水墨画のお手軽練習法:筆ペンで筆の感覚をつかむ

こんにちは。水墨画家のDと申します。

今回は「筆ペンを使った水墨画のお手軽練習法」というテーマで能書きをたれていこうと思います。

水墨画を練習したいけどそこまで時間が取れない。
もっとお手軽に練習できる方法はないかな?
水墨画を始めようと思ってるんだけど何から始めればいい?

そんな人におススメの内容になっています。

筆ペンを使って練習すると筆の感覚がつかめるのでめちゃくちゃいい練習になると思います。

特に初心者の方や、これから水墨画を始めようと思っている方にはぜひオススメします。

水墨画を始める前にお試しで筆ペンで描いてみて、面白そうだなと感じたら本格的に水墨画を始めるのも全然アリだと思います。

 

筆ペンでも頑張ったらこんな絵が描けるようになります。

これをみて「ほえーーーー」と思ってくださったならこのまま読み進めてください。

お役に立てると思います。

水墨画の練習に筆ペンがいい理由

 

筆ペンが水墨画の練習に最適なのにはいくつか理由があります。

・感触
・時間短縮
・コスト削減

以上の3つです。

ひとつずつ解説していきます。

 

感触がエンピツと筆の中間

まずひとつめは描いた時の感触です。

筆ペンの硬さって筆とエンピツのだいたい中間ぐらいの感じなのでエンピツから筆に移行するときに筆の柔らかさに戸惑わなくてすむっていう。

基本的な絵の練習はエンピツでやるのがいちばん効果的だと思っていて、エンピツでのデッサンとか模写をすれば絵って勝手に上手くなっていきます。

でも筆ってすごく柔らかいのでエンピツと比べると全然描き心地が違います。

エンピツってある程度力を入れても線の太さってそんなに変わらないんですけど、筆だとちょっと力入れるだけで線がめちゃくちゃ太くなってしまうので、その瞬間すべてが台無しになっちゃうこともあるんです。

その点、筆ペンは筆とエンピツの中間ぐらいの硬さなのでエンピツで慣れた手でもわりと馴染みやすいのでいい感じにステップを踏むことができます。

 

墨を磨る時間が省ける

2つめは時間短縮です。

筆ペンの魅力はなんといっても超お手軽感です。水墨画は墨を磨るのにけっこうな時間がかかってしまうんです。そんでもって紙を用意したり水を入れて墨を薄めたり、と描き始めるまでにどう頑張ってもトータルで20〜30分はかかってしまいます。

その点、筆ペンだとフタを開ければもうそれだけで描き始めることができます。1分もかかりません。これは便利です!

コスト削減

3つめはコストがかからないです。

筆ペンは高くても千円もかからないのでコスト的にもかなりお手軽です。

できれば濃い墨のものと淡い墨のものとあわせて2種類用意しておくといいかと思います。

だいたいこんな感じの理由で筆ペンっていいよなぁと思う次第であります。

 

ちなみにですが、水墨画の道具をそろえるのにもそんなにお金はかかりません。抑えようと思えば1000円以内に抑えることもできます。あわせて読んでみてください。

【初心者必見】水墨画の道具のすべてを徹底解説

実践編

 

さて。ここからは実際に筆ペンを使った練習方法を紹介していきます。

筆ペンは力の入れ具合で線の太さが変わるので、線をスーッと描くだけでもそれなりの雰囲気が出すことができます。

筆ペンはお手軽でお値段もリーズナブルなので軽くみられるかもしれませんが、いくら筆ペンといっても毛がたくさん集まってできた「筆」なので、筆圧によって線の太さが変わったりもします。

本物の筆のようにはいかないものの、筆の穂先だけで細い線を描いたり、全体を押し付けて太い線を描いたりと、状況に応じていろんな線を描くことができます。

 

線、点、面の練習をする

まずは線、点、面を描いてみてください。

筆は力を入れるとブチャイクになってしまうので、基本的にはあまり力を入れずにソフトタッチで優しく描いてください。

線の練習

線は絵の基本です。線がたくさん集まって絵になります。

ひとくちに線と言ってもたくさん種類があって、力の入れ具合で線の太さが変わるので、表現できるものは無限大です。

できるだけ細い線を描けるようになると表現の幅が一段と広がります。

点の練習

点だけでもいろんなことが表現できます。みかんの皮、花火、水滴などなど…。

チョンってするだけの点もあれば少し伸ばしたような点もあって、点だけでメダカを表現できたりもします。

メダカっぽいでしょ?こんなふうに描いています。

 

面の練習

丸を描く練習をする

 

ちょっと難しくなりますが、丸を描いてみてください。

丸を描くときに途中で太さが変わったりすると思うので、できるだけ力を抜いて筆の穂先をチョンって当てるぐらいの感覚でやってみてください。するとあんまり太さが変わらずにきれいな丸が描けます。

丸だけでもいろんなものを表現することができます。

 

これらを駆使して描いたのがこちらです。

さらにレベルを上げるとこうなります。

コモド島に住むオオトカゲ「コモドドラゴン」です。薄い筆ペンと濃い筆ペンの2種類を使っています。

こちらは濃い筆ペンだけを使って描いたカラスです。

筆ペンのお手入れ

 

筆ペンはインクペンなので使ったあとはキャップを必ず閉めるようにしましょう。でないと乾いてしまって使えなくなってしまいます。

もしキャップを閉め忘れてしまった場合は、お湯につけると穂先が元に戻ります。

 

 

本気でやるならエンピツでの練習をおススメします

ここからは本気で水墨画をやってみたい人に向けた、少し込み入ったことをお話しします。

水墨画は最終的には筆を使って絵を描く絵画です。じゃあいきなり筆とか筆ペンとかを使って練習したほうがいいのでは?と思われるかもしれませんが、全然そんなことはありません。

絵はどんなジャンルでも基本的には「線の集合体」です。(点描画のぞく)どこにどんな線を描けば頭にイメージしたものを表現できるかっていう、大本のところはまったく同じなんですね。

絵の基本は「線を柔らかくして、物の形をとらえて、最後まで完成させる」の3つです。

【絵が上手くならない人の特徴】本気でやれば30日で上手くなれる

この3つをきれいに叶えてくれるのがエンピツです。

エンピツは線のカタイ・柔らかいがめちゃくちゃわかりやすくて、先が硬いので思いどおりの線が描きやすいです。あと、間違えても消しゴムで消して間違えたところから再開できるので最後まで完成させやすい、っていう3拍子がそろっています。

筆だとこの3つの要素すべてがやりにくいので、結果として上達が遅くなってしまいます。

なのでいきなり筆で始めるのが悪いことではないのですが、どうせやるなら早く上達できたほうが楽しいと思うので、エンピツで練習することをおススメします。

 

 

まとめ

 

以上、「筆ペンを使った水墨画のお手軽練習法」というテーマでお送りしてまいりました。

筆ペンは水墨画の練習にもなって、それ自体が「アート」にもなる、すんごいヤツです。

詳しい練習のしかたとかを水墨画教室で解説しています。ぜひのぞいてみてください(*^^*)

 

 

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