか、

仔馬はどんな気持ちなんだろうとか、

そういうことを考えて描くのとそうでない

気持ちで描くのでは全然違ってくるんです。

こんなシルエットだけの絵でも、です。

水墨画に限ったことではないですが、むしろ水墨画は

色という情報がないのでそういうところを補うためには

気持ちってめちゃくちゃ大事です。

水墨画は構図が命

 

水墨画は気持ちが大事です。

では、その気持ちを的確に表現するために何が必要か?

僕は構図に命をかけます。

白と黒、グレーしか使えない水墨画においては構図が命です。

で、その構図をより完璧なものに仕上げるために

何枚もエンピツでラフスケッチを描いてこれ!というものを作り上げます。

そうやって仕上げたラフスケッチをもとに

本チャンの紙に下描きをエンピツでします。

水墨画界隈では下描きをする、しないで賛否が分かれますが、

僕は断然下描きする派です。

これにはちゃんと理由があって、構図が命だと先ほど言いました。

その構図を忠実に、的確に表現するためには

いきなり墨を入れることなど僕には到底できません。

水墨画家の人たちは何もなしにいきなり墨を

入れる人が多いですが、僕にはマネできません。

まあ、そこらへんは人それぞれです。

僕はそこらへんものすごく神経質なだけです。笑

 

水墨画を魅力的に描くために細かい設定を考える

 

構図は言わば絵の骨格のようなもの。

それをエンピツで薄く描き、あとは墨を入れて細かい肉付けを

していくのですが、その前にもうちょっとだけ頭をひねって考えてみます。

それがその絵の細かい設定です。

先ほどの馬の親子の絵でいいますと、

例えばこの馬の親子は何を考えているのでしょう?

そんなことを考えながら描くとものすごく感情移入できます。

馬はしゃべったりすることはありませんが、人間の親子に例えてみたり。

もしかしたら家に帰る途中で子どもが「ねえお母さん、晩ごはんなーに?」

なんて会話をしながら歩いているのかもしれません。

 

そんなふうに考えるだけで気持ちの入りかたが全然違ってきますね。

晩ごはんの話をしているなら時間的には夕暮れでしょうか。

もしかしたら家にはお父さんと兄弟が家で待っていたりするのかも。

などなど、設定を広げるなら無限大の可能性を秘めています。

そんな細かな設定を作りこむことで

たった1枚の絵でもストーリーが生まれます。

魅力的な水墨画を描くにはそういうのってめちゃめちゃ大事です。

 

ジブリから学んだこと

 

僕はそういうことを「もののけ姫はこうして生まれた」

というドキュメントをみて学びました。

created by Rinker
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

「もののけ姫」はスタジオジブリの大ヒット作品です。

あの映画は大勢のスタッフが関わって制作されています。

宮崎駿氏は非常に細かいところまで膨大な量の

エネルギーをあの映画一本のために注いでいます。

その熱意がまわりの人達をも動かし、

社会現象になるまでの作品に仕上がりました。

芸術に携わる人は絶対に見たほうがいいですアレ。

特に水墨画のように色がない絵画ではいかに

細かいところまで作り込めるかどうかだと思います。